続・ある人物の死
全てが未定。思い付きで話が降ってきます。
時系列、構成、完全無視の文章ですので、そこはご了承の上読んでください。
今後もマイペースで投稿していきたいと思います。
この気まぐれな投稿にお付き合い頂けると嬉しいです。
私は、妹の就職を機に地獄のようなあの家から出ることが出来た。
そのことに関してだけは、妹に感謝している。
家が決まれば引っ越しは割と簡単に済んだ。
私の荷物と言えば、本や漫画が大半で服は大して持っていなかったからだ。
妹と二人暮らしではあるが、別々の部屋で自分だけの空間がある
初めての自由を手に入れた気がして心から嬉しかった。
共同生活の重要課題の食事は交代で作る決まりにした。
後はまぁ今まで通り干渉しない。って感じで新生活が始まった。
妹は料理好きで料理教室に通い、習った料理を作ってくれた。
私は基本ズボラなので基本料理の本みたいなのは買ったが、
結局、適当に自分の好きな味付けにするのでよく妹に味付け濃すぎると言われた。
仕方ないよねぇ、うちの家庭の味ってあってないようなもんなんだから。
きょうだいでも味の好みは違うのだ。
一年数ヶ月、煩わしいこともあまりなく順調に生活していた。
その間にもあの女は入退院を繰り返していたようだ。
妹はお見舞いに足しげく通っていたようだが、私はあの女がどうなろうが興味がなかった。
そんなある日、あの女が突然やってきた。
ちょうど妹は外出中で私が対応した。随分私に気を遣っている様子だったがどうでも良かった。
家にあげることもなく、私はそっけない態度で適当に話だけ聞いてお帰り頂いた。
そしてそれがあの女との最期の会話となったのだ。何を話したか覚えていないし思い出す気もない。
三日後、私の職場に危篤状態で危ないからすぐ病院に来てくれと連絡がきた。
あの女が十数年その病院に通っていたのに、私は病院の場所すら知らなかった。
初めて行ったそこの印象は随分と薄暗い湿ったような感じがした。
私はぎりぎり間に合ったが話の出来る状態ではなく、妹が来る前に逝った。
特に祖母は最後まで手を握り話しかけていたが、私はまるで他人事のようで居心地が悪かった。
それに何の感情もわかなかったのだ。ただ人間ってこんな簡単に死んじゃうんだと思った。
私は職場に電話をし、亡くなったのでしばらく休むことになると伝えた。
あまりに事務的な言い方だったようで上司のほうが心配して焦っていた。
亡くなる瞬間をじっとそばで見ていた私は一滴の涙さえ出ることも
「お母さん」と呼ぶことさえなかった。
先生に声かけてあげてと言われたがそんな気にもならなかった。
ここに居ることさえ意味があるのかさえ疑問だった。
周りの眼には、とんでもない薄情な娘に映っていただろう。
でも、これが私とあの人の今まで積み重ねてきた年月の結果なのだから仕方ない。
どうせ周りの人間に分かるはずのない関係なのだ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次は何が降ってくるかお楽しみに・・・。
気長によろしくお願いします。