第三話:決意
「そ…空!これ…、俺みたいな感じので、えっと、恋なのか?」
そうとうあわてている。
「わかったのか?天……」
空は気づいていないだろう。自分顔が引きつっていることに。
「たぶん……、俺『一目惚れ』に近いやつだったんだな」
「たぶんな………」
そうか、これ、恋ってやつだったのか。
この本によると……告白ってやつをするのか、好きな人には。
大きな声で、確実に伝わるように…か。
好きなんだから必ずやらなきゃだめなのか………←そうなのか
よし!
「俺、告白す……」
「アホか!」
「は?なんでだよ?しなきゃだめなんだろ?」
「まだ先だろ!ぜんぜん次のステップ入ってないのになにやろうとしてるんだよ!」
「告白だよ」
「他人に告白されて嬉しいか?先輩と喋ったことがあったとしても、友達でもなんでもない所詮ただの他人だろ?」
だって………。とでもいってそうな目が、空を見る。
空はこの目に弱い。
「う…、でも!仲良くなってからじゃないと、ダメなんじゃないか……?」
「でも、どうやってだよ……、告白でもすれば関係が…。」
「友達からだろ!」
でも、相手は2つ上の先輩。友達になんてなれるのだろうか。
「つーか、そんなに先輩がいいのか?」
「俺の心に聞けよ!」
ていうか、なんでそんな事聞くんだ?別に誰を好きになってもいいだろ……。
いや、空は友達として言っているのかもしれない。男を好きになって幸せになるなんて人見たことないからな。
「ブッサイクは黙ってなさいよぉ!」
図書館全体にその声は響いた。
(誰が誰に言ってるんだ!?)
女の子の喧嘩だろう、そう思っていたが違った。
誰が言ったのかを皆の視線を追い、見てみたら………。
―――!?
先輩の……、妹!?
情報でいるということは聞いたことがあったが、見たことがないため確実とは言えないが。
(でも、先輩の隣にいるって事は…、だよな?)
「ていうかさぁ、あんたの顔…… 何?最悪な顔ね そんなんで告白できると思ってんの?ていうか!お兄様はシャツの出てる子は嫌いなのよぉ!それに……」
「お前もだろ」
先輩の妹の主張を途中で止めたのは先輩の声だ。
どうやら、妹は先輩に告白しに来た女子に自分の主張を言っているらしい。
「べっつにぃ?お兄様とつきあいたいわけじゃぁないしぃ?」
「そうかそうか、俺はお前のような心の腐った妹とつるむ気はない」
「なっ…………!?」
確かにそうだ。
先輩は成績優秀・スポーツ万能・ルックス最高・モッテモテという完璧な男だが、妹はルックスがいいが中身がダメなのであった。
(やっぱ先輩カッコイイ……、つか、シャツしまわないと;)
「好きなんです!付き合ってください!」
天がシャツをしまっている間、女子が先輩に告白をした
「意味わかんないー!!」
妹が叫んでいる。でも妹の気持ちが少し天にはわかった。
『付き合っちゃったらどうしよう……』という気持ち。
「こら 雲!ごめんな?こいつのことは気にするな でも、だめなんだ」
妹と天はきっとまた同じ気持ちだろう。
(よかった……)
兄に告白しにきた人をそんなふうに言うなんて、兄のことが大好きで仕方がないからだろうし。ブラザーコンプレックスが入ってるんだろう。
「ほーらみなさいよ!あんたみたいな…」
「怒るぞ!」
「なっ…何よ……」
どうやら、妹は兄に頭が上がらないらしい。
「ありがとうな 次はいい恋愛しろよ 応援する」
好きな人にそんなことを言われたら残酷な言葉なようだが、に残酷聞こえないのは先輩の性格がいいからだろう。それと… カッコイイからか?
先輩に告白した女子は泣くことなく「ありがとうございまいた」と、微笑を作って去っていった。
(なにげに妹の名前がわかったな……)
河崎 雲というらしい。
「…はぁ!?」
きましたね。天君の告白が始まります。なにげに空の気持ちに今後注目してほしいです!
妹…… だいぶ性格が……ですね;
感想や質問やアドバイスなど、くれれば泣いて喜びますので ぜひくださいさいませ!
あと 読んでくれてありがとうございます!(最終回ではないが;)