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59 彼等で駄目なら他の誰にも無理、ならばと破壊活動に勤しむのもいかがなものかと

 トモヒロと最下層の住人にとって、6人の娯楽殲滅派の死などどうでも良い事だ。

 しかし、地上にいる者達にとってはそうではない。



 なんだかんだで最下層直前まで進んだ者達は精鋭だ。

 最高最強ではなくても、それなりに高いレベルになっている。

 そんな者達がいつまで経っても帰ってこない。

 戦々恐々とするのは当然である。



 何があったのかまでは分かってない。

 ただ、何かがあったのは察する。

 それが生きては帰れないほど凶悪な何かだったのだろうと。



 即座に救出部隊が送り込まれる。

 このあたりは方針とか規定がすでに出来上がっていたので行動が早い。

 娯楽殲滅のために日々活動してきた者達だ。

 活動の中で様々な障害に出くわしもした。

 それらを乗りこえてきた実績がある。

 少なくともバカでは無い。



 そんな彼等は、方針や規定に従い救助部隊を派遣する。

 とはいっても、やる事に大きな違いはない。

 地下21階から下にのびる滑り台に入るだけ。

 そうして何があったのかを確かめる。

 他に方法はない。



 出来れば無人の偵察機などを放り込みたいところだった。

 人を出向かせるのは危険すぎる。

 しかし、地下深くまで投入できる無人機など存在しない。

 無線でも有線でも、そこまで届くような通信手段など存在しない。



 そもそも、迷宮の大半は電波障害をおこす。

 無線などによる通信も、ある程度以上の距離は通じない。

 有線誘導になると、そもそも距離に限りが出て来る。

 何千メートルといった長さの送電線などを用意するのは難しい。

 やろうと思えば出来るが、そこまでする必要があるのか、という問題も出てくる。



 なので、現状では人を送り込む以外に方法がない。

 人命が危険にさらされるが、それでもやるしかなかった。



 こうして、先に向かった者達に続き、それなりにレベルの高い者達が地下へと向かう。

 当然、滑り台の先で転移にとらわれ、壁の中に放り込まれる。

 分子や原子、さらにはそれ以下の水準で壁に同化して死んでいく。

 霊気となって迷宮のエネルギーになっていく。



 そうして行方不明者を増やしていく。

 さすがに2回目の調査・救助隊が帰ってこなかったところで、探索は打ち切られた。

 これ以上は損害を増やすだけだと察して。

 方針や規定としてもそう決めている。

 出来るだけ仲間を助けたい、しかし、それで損害が増えては元も子もない。

「残念だが」

 ため息と共に、捜索は打ち切られた。



 同時に、迷宮についての情報が公開されていく。

 21階から下に向かった者達が帰還しないという事も。

 それだけ危険という事が示されていく。

 これにより、興味本位で挑む者が減っていく。



 どのみち、怪物がいないから実入りのない場所として知られている。

 そんな所に出向いて命を捨てようなどという者はほとんどいない。

 以後、以前にも増してトモヒロの迷宮は人が寄りつかない場所になっていく。



 それでも、迷宮周辺には手が入っていく。

 迷宮の影響で変化した場所だ。

 それらを放置する理由は無い。

 特に娯楽殲滅派にとっては、滅ぼすべき下劣なものをまき散らす場所である。

 迷宮が駄目ならと情け容赦なくそこにいる者達を潰していく。



 迷宮周辺にたむろし、漫画やアニメのような住人を殲滅していく。

 漫画やアニメなどを置いてる店などを破壊していく。

 迷宮による変化であらわれた店などは、全て破壊されていく。



 その為に各地から人を集めてくる。

 迷宮の影響が及ぶ範囲を全て制圧するために。

 娯楽殲滅派に与する者達は、トモヒロの迷宮周辺に集結していった。

 それで町が一つ出来上がるくらいに。



 無駄に情熱をかけていく娯楽殲滅派は、迷宮周辺を破壊していく。

 娯楽を販売する店を、そこで働く者達を。

 従業員の大半は迷宮の影響で発生した存在だ。

 分類すれば怪物になる。

 これらを殺しても問題は無い。

 罪になる事はない。

 それどころか、率先しての殲滅が求められる。

 なにせ怪物なのだから。



 迷宮そのものを破壊できない鬱憤を叩きつけるかのように、これらを破壊していく。

 それで何かを得るわけではないのに。

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