表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/110

22 廃除するのも倒すのも簡単だが、対処出来るというわけでもない

 風の結界で飛び回る虫を退けた探索者達。

 とりあえず安全地帯が確保出来て安心していく。

 だが、それで全て解決したわけではない。

 まだ3階に入ったばかりで、全く先に進めてないのだから。



 それでも、探索者達は階段をおりて3階に向かっていく。

 高さ20メートルの階段を降りるのはそれなりの時間がかかる。

 彼らがいたのは、その入り口。2階との境目だ。

 そこから床まで、まだもう少しの距離があった。



 そこに向かうために、風の結界から出ていく。

 結界はその場に固定するもので、動かすことは出来ない。

 先に進むためにはそこから出るしかない。



 風の流れの外に出た探索者達は、再び最悪の状況に踏み込んでいく。

 身体にまとわりついてくる蚊の大群。

 その中を歩かなくてはならないのだ。

 防護服で守られてるとはいえ、気分の良いものではない。



 潜水服のごとき防護服ごしにも感じる虫の大群の圧力。

 それらが張り付いてくる事で感じる圧迫感。

 顔を覆う透明ガラスをおおう蚊の群れ。

 その全てがおぞましいものだった。



 たんなる気分の問題だけではない。

 防護服に少しでも穴があれば、それらが一気に押し寄せてくる。

 そうなったら助かりようがない。

 脱出の魔術・超能力ですぐに逃げねばならない。

 問題が大きくなる前にそうするよう決めている。



 それくらい彼らは蚊の大群を警戒していた。

 何百・何千どころではない。

 どれだけいるのか分からないほどの蚊が飛び回っている。

 これらが一気に襲いかかってきたら、それこそ命にかかわる。

 身体中にはりつき、一斉に血を吸いだしていく。

 そうなったらどうなるか、考えたくもなかった。



 防護服の密閉性は高く、それは懸念で終わってくれたが。

 それでも、何かの拍子に防護服が壊れたり破れたらと思うと気が滅入った。

 階段をおりるまで探索者達はそんな不安を抱えていた。



 どうにか床まで到着したところで、その不安も落ち着く。

 そこで風の結界をはって、安全地帯を確保。

 探索者達は虫が排除された場所を手に入れた。



 そこから、彼らは思いつく限りの事をしていく。

 伝統的な設置型渦巻き殺虫剤を取り出し、それを使っていく。

 風の結界の外に出て、それらを大量に使っていく。

 どれだけ効果があるのか分からないが、まずはそれを試していく。



 効果は絶大だった。

 設置した所を中心に大量の蚊が床に落ちていく。

 それをみて喝采をあげる探索者達。

 だが、すぐに見てるだけではいかなくなる。

 あまりにも大量の蚊が床に落ちるので、設置型の殺虫剤が埋もれていく。

 あわててそれらを床に落ちた蚊の中から取りだし、地に落ちた蚊の上に置いていく。

 そうでもしないと、すぐに蚊の死体に埋もれてしまう。



 殺虫剤は確かな効果を上げていく。

 だが、それでも蚊が消える事は無い。

 殺虫剤が倒せる以上の蚊が飛び回ってるからだ。



 探索者達の思惑が外れる。

 蚊を倒しながら進もうと思っていたのだが。

 殺虫剤を使っても数が減ってるようには思えない。

 多少は効果があるのだろうが、あまり意味があるとは思えない。

 床に散らばる蚊の死体から、かなりの数を倒してるのは確かだ。

 なのだが、全く効果的とは言えない。



 幾らか視界が晴れたようには思える。

 だが、それは成果が上がってるというわけではない。

 ほんの少し見通しが良くなった程度では、安全に進めるようになったとは言えない。

 あくまで数が少し減っただけだ。

 防護服も無しに進めるほど安全になったわけではない。



 周囲を飛んでる蚊は、相変わらず無数と言って良いほど舞っている。

 なんの対策も無しに進めるほど数を減らしてるわけではない。



 ここに来て探索者達は覚悟を決めるしかなかった。

 少しでも蚊を減らしておこうという考えは捨てる。

 そんな事が出来るほど、大群の蚊は大人しいものではない。



 気休めに防虫スプレーを身体に吹き付けていく。

 装備品に煙を放つ渦巻き型の殺虫剤も装着していく。

 手に、スプレー型の殺虫剤を持っていく。

 そうしてから、探索者達は3階の中を進んでいく。

 もう強行突破しかないと腹をくくって。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ