表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/110

103 いいように操る事が出来る探索者

 階層の追加も他迷宮の攻略も順調に進んでいく。

 手に入る気力や霊気をほぼ全て迷宮に注ぎ込める。

 おかげで迷宮は順調に深くなっている。



 他の迷宮は探索者を送り込む事で動きを封じている。

 なかには攻略されたものや、攻略寸前までいってる所もある。

 そこまで行かなくても活動の阻害をされてる所は多い。

 トモヒロの脅威になりそうな所に重点的に探索者を送り込んだ結果だ。



 意外なことにこの出費はさほど増えてない。

 相変わらず新人や底辺相手の簡単な依頼を投げ込むだけで済んでいる。

 たまに大がかりな依頼を行う事もあるが、数はそう多くは無い。

 そんな事しなくても、探索者は迷宮に向かうからだ。



 探索者にとって大変なのは、初期のレベル上げだ。

 レベルを上げるためには、怪物を倒して手に入れる霊気の塊が必要だ。

 だが、これを売ることで生計をたてるのが探索者である。

 なので、レベルの上昇に使えるのは生活費を差し引いて残ったものだけになる。

 才能や濃緑に乏しいものはこれが出来ない。



 そんな者達にトモヒロは優先的に仕事を回していった。

 小型の怪物をある程度倒せば報酬を出すと。

 迷宮から漏れてくる怪物を減らすためという名目で。

 実際、迷宮から飛び出す怪物のせいで被害が出る事もある。

 そうならないように、事前に迷宮の怪物を倒すことが求められている。



 トモヒロは依頼としてこういった怪物退治を増やしていった。

 報酬は決して多くはないが、生活費の足しにはなる。

 レベルの上昇に使える分も出てくる。



 ある程度の数の怪物を倒したら1万円。

 報酬はだいたいこの程度だ。

 これを数人で頭割りにするから、手に入るのはせいぜい2000円程度だ。

 だが、2000円分の霊気・経験値が手に入る。

 これがレベル上昇に使えるようになる。



 うだつのあがらない新人や底辺探索者にとっては希望になった。

 時間はかかるがレベルを上げることが出来る。

 レベルが上がればより強力な怪物を倒せるようになる。

 そうなれば、一回の戦闘で手に入る霊気や気力が増える。

 収入が増える。



 探索者達のレベル上昇が始まった。

 全体的な底上げが進んでいった。

 ある程度のレベルになった者達は、トモヒロの依頼無しでも食っていけるようになった。

 そういう者達は順調にレベルを上げていけるようになる。

 生活費などを差し引いても経験値に使える分が出て来るからだ。



 そんな探索者が増えるごとに、迷宮にかかる圧力は増えていく。

 今までは一握りの強力な探索者だけが脅威だった。

 だが、トモヒロが介入してからは多くの探索者のレベルが上がった。

 脅威となる存在が大幅に増大していった。



 さほど規模の大きくない迷宮は、こういった探索者によって潰滅していった。

 当然ながら、探索者は稼ぎ場を失う。

 そんな者達をトモヒロは、自分にとって脅威となる迷宮に移動させていった。

 依頼という形で。



 レベルの上がった探索者はともかく、低レベルの者達はトモヒロの依頼で動く。

 トモヒロが潰しておきたいと思うところに向かう。

 そういった迷宮での仕事を依頼すれば良いだけだ。

 あとは依頼を受けた者が自動的に動いていく。



 これを繰り返してるうちにそれなりの強さの探索者が育っていく。

 育った探索者が幾つかの迷宮を潰す。

 潰れれば行く先がだんだんと限定されていく。

 どうしても残った迷宮に向かうしかない。

 探索者を誘導する事が出来る。



 そうして集めた探索者を、娯楽殲滅派とつながりの深い迷宮に放り込んでいく。

 高レベルの探索者でなくてもいい。

 底辺でくすぶってる連中でもいい。

 仕事をさせておけばそれなりに強くなる。

 それなりに強くなれば、それなりの圧力になる。

 迷宮の動きを阻害してくれる。



 そうしてる間にトモヒロは、迷宮を拡大拡張していける。

 人間社会への工作を進める事が出来る。

 対立する者が減ると俄然やりやすくなった。



 全ては金銭のおかげである。

 これを支払うだけで探索者がいいように動いてくれる。

 主義主張や考え方、求めるものが違っていても関係がない。

 どんな考えをしていようが、生きていかねばならない。

 食っていかねば人は死ぬ。

 だから食いぶちをにありつくための金銭は必要だ。

 その金銭を提供すれば、探索者は動いてくれる。



 自力で稼げるようになればこの限りではない。

 それぞれの主義主張や求める物のために動いていく。

 だが、それでもかまわなかった。

 それでも他の迷宮に圧力をかけてくれる事にかわりはないのだから。



 とはいっても、トモヒロもいつまでも支援するわけではない。

 仕事を回すものは選んでいく。

 自分にとって都合の悪い連中には、簡単な依頼以上の支援はしない。

 それなりに強くなって独自に行動しはじめた時に、トモヒロに不利な事をするようなら縁を切る。

 そうなるまでの間でもトモヒロにとって都合良く動いてくれていた事に満足しておく。



 だが、そうではない者達には引き続き依頼を出し続ける。

 指名して仕事をしてもらう。

 報酬として、気力や霊気を込めた武具や装備品を提供したりする。

 使い捨てだが便利な道具を渡して仕事を支援する。

 そうして仕事を支援していく事で、更に有力な手駒になってくれる。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ