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33 辛く苦しい時期を乗りこえる助けになってくれたから

 トモヒロにとって漫画やアニメは人生の救いだった。

 何の楽しみもない、虐げられていた幼少期において、これらが生きる支えだった。



 この続きはどうなるのか。

 それを楽しみにして生きてきた。

 これが無ければ、生きる気力を失っていたかもしれない。



 もちろん、普通に読めたり観れたわけではない。

 漫画はまとめてゴミに出されるのを拾ってきて読んだ。

 アニメは家族がいない間に観た。

 そうでもしなければ目にする事も出来なかった。



 この為、どうしても続きが見れない時もあった。

 間が空いてしまう事もあった。

 その間をいつか目にする為にも死ぬわけにはいかなかった。

 虐げてくる者を撃退するのも、続きを目にするためだった。

 死んだら二度と読むことも観る事も出来ないのだから。



 探索者になってからは、これらを好きなだけ見れるようになった。

 読めなかった、観れなかった部分を確認する事が出来るようになった。

 世にある様々な作品を手に取れるようになった。

 稼ぎはどうしても安定しなかったが、出来る範囲で目を通していった。



 世の中に多くの作品があるのも知った。

 それらを読むまで、観るまでは死ねないと思った。

 ゲームというのにも触れるようになった。

 この世にこんな面白い遊びがあるとは思わなかった。

 金と時間の許す限り、これらを遊び尽くしていった。



 迷宮の主人になってからは、これらとたしなむ時間も確保出来るようになった。

 迷宮の商店街に、どこからともなく漫画やアニメやゲームが調達されていった。

 それらを片っ端から手にとっていった。



 地下にこもっての生活ではある。

 だが、何一つ不満はなかった。

 不便さにはなれている。

 何より、今までなかった娯楽がある。

 漫画にアニメにゲームを好きなだけ楽しむ事が出来る。

 最高の状態だった。



 そんな最高の状態を与えてくれた漫画にアニメにゲーム。

 これらが衰退してるのは我慢できなかった。

 どうにかして救いたかった。

 何とかしてこれらを守りたかった。



 だが、どうやって?

 その方法が思いつかなかった。

 迷宮を持ってるが、それで何が出来るのか?

 迷宮の機能で何か出来ることはないのか?

 それを考えて、自分に出来る事を探っていった。



 悩みはすぐに解消した。

 迷宮の機能を使えば、何とかなりそうだった。

 ただ、それにはトモヒロだけが動いてもどうしようもない。

 救おうとする者達の協力や同意が必要だった。

 その為に、まずは接触しなくてはならない。



「話し、聞いてくれるかな?」

 まずはそこからとなる。

 いきなり見ず知らずの者が接触して、果たして話をしてくれるかどうか。

 だが、声をかけなければどうにもならない。



 その為に、連絡用の怪物を関係者のもとに向かわせる。

 偵察ようの空飛ぶ目玉を動かしていく。

 漫画やアニメ、ゲームの関係者を探し、それらの所に飛ばしていく。

 そららを通して、トモヒロの用件を伝えるために。



 そういった人達を迷宮に招く。

 最深部の居住区で、作品を作るために。

 その為の場所をトモヒロは作る事が出来る。

 迷宮建設の一環で、人が住める場所を作る事が出来る。



 あとはそこに来てくれるかどうか。

 それだけが問題になる。

 こればかりは本人の意思と承諾は必要になる。



 それが得られれば、今すぐにでも受け入れられるようにしていける。

 だが、本人が拒絶したらどうしようもない。

 それを確かめる為に、トモヒロは伝言用の怪物を送り込む。

 まずは接触しなければ、可否を問うことも出来ないからだ。



「上手くいってくれよ」

 こればかりは願うしかない。

 相手が問題なく承諾してくれるように。

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