第四話:空の気持ち
「なんでだよぉ!」
空は怒っていた。なぜかというと、天が急に「告白をする」と言ってきたからである。
「なんでだよぉってなんでだよ!」
「急に告白なんて!お父さんは許しません!」
「母さんの次は父さんか!?てか、お前に育てられた覚えはねぇーっつーの!」
「なんでそんな必死なんだよー!」
「お前だろ!必死に告白止めようとしてんの!」
確かに空は怒っていた。というか、必死だった。
なぜかって?
(だって天のこと……俺…好きなんだぞ!?)
そう、空は天のことが好きだった。
なぜ好きになったのか?そのエピソードを空の口調で話しましょう。
――あれは入学式の時だったんだ!
中学生の頃、空は友達が2人ぐらいしかいなかった。いじめられてたわけじゃなくて、俺は人と関わるのをなぜか嫌っていたため、相性のいい人間は全然いなかったんだ。
でも、友達がほしいわけじゃない。
高校の入学式当日に、そんな俺に友達が簡単にできるわけはなかった……けど!
「ねぇ、静かな人?友達になんない?」
神だった。
「静かじゃない」
でもこういってしまったぁああぁあ……。
嘘は言ってないんだ。関わるのが苦手ってだけで、結構ノリがいいというか……・
うるさいやつなんだよ……。
「へー、でもいいや たまにはそういう人間もいいか!男に二言はない!なれ」
Sな要素が入っているそいつは……、Mな俺にはもってこいだった!!!!つーか、惚れた。←えぇええぇえ
「なるなる!なります!」
「本当だ」
=うるさいんだな。
だが、Mには嬉しいのだよ。
っつーわけ!わかったか?(わかんねぇよな)
「とにかく!ダメダメダメだぁああぁ!」
「意味わかんねぇ!つーかさ、そうせフられたら悲しむからとかだろ?でも、先輩なら上手なフり方を………」
「無言になったらどーなる?それに!あの妹がいるんだぞ!」
「でも……!今ならできる気がするんだ!あの先輩の上手なフり方見たら!」
「フられたいのか!」
「関係性を持ちたい!」
「そんな簡単に……!」
「俺の考えなんだ!放っておいてくれ!」
「…………っ!」
空には何も言えない。空に告白なんてできない。好きな人がいる人になんて……。
止めたいのに止めることはできない。
天は「フンッ!」と言うと、先輩のところへ走っていった。
「天………俺と一緒にいてくれよ……」
空の目が涙でにじむ。
告白できない悔しさ。好きな人に好きな人がいるという絶望感。
付き合ったらどうしようという…不安。
「河崎先輩!あのっ……俺と付き合ってください!」
天の告白をした声が聞こえた。名前で告白しなかったのは、馴れ馴れしいと思われない為なのだろうか……。
空の目から、雫が零れた。
空君………。ドンマイ。(ひど)
天君は積極的ですね。このあと大地はなんと言うのか!?見ものです。
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