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66/110

66 それぞれが最も力を発揮できるように

 問題が現実になったのは翌日。

 迷宮の影響範囲との境目に辿り着いた時だった。



 急げばその日の日暮れ前には到着出来た境目。

 しかし、そんな時間に辿り着けば、暗がりの中で戦う事になる。

 それは不利だという事で、あえて一晩おいて次の日の昼前に到着するように動いていた。

 そんな戦闘団の前と後ろから怪物が迫ってきた。



 迷宮の影響範囲の外にはゴブリンが。

 迷宮の方には巨大トカゲと巨大鳥が。

 両方から戦闘団を囲んでいた。



 予想されていた事だ。

 迷宮の影響範囲の中は、本来のレベルを出せる強力な怪物を。

 その外には、レベル低下の影響が少ない弱い者を。

 この配置なら、戦力を最大に活かせる。

 怪物とてバカではないのだから、最善の効率を出せるように動いていく。



 これまでにもこうした事態は何度も起こっていた。

 怪物による作戦行動で潰滅した軍隊や探索者は多い。

 見た目が人間とは違う、文字通りの怪物だから。

 動物や虫のような外見をしてるから油断しての事だ。

 外見通り、知能も低いだろうと。

 そう思い込んだ怪物がみせる合理的な動きで潰滅していく。



 さすがに怪物と向かい合って何十年も経っている。

 その間に人類も学習はしている。

 相手は侮れるほどバカでも愚かでもないと。

 特に、実際に怪物に接してる者ならば体験として察知していく。

 怪物には智慧があり、考えて行動出来るのだと。

 それが出来ない、認める事が出来ない者は早々に殺されていく。



 だから怪物による包囲に驚いたりしない。

 当然そうなるだろうと予想はしていた。

 対策も考えられている。



 軍の方は、そのまま来た道を戻っていく。

 囲むゴブリンの数は多いが、逃げ出せないほどではない。

 装甲車で強行突破をすればどうにかなると思われた。

 犠牲は出るにしてもだ。

 全滅するくらいなら、無理してでも突破をはかるしかない。



 探索者はその逆に、迷宮の方へと向かっていく。

 迷宮の範囲内に入ればレベル通りの能力を発揮出来るからだ。

 怪物も強いが、探索者も能力を完全に出すことが出来る。 

 怪物は強いが、それをしのぐほどの強さを探索者も持っている。

 実力を発揮できない影響範囲の外より、敵が大勢いる迷宮の近くの方がまだ安全だった。



 それぞれが能力を最大限に発揮できるようにしていく。

 レベルは高くはないが強力な武装の軍隊は、影響範囲の外の方が良い。

 本来のレベルを取り戻せる探索者は迷宮の近くの方が都合が良い。

 互いの長所を活かすために別行動をしていく。

 でないと足を引っ張り合ってしまう。



 そうならない為にも、互いに得意とする方向に分散した方が良い。

 武装の充実してる軍隊は、迷宮の影響範囲の外で。

 レベルの高い探索者は迷宮の方向に。

 それぞれ向かっていった方が生き残りやすい。



 かくて軍隊はゴブリンの包囲を突破していく。

 探索者も巨大トカゲと巨大鳥を撃破していく。

 それぞれがそれぞれの目的地に向かっていく。

 なんだかんだで、これが最善の対策になっていた。

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