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70 怪物としての人間量産と今後について

 地上に出向いた数十人に部隊。

 それはトモヒロが地下で作った怪物の一種だった。

 人間という種族の。



 生み出せる怪物には様々な種類がある。

 人間もそのうちの一つだった。

 この事を知った時、トモヒロは随分と驚いたものだった。

「人間も怪物なのかよ」

 分類上ではそういう事になる。

 この迷宮の中では。

 そんな怪物の一種である人間だが、これが割と面白い存在だった。



 基本的な能力は人間と同じである。

 ほぼ寸分違わず、人類そのものといった能力を持っている。

 特に秀でた所もなく、かといって極端な弱点もない。

 ありふれた、ごく普通の人間が迷宮で作れる怪物としての人類だった。



 だが、人間らしい利点もあった。

 格闘術や魔術に超能力を身につけられる。

 これにより、幅広い能力を得る事が出来る。

 一人に全てをやらせるのはさすがに難しいが。

 職業や役割のようにある程度分担させれば、様々な事をやらせる事が出来る。

 それこそ、探索者や軍隊のように部隊を編成させる事も出来る。



 この、様々な能力を身につけられるのが魅力だった。

 これが他の怪物だとなかなかこうはいかない。

 獣や虫のような存在だと、どうしても能力が固定されてしまう。

 特殊な能力を持っていても、技術や知識を身につける事が出来ないことがある。

 おかげで、戦い方に幅がなくなる。

 強力な攻撃手段を持っていても、どこか単調になる。

 それが弱点になりかねない。

 人間にはこういった弱みがない。



 能力は決して高くないが、ゴブリンほど低くもない。

 その分、生産にはそれなりの製造費用というか原料・材料などが必要になる。

 しかし、それもより強力な怪物よりは少なくて済む。

 少なくとも、より強力な怪物ほど作る手間がかかるわけではない。



 この人間をトモヒロは大量に作り出した。

 最初から高レベルで生み出せるのも魅力的だった。

 そんな人間をトモヒロは数十人ほど造りだしていた。

 やがて来るだろう、迷宮攻略に乗り出してくる探索者対策として。



 その為に作った怪物の一種としての人間。

 いずれもレベル500で生み出した。

 おかげで、かなり大量の気力を注ぎ込む事になった。

 それでも、強力な戦力を得るためと思えば惜しいとは思わなかった。



 何より、レベルは上がる。

 産み出されたレベル500の人間がいつまでもレベル500というわけではない。

 今後、経験値を得ていけば、いずれ更にレベルを上げていく。

 そうなれば更に強力な存在になっていく。



 こういった者達が、地上に出向いて探索者を一掃した。

 作業を終えてトモヒロに連絡を入れてきた。

 今後は地上に残って、やってきた探索者を排除していく事になる。



 地上の迷宮影響範囲は今後復活していく。

 再び漫画とアニメが溢れるオタクの町となっていく。

 そこには様々な人間が戻ってくる事になる。

 そういった者達を守る存在になっていく。



 見た目が人間だから、周囲に溶け込む事が出来るのも大きい。

 攻め込まれても、その場にいる人間の一人に紛れ込むことが出来る。

 そうして相手の死角に入って始末する事も可能だ。



 そんな人間を、この先暫くは作っていく事になる。

 それなりに大きい迷宮の影響範囲を見回るには、ある程度の人数が必要になる。

 この人数を確保するまでは、怪物としての人間を量産していく事になる。



 そうしながら、影響範囲に町が戻るのを待つ。

 あちこちに分散していた人々を呼び戻すのもそれからになる。

 攻め込まれても撃退できるようにして。



 そこまで出来たら、再び迷宮の階層を増やしていく。

 より深くして、より多くの霊気を得る為に。

 なんだかんだで資本や資源は必要になる。

 それが無ければ何もできない。



 また、今回やってきた探索者によって、迷宮の階層が知られてしまった。

 5000階までしかないと分かれば、それに応じた対策もとられてしまう。

 そうなっても大丈夫なように、より深い迷宮にしていく。

 より強力な怪物を産み出す為にもだ。



「忙しい……」

 一人で気楽に生きていきたいと始めた迷宮生活。

 しかし、まだまだ楽は出来そうに無かった。

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