16◆ 気付いてくれて良かったよ
馬車の中でも俺は浮いた。
みんながみんな小綺麗な格好をしている中、俺の薄汚れた――いや、薄汚れたというよりは汚れ切った――出で立ちは、目を引くというよりも顰蹙もの。
ひたすら窓際で身を縮め、態度で申し訳なさを表現する。
というか、格好を見てもここは富裕層が屯する場所なんだろう。
この乗合馬車の料金も明らかにおかしい。
だって、十日間に亘って汽車に乗った代金が三十アルアだったんだぞ? たかが二時間の馬車移動がその六分の一というのは法外だろう。
カーテスハウンは綺麗に整った町並みで、平時であれば俺は窓の外を見て時間を潰しただろうが、今だけはそうはいかなかった。
何しろ、あと二時間でガルシア。もしかしたら今日中に、みんなと――あるいはその中の誰かと――再会できるかも知れない。
長かった。
長かった十八年。つらかった十八年。
大興奮ながらも感慨を噛み締める俺を乗せ、町を囲む防壁に開いた門を抜け、馬車はいよいよガルシアに向かい始めた。
きっちりと石畳の敷かれた街道を馬の蹄の音が駆け抜け、馬車の車輪が揺れを伝える。
車内は程ほどに混雑していた。
乗っているのは俺の他には、整った身なりの紳士が三、四人。割と値が張りそうなドレス姿の女性が一人と、彼女の従者らしき地味な格好の若者。あとは、顔面やらあちこちに古傷の見える、格好からしても明らかに歴戦の戦士ですといった感じのおじさん二人組。このおじさん二人だけが、俺に向かって嫌そうな顔をしていない。
がたごとと馬車が進む。
今生での俺の運のなさは折り紙付きなので、俺は割と真剣に、どうか邪魔が入らずガルシアに着きますようにと祈っていた。
その様子が余りにも切羽詰まっていたためか、とうとう半時間くらいしたときに、歴戦の戦士(推定)のおじさんのうち一人が、躊躇いがちに俺に話し掛けてきた。
「――すまない、勘違いだったら申し訳ないが……」
俺は「え?」と顔を上げる。
そして、こちらを覗き込むおじさんの顔がめちゃめちゃ真剣だったため、慌てて表情を引き締めた。
「はい、なんでしょう?」
「何かあったのか? レヴナント絡みで助けを求めてガルシアに行くなら、私たちがここで話を聞くが……」
周囲の視線が一斉に俺に突き刺さった。
俺はぱちぱちと瞬きをしてから、勢いよく首を振った。
「違います、大丈夫です、人捜しに行くだけなんで」
ほう、と安堵の息が周り中から聞こえてきた。おじさんも心なしかほっとした様子で、
「そうだったか、すまないな」
と、元の姿勢に戻っていった。
このおじさんの話し振りからすると、ガルシアは軍事施設といっても対レヴナントに特化してるのかな。まあどうでもいいけど。
馬車は木立を抜け、穏やかに流れる川に架けられた橋を越えた。
海が近いから、川幅は広く流れは緩やかだ。
その時点で誰かが「ガルシアだ」と呟き、俺は思わず窓の外に顔を突き出した。
行く手に見えるガルシアは、ぱっと見には古城といった佇まい。
灰色の城壁が高く聳え、その城壁よりも丈高く育った木々が深緑の樹冠を城壁の上から覗かせている。
軍事施設と聞いていたから、城や砦を想像していたけれど、それにしては規模が大き過ぎる。普通に一つの都市の大きさがあるだろう。
城壁と樹冠の向こう、遠目に、高く聳える尖塔が見えていた。
海に向かう緩やかな傾斜に屹立し、海岸までを占める要塞都市――
「おお……」
思わず声を上げた俺は、自分たちが乗っている馬車の少し前を、かなり豪奢な馬車が走っていることに気付いた。
――あれ、駅でぶつかりそうになった女の子たちが乗って行った馬車だな。ガルシアを目指してたのか。
馬車は一直線にガルシアを目指して走り、昼過ぎになってガルシアの門を潜った。
門衛が二人、厳めしい顔で通行しようとする者たちを検めており、俺は思わずあいつらの中の誰かじゃないかとガン見してしまった。
そのせいでめちゃくちゃ怪しまれ、この馬車だけ通行が遅れることとなり、乗客一同の重い溜息を喰らったのは余談。
ともあれ無事に馬車はガルシア市街に入った。
カーテスハウンの雰囲気とは打って変わって、武骨な建物が並ぶ町並みだ。背の低い建物は外側に配置され、市街の中心へ近付くほどに建物の背も高くなっていく、整然とした佇まい。建物は全て灰色の石造りで遊び心の一つもありはしないが、街路樹や家の軒先の花壇などが華を添えていた。
潮騒の音が聞こえる――ここは海辺の町なのだ。
馬車はガルシアに入ってしばらく大通りを進み、やがて道幅が広がって広場を成すとそこで停まった。
がちゃん、と馬車の扉が開けられ、御者がひょっこりと顔を出す。
「はいよー、到着ー」
ふう、と、何となく乗客全員で吐いた息が重なった。
俺が真っ先に立ち上がり、馬車の外へそそくさと逃げ出す。
ぺこ、と御者に頭を下げると、御者はおおらかに笑った。
「人捜し上手くいくといいねぇ」
「どうも」
俺は会釈して、広場に降り立って大きく伸び。
それから腕を組んで首を捻った。
さて、どこに行くべきだろう?
腕利きの魔術師ってどこにいるものなのかな。やっぱり中心部?
そう思ってガルシア市街の中心を振り仰ぐ。高く聳える尖塔の先端が見えた。
馬車を降りた乗客たちは、思い思いの目的地に向かってさっさと歩き出している。
おじさん二人組は、やはりというべきか市街の中心に向かって行くようだ。
しばらく思案した俺は、それに付いて行くことにした。
何しろ宛てがないので、多少むちゃくちゃでも可能性を一つずつ潰していく必要がある。
広場を抜けた先の道は、大通りというほどの道幅ではなかった。
少し手狭になった道がうねうねと続き、その両側に並ぶのは居宅ではなくて店が殆どだった。
通りながら覗いてみると、布地の見本を広げた服飾店やら雑貨店やら。あと、何だかよく分からない、色とりどりの宝玉を売っている店もあった。ただの宝石店というには店構えが厳めしく、またその宝玉を見ているとなんだか胸がざわざわしてきたので、俺は足早にその店の前を後にしたけれど。
道は平坦だったが、所々に数段の階段があり、確実に上へと続いていた。
人通りは少なく閑散としていて、俺からすればじろじろ見られなくて有難い。前を歩くおじさんたちものんびりと足を進めている。
だが、徐々に店の種類が変わってくると、徐々に人通りも増えてきた。
そう、食い物屋が増えてきたのである。
そこに出入りしているのは老若男女さまざま。ただし服装の意匠が全員同じで、これがガルシアの制服か、と俺は悟った。黒くてかっちりとした輪郭の軍服の下に白いシャツ。中には金の飾り紐の付いた黒い軍帽を被っている者もいる。
内心で意外に思ったことに、男女で軍服の意匠にさして差は無かった。
老若男女さまざまな人間が歩いてはいても、特に若い層のはしゃぐ声は心臓に悪い。
俺は外套のフードを被って俯きがちに人混みを縫った。
「この間の任務どうだったよ? 死人が出たとか噂になってたけど?」
「馬鹿、死人は出てねぇよ。重傷者が三人」
「マジかぁ、大変だったな」
「明日の研究院の講義、聞きに行く?」
「まだ迷ってるー、その時間、ちょうど先輩が稽古つけてくれるって仰ってるのよね……」
「新しいセソウジュ、いつ補給されるか知ってるー?」
「ねぇねぇ、この前のさ……」
「もう腹減ったぁ!」
あらゆる会話が入り乱れ、人混みが苦手な俺としては居心地の悪いことこの上ない。
一応、あいつらがいないかきょろきょろしてみたけれど、見たところでは誰もいない。
――ガルシアに誰かはいると思った。
腕利きの魔術師がここに集まるなら、ここなら合流しやすいと全員が考えるんじゃないかと。
――けど、それが間違いだったら。先走った勘違いだったら。ここに誰もいなかったら。
心臓の辺りが冷たくなっていく。
ガルシアに来るまでは確信に近いものがあったのに、いざここに来てみると怯えてしまう自分がいる。
ちょっと手が震えてきた。
ぎゅっと拳を握って、俯いて人混みの間を歩く。
そうしているうちに食い物屋が軒を連ねる場所を抜けたらしく、また人通りが疎らになってきた。
顔を上げると、街路樹が整然と並ぶ小道。
その小道の先に、第二の城壁が聳えていた。
どうやら町の中心部は正しく砦であるらしい。
城壁の向こうに背の高い石造りの砦が見えている。
そして、城門を守る門衛たちは、通行人一人一人を呼び止め、通行手形らしきものを確認していた。
――関係者以外立入禁止……?
俺は思わず足を止める。
おじさん二人組は、問題なく手形らしきものを門衛に見せて中に入って行った。
道の真ん中で突っ立って、俺はしばらく茫然としていた。
――どうする? 明らかに町の中枢はこの中だ。本当に腕が立つ魔術師はこの奥にいるんじゃないか?
あの魔王の城からですら脱出した俺だ。
慢性的な睡眠不足と空腹で体力も魔力も弱る一方だが、特段の警戒の向けられていないこんな壁一枚、昼日中でも突破は可能だろう。
立ち尽くす俺を、道行く人たちが怪訝そうに見ていく。
それに気付いて、俺は取り敢えず街路樹の傍に寄った。そして額を押さえる。
――どうする? たとえ見つかったとしても、俺なら逃げ切れるだろう。
それにむしろ騒ぎになった方が、ここにいる誰かが俺に気付いてくれるかも……
――誰もいなかったら?
ぐ、と俺は奥歯を食いしばった。
十八年も誰とも再会できなかったのは初めてだ。今生は何かがずっとおかしい。何かの歯車が食い違ってしまっているかのように。
――その事実が俺を弱気にする。
だけど。
――目を閉じると浮かぶのは飴色の瞳。
どんな絶望的な状況でも、何が起ころうと、絶対に折れないと世界に向かって宣言するかのように、凛然と、決然と、前を向く瞳。
その横顔。
俺は目を開けた。
――あいつならここで折れない。
あいつなら、まず一つ一つ可能性や心当たりを探るだろう。
あいつはそうやって、俺を見付けてくれたこともあったじゃないか。
ふう、と息を吐いて、俺は前後左右を確認。
そして、久し振りに――そう、多分魔王の城で使ったのが最後だった――、目くらましの魔法を行使した。
じじ、と、俺の身体の輪郭が光る。
ごっそりと魔力が減っていく。
さすがにこの体調での目くらましは無茶だが、だけど、これが一番確実だった。
そのまま俺は、次に門を潜ろうとした初老の男性の後ろを付いて歩く。足音を立てないように慎重に。
門の前で、門衛が男性を呼び止める。
「念のため、許可証を」
そう言われて、男性は溜息を零した。
「――まったく。何百回この門を通ったと思っている」
門衛は困り顔。俺は切れそう。このジジイ、早くしろや。おまえがごねてる間にもこっちは魔力を消費してんだよ!
「申し訳ありませんが、規則ですので……」
ぶつくさ言いながらも、ジジイは許可証とやらを門衛に見せた。門衛が会釈する。
「失礼いたしました。どうぞ」
「まったく……」
まだぶつくさ言いながら、ジジイは門を潜った。
その後ろにくっ付いて、俺も門を潜った。
よっしゃ楽勝。誰も俺に気付かない。
門を潜った先は庭園になっていた。
門からは煉瓦の敷き詰められた小道が伸び、灰色の堅牢な砦の入り口に続いている。
庭園は灌木と花々が配置され、煉瓦の細道が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、噴水まで設置されていた。
砦のすぐ傍には背の高い木々が植えられ、さやさやと木の葉を揺らしている。
俺はそっとジジイから離れ、足音を立てないよう慎重に、一目散に砦の傍の木々まで走った。
そこなら身を隠せると思ってのことである。
砦の入り口の傍の木の後ろに回り込んで目くらまし解除。
さすがに息が上がっていた。
思わず木に凭れ掛かって喘ぐ。
しばらくして息が落ち着くと、俺はそろりそろりと砦の入り口から離れた。
――入ったはいいが、これからどうするかな。
ある程度砦の入り口から離れ、噴水の一つを木陰から眺めながら思案。
木に凭れ掛かり、腕を組んで眉を寄せる。
――あいつらがここにいると仮定して、どういうところにいそうだろうか。
例えばディセントラならこんな庭は好きそうだけど。
風が吹き、俺は身震いした。寒い。
南の島育ちには寒い海辺の風。
さああ、と噴水の水が落ちる音に人声が混じる。
人声が――ん?
俺は思わず硬直した。
同瞬、俺から見て右手側、砦の入り口とは反対側から、そぞろ歩きして来る女の子の一団が見えた。
人声はこの子たちのものだろう。
五、六人の女の子たちが、上品な歩調で庭に張り巡らされた煉瓦の細道を歩いている。全員が、ここの制服であろう黒いかっちりした軍服を着ていた。
「――急にどうなさったの、珍しいことですわね」
「本当に。何か忘れ物?」
さざめくような女の子たちの声に答える、別の少女の声。
「――ええ、そのようなものです。忘れ物というか落とし物というか……」
俺はあんぐりと口を開けた。
女の子たちの先頭を歩く少女。
目を引くのは、磨いた銅のような見事な赤金色の髪。陽光に艶めき、緩く巻くその髪を長く伸ばし、無造作に流して、長い脚できびきびと歩いている。
その歩く姿は、他とは一線を画して絵になるものだ。
今はその絶世の美貌に何やら焦った表情を載せて、その薔薇輝石のような淡紅色の目で、一心に前を見ている――
――ディセントラだった。
俺が愕然としたのも無理はない。
だってこんな急に、急に上手くいくなんて。
愕然とした余りに思考が空転する。
声を掛けないといけないのに声が出ない。
だけどディセントラが何に焦っているのかは分かる。分かり過ぎてじんとする。
――目くらましの魔法を使ったから。
俺の魔力の気配がしたから、だからディセントラは飛んで来てくれたのだ。
口がぱくぱくと動く。でも声が出ない。
感極まり過ぎて足も動かない。
どうしちゃったんだ俺。
どうしよう、ディセントラが通り過ぎてしまう――
そのとき、ディセントラがぱっとこちらを向いた。
目が合った。
俺は思わず泣きそうになった。
勘が良すぎだろう。そして変わらなさ過ぎるだろう、ディセントラ。
最後に会ったときと、年齢は違えど顔はそのまま、いつもと変わらない。
いつもいつも、生まれる度に大絶賛される美貌そのまま。
ディセントラは目を見開いて足を止めた。
後ろに付いて来ていた女の子たちが、きゃっと声を上げる――ディセントラの背中にぶつかり掛けたのだ。
「まあ、どうなさったの」
ディセントラの真後ろの女の子がおっとりと言った。
ディセントラははっとしたようにそちらを見て、作り笑いと分かる笑顔を浮かべた。
「い、いえ……、少し勘違いがあったようです。戻らないと……あの、すみません、お暇しますわ」
早口にそれだけ言って、ディセントラは身を翻した。
戸惑った様子の女の子たちを置き去りにする間際、俺の方を向いて念押しするような目をした、絶対だ。絶対あれは、「見付かるなよ」という意味だ。
合点承知。もうなにも怖くない。俺は大丈夫。
来た道を引き返していくディセントラに、女の子たちはしばらく戸惑った様子で何かを言い合っていたが、すぐに彼女たちの間で何かが決着したらしく、そのままそぞろ歩いて去って行った。
俺は思わず、ずるずるとその場に座り込んだ。
――いた。ちゃんとここにいた。
俺が目指した場所は間違いじゃなかった。
色々と込み上げてくるものがあって放心状態。
そのままどれだけ時間が経ったのか、多分十分もしないうちに、今度は砦の壁沿いに、ディセントラが走って来た。
一旦引き返して十分間、こいつが何をしていたのかは明白だ。
なぜならディセントラの後ろに、血相変えたカルディオスがいるから。
「――う」
思わず涙が込み上げる。
長かったしつらかった。死ぬかと思った。
めちゃめちゃ寂しかったし不安だった。
へたり込んだままの俺に駆け寄って、膝を突いて、ディセントラが抑えた声で叫んだ。
「ルドベキア! やっと出て来たわね! 今までどこにいたのよ!」
俺は答えるどころではない。
込み上げるものを堪えるので必死。
そんな俺のもう片側に、カルディオスが膝を突いた。
暗褐色の猫っ毛、大きく見開かれた翡翠色の目。
甘く整った顔立ちに、今はいっぱいに案じる色を湛えて、それでも口に出したのはこいつらしい軽口。
「おいおいルド、前回俺に再会したときはそんな顔しなかったじゃん? なんだよ嫉妬しちゃうなー」
「……う」
「おいおいマジかよ」
いよいよ涙ぐんだ俺の頭を、躊躇うことなくカルディオスがくしゃりと撫でた。くっそ汚くて臭いのに。
「俺……俺……」
切れ切れに声を押し出す俺の頭を、カルディオスがぽんぽんと撫でる。
「おー、よしよし。寂しかったな、つらかったな。もう大丈夫だぞー、もうすぐ、おまえの気持ちが一番よくわかるはずのコリウスが来るからな。
そんな顔しちゃって、おまえ、もうコリウスの号泣事件笑えねーぞ」
コリウスもここにいるのか。
嗚咽を堪え始めた俺の手を、ディセントラがよしよしと握って撫でる。
長く伸ばした額髪を纏めて顔の右側に流して耳に掛けて、そのためにはっきりと見える淡紅色の瞳が少し震えていた。
「ルドベキア、なんて格好してるの。本当、何があったの。みんなすっごく心配してたのよ。その格好を見るに、全然食べてないんでしょう? こんなに痩せちゃって……コリウスとアナベルに、食事を持って来るように頼んだから。もう大丈夫だからね」
アナベルもいるのか。
っていうか、ここに駆け付けて来るまでの短い時間でそこまで手を回してくれたのか。
ディセントラ、なんて出来る女なんだ。
「本当、近くにいて良かったわ。どうでもいい話してたら、いきなりあんたの魔力の気配がしたんだもの。驚いたなんてものじゃないわよ。本当に良かった……気付いて良かったわ」
気付いてくれて良かったよ。
そう言いたいのに声が出ない。
――ずっと、ずっとずっと帰りたかった。
やっと帰って来られた。
俺の居場所、俺の特別な場所、故郷も両親ももう無いも同然の俺が、唯一心を許せる心の拠り所。
俺は帰って来たのだ。