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32 世の中は邪魔なものとしてるかもしれないが、それを求めているのだ

 漫画・アニメなどの衰退。

 それは今に始まった事ではない。

 もともと、悪逆非道の類いとそしられていたものだ。

 社会そのものが迫害・糾弾していたのだ。



 そんな漫画・アニメである。

 衰退していっても何もおかしくはない。

 消滅するのが早いか遅いかの違いでしかない。



 そもそも、日本社会において娯楽は目の敵にされてきた。

 邪悪なるものとされてきた。

 だからこそ、悪辣なものとして扱われてきた。

 勤勉克己を美徳とするためだ。



 そんな美徳からすれば、娯楽にうつつを抜かすなど極悪非道でしかない。

 楽しみを捨て、辛く苦しい事を進んで行うのが美徳である。

 遊びにふけるなど許しがたい邪悪でしかない。



 漫画・アニメなどその代表だ。

 遊びや娯楽であるこれらが日本社会において憎むべき敵扱いされるのは当然の成り行き。

 これを滅して消滅させる事を善行とする風潮が当たり前のように存在する。

 日々の鍛錬、苦行を続ける努力の邪魔なのだから。



 一時の休みも癒やしも喜びもない。

 そんな生活が日本における美徳である。

 漫画・アニメなどはこれらを妨げる。

 だから糾弾されている。

 昔から今に至るまで。



 それは産業として巨大化しても変わらない。

 何の問題もないのに悪事として取り上げられる。

 それを誰も疑問にも思わない。

 漫画やアニメなどの娯楽は悪いもの、そういった思い込みが正しいとされている。

 そんな世の中である。

 どれほど大きな産業になろうと誰も正当な評価をくださない。



 それでも何とか生きながらえていた。

 平和な時勢では嗜好品が求められる。

 娯楽の一つとして漫画やアニメは成長し、親しまれていた。

 迷宮と怪物の登場がそれに終止符をうった。



 娯楽は生活が安泰な時に楽しむものである。

 これが脅かされる非常時にはどうしても二の次になる。

 迷宮が出現し、怪物があふれるようになった世界で、娯楽を楽しむ事は難しくなった。

 まずは生きのびる事が優先されていく。

 日々の楽しみよりも、身の安全を確保する事に時間も労力も金も費やされていく。

 真っ先に削られるのが、娯楽や嗜好品だ。



 完全に無くなっていくわけではない。

 辛く苦しい時だからこそ、楽しみを求めるのも人の性分だ。

 娯楽を楽しむ事で日々を乗りこえる活力を手に入れていく。

 だが、これらに費やす時間や労力や金は減っていく。



 更に、「このご時世に何を暢気な!」といった声が娯楽を否定していく。

 目の前の脅威に対抗しなければならない。

 その為に様々なものを集中しなければならない。

 なのに、娯楽にうつつを抜かすとは何事かという声が大きくなる。



 それは地上にあらわれた怪物が粗方駆逐されても続いた。

 迷宮を攻略し、あふれ出てくる怪物の脅威が減ってもだ。

 これを好機と娯楽は糾弾されていった。

 漫画やアニメは真っ先のその対象となった。



 トモヒロが迷宮にこもっていた10年でこの勢いは更に強くなった。

 大手出版社などはまだ持ちこたえてるが、中小の出版社などは倒産に陥る所も出てきた。

 アニメ製作会社なども同じだ。

 ゲームなども例外ではない。

 個人活動の同人誌などは壊滅状態になっている。



「ここまで酷くなってたのか……」

 あまりにもあんまりな状況にトモヒロも唖然とした。

 なるべくしてなったとは思う。

 以前からそういう風潮だったのだから。

 しかし、ここまで酷くなってるとは思わなかった。



「どうにかしないと」

 漫画やアニメを好む者の一人として、どうにか状況を打開したかった。

 だが、何が出来るのか?

 自問自答が始まっていく。

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