真夜中の歌
全てが未定。思い付きで話が降ってきます。
時系列、構成、完全無視の文章ですので、そこはご了承の上読んでください。
子供たちが寝静まるころ
30代位の女性はなかなか寝付けず布団から起きだし台所でお酒を飲み始めていた。
暫くすると酔いが回ってきたのか何かぶつぶつ言い始め
そのうち声が段々と大きくなりよく分からない何かの歌を歌い始めた。
二階で寝ている子供たちの中に図書館で本を見ていた少女がいた。
図書館にいた少女とすぐ隣に寝ていた大して歳の変わらない女の子が
彼女の歌のせいで目が覚めてしまったのだ。
暫らく二人の子供は布団に潜り込み寝たふりをしているようだった。
しかしいつまでたっても歌はやまず、声はもっと大きくなっていく感じがした。
流石に寝たふりも限界だったのか、図書館の少女が布団から出て階下に向かった。
少女は彼女の前に立ち、こう言ったのだ。
「お母さん、うるさい!」
「今何時だと思ってるの?近所迷惑だから歌うのやめてよ!」
少女に「お母さん」と呼ばれたその女性は
それでもお酒を飲むことも歌うこともやめなかった。
少女はまるで嫌がらせでもされているかのような何とも言えない顔をしていた。
「薬飲んでも寝られないんだから仕方ないじゃないの」
と若干呂律が回っていない喚き声のような彼女の返事が返ってきた。
少女は怒りなのか悲しみなのか涙をこらえるような顔でこう続けた。
「だからってお酒飲んでも寝られないじゃん。いつも!」
と言いながら、彼女からお酒を取り上げ流しに残りのお酒を棄てた。
「寝られないんだったら、また病院にでも行ったらいいじゃん!」
「もう、うるさいからやめてって言ってるじゃん。」
少女はもうこれ以上構っていられないと思ったのか大声で泣き始めた彼女を
台所に置き去りにしたまま二階に戻っていった。
眼には今にも涙が零れ落ちそうなほどになっていたが布団に入るまで
少女は一滴も涙を流さなかった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次は何が降ってくるかお楽しみに・・・。