105 問題が消えた世の中
社会も迷宮もトモヒロにちょっかいをかける事が無くなった。
おかげでトモヒロはのびのびと迷宮を拡張していける。
迷宮を作って100年。
階層はついに1万階を突破。
更に深く階層を増やしている。
漫画やアニメなども新作が問題なく出回るようになっている。
娯楽殲滅派は潰滅、人間社会から駆逐されているからだ。
娯楽を敵視してる迷宮なども、活動を停滞させている。
高レベル探索者によって迷宮が荒らされてるからだ。
トモヒロにとって理想的な状態が出来上がってきている。
出来れば対立する迷宮などを破壊し、平穏を決定的なものにしたいのだが。
こればかりは簡単に出来ない。
簡単に攻略できるような迷宮ばかりではない。
探索者も攻めあぐねるような強力な所もある。
そういう所は、迷宮内部に突入して荒らし回るのがせいぜいだ。
それでも世の中はトモヒロの望む方向に進んでいる。
表立って漫画やアニメにケチを付けるものはいなくなった。
少しでも不平不満を漏らせば、即座に一族郎党が殲滅させられるのだ。
そうならないように誰もが気を使ってる。
そんな相互監視社会のおかげで、トモヒロが直接動かなくても娯楽殲滅派が生きかえる事はない。
わずかな残党は、娯楽を敵視してる迷宮に身を寄せている。
迷宮周辺の影響地域に身を寄せ、細々と生きている。
とはいえ、そういった所も攻め込む探索者のおかげで平和とはいえないのだが。
何はともあれ、トモヒロを脅かすものはいなくなった。
いても影響力は限りなく小さくなった。
あとは徹底的に殲滅するだけとなっている。
トモヒロは敵を生かしておくつもりはない。
生きていれば確実に害を産み出していく。
滅ぼさない限り安息は無い。
その為の準備も進めている。
まずは日本国内から敵を一掃する。
残ってる迷宮の中で敵対しそうなところは全部破壊する。
国外における敵対しそうな所も潰していく。
やり方は変わらない。
依頼を通して探索者を操り、同調する者だけを残していく。
多少時間はかかるが、確実に勢力図を変えていける。
実際、トモヒロにとって邪魔になる者達を抑え、波長が合う者達の勢いがのびている。
政治家に官僚といった国の中枢に、トモヒロの息のかかった者達が増えている。
敵対する者達は容赦なく暗殺もしていく。
たんに左遷させるだけに止まらない。
そうやって生かしておく理由が全くない。
損害が増えるばかりだ。
生きていれば、いつ何処で反撃してくるか分からない。
また、生かしておく、食わせておくというのは、それだけで出費を伴う。
権限がないから良いというわけではない。
権限がなくても、生かしておく事そのものが損失になる。
だからさっさと処分していった。
どうせ、生きてる間は害悪にしかならなかったのだ。
殺してしまった方がよっぽど利益になる。
損失の拡大を止められるのだから。
害悪を生かしておく事の方が悪い。
これがトモヒロの考えだ。
生きてる限り確実に負担を強いられる。
害悪はさっさと殺すべきである。
また、殺さなければよいという考えもしない。
殺さない限り、どれだけ騙そうと盗もうと強奪しようと問題としない。
殴って蹴って、消えない傷をつけても生きてさえいれば良いとは思わない。
生きてさえいれば、殺すのは駄目だという考えは、こうした悪事を放置する。
悪事を許して認めていく。
極悪非道というしかない。
極度に殺人を忌避する者達は、それ以外の悪事を容認する。
悪事を悪とみなさず、当たり前ととらえている。
そのくせ自分に悪事が及ぶと徹底排除する。
こういった事にトモヒロは一切容赦しなかった。
そうして処理を進めて空いた席に、同調する者達を配置していった。
反対する者も軒並み処分していった。
おかげで就任はあっさりと決まっていった。
国政だけでなく地方政治も含め、トモヒロの意向が通りやすくなっていった。
面従腹背で悪さをしていた連中も消えた。
仕事をしてるように見せかけて職務放棄する連中はそれなりにいる。
おかげでトモヒロの意向がなかなか通らない事もあった。
それも確実に消えていった。
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