78 区分けして整理してわかる、やはりこれで良かったのだと
区画整理が進む。
人員整理も進む。
階層の追加も含めて迷宮の整理が進んでいく。
その最後が近づいてくる。
集められた素行不良の者達が処分される日がやってくる。
もともと、業界に関わりのある者達だった。
アニメや漫画などの製作製造、販売に携わってる者達だった。
だから事前に排除する事が出来なかった。
「あまかったなあ……」
今にしてトモヒロは後悔している。
最初の時点で人を選別しておけば、今になって手間取る事もなかった。
面倒が発生する事もなかった。
区画整理のついでという形でなければ、問題の解決に乗り出せなかった。
そうなった理由はある。
人を招き入れた頃には、今ほどの力はなかった。
選別するだけの能力もなかった。
排除しようにも、それを通すだけの力もなかった。
下手に強行した場合に、やってきた者達の気分を損なうのではないかとも思った。
悪人悪党の殲滅は必要不可欠なのだが、それを良しとしない不可解な者もいる。
それがどんなに害悪をもたらそうとも、殺して処分する事を嫌うおかしな者というのはいる。
殺すくらいなら、悪辣な非道を認めるというのだ。
どれだけの人が被害をこうむろうとも決して考えを覆すこともない。
こういった者であっても、創作・製作には必要不可欠と思っていたから見逃した。
見逃すしか無いと思っていた。
そんな自分を振り返り、「あまかった」とトモヒロは思う。
やればよかったのだ。
徹底的に悪辣な者を殲滅していけば良かったのだと。
そうでなければ面倒が増えると。
それで気分を害する者がいれば、そいつもまとめて処分すれば良かったのだと。
そうしていれば、地下最下層に問題は発生してなかったと。
こういった問題を放置した、黙認してきたせいで、創作にも悪い影響が出ている。
娯楽殲滅派がいるのと同じような状況になっている。
以前よりも創作に幅がなくなってきている。
その理由のほとんどに、問題を起こす者がかかわっていた。
こういった者達が好むものが多く出回るようになってる。
こうした者達が嫌うものが消えていっている。
外に比べればましだが、創作の範囲が大きく狭まっている。
トモヒロが最も嫌う状態だ。
それがはっきりしたのは区画整理のおかげだ。
問題のある者を隔離した結果、創作が以前の水準を取り戻していった。
様々な話が出来上がるようになった。
様々な作品が面白さを取り戻すようになった。
何のことはない。
娯楽殲滅派を身のうちに取り込んでいたのだ。
創作・制作に携わってる者達の中にいたから取り除けなかった。
本質的に、漫画やアニメなどの娯楽を損なう者達だったのにも関わらず。
この問題を一気に片づけていく。
間違いをただしていく。
邪魔なものを消していく。
あるべき本来の姿を取り戻していく。
そうでなければ、害を残す事になる。
この際、問題を起こす者をかばう者も処分していく事にしている。
害を取り除く事を拒否して問題を放置する手助けをしてるのだ。
共犯者と言ってよい。
害悪というのは、素行不良な者だけが問題になるのではない。
素行不良な輩を残しておこうとする者も問題なのだ。
これらもまとめて排除していく。
そして、被害者の鬱憤も晴らしていく。
問題を起こしてる当事者と共犯者への制裁を彼等にやらせる事で。
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