迷子になった話(実話)
中学一年の時の話。
俺は明日使わなければいけない青色の油性ペンを探し、お母さんに尋ねた。
俺「ねー、青の油性ペンあるー?」
母「知らんがな」
俺「ファッ⁉」
探す事30分ほど…
俺「…無い…無いよオカアサーン!!」
母「買ってこい」
俺「エー( ;∀;)」
と結局買いに行く事になり、チャリで近くのデパートに行く事になってしまった。
たかが青の油性ペン一本買いに行くのにわざわざデパートまで行かないでもと思ったが、近くに手頃なスーパーが無かったので、仕方無くだ。
チャリを車庫から出す。
非日常だからか、嫌でも気分は高揚する。
気分は小さな探検家だ。
12月の寒い夜、家から自転車をこぎだす。
俺「寒い、、、厚着してこればよかった、、、冬なんて消えろー!」
真冬に薄着で外に出る奴が悪い。
自分はデパートへの道筋をはっきりと覚えては居なかった。
覚えていたのは、デパートは隣駅の前に建っているということだった。
安直すぎるだろ自分。「近くの駅の線路沿いにチャリ走らしゃ行けんじゃねー笑笑」
と小学一年並みの思考回路で家を出た。中学1年、我ながらアホ過ぎて涙が出てくる。
チャリを走らす事数分。
近くの駅に着いた。ここまでは順調だ。ここが都会なのもあってか、駅前は昼間であるかの様に明るかった。
仕事終わりのサラリーマン
塾へと向かう高校生
昔の人が見たら昼間かと見間違うだろうか
そんな事を考えながら自転車を走らせ続ける。
隣駅方面の線路沿いの道に入ると、店が無くなって行くにつれてだんだんと暗くなっていった。
少しずつ心細くなって行く。
余談だが前日に心霊番組を見ている。
店が無くなり、完全な住宅地になった。
線路沿いに道が無いこともしばしば起こるようになってきた。
まっくらな夜道で一人自転車を走らせる。
たまに帰宅途中のサラリーマンにすれ違うのがせめてもの救いだ。
知らない道に出る。
線路は道からそれなりに離れてきている。
知らない道故に戻ろうか迷う。
しかし、ここまで一本道、いざというときは真っ直ぐに戻れば良い。
そう考えて直進する。
突然、真横から何かが飛び出してきた!
俺「うあああぁあぁあぁ!出たぁあぁ!」
?「ファッ⁉ひぃぃいぃいぃ!!」
どんがらがっしゃんと漫画みたいな音を立てて自転車から転げ落ちる。
心臓と呼吸が同時に止まるんじゃねえかと思った。
しかし驚いたけどよく見てみるとサラリーマンだった。
こちらも驚いたが、向こうも十分に驚いたようで、腰を抜かしている。
俺めっちゃ恥ずかしくて、
「すいませんっ‼」
とだけ叫び、急いで自転車に飛び乗り逃げる様にその場から走り去った。
腰抜かしたサラリーマンさんには申し訳ない事をしたと思っている。
「・・・あれ?・・ここどこだっけ・・・ww」薄笑いしてる場合じゃないぞ俺。
その一騒動で、完璧に方向が分からなくなっていた。迷子だ。
元来た道をたどろうとして引き返そうとするが今とおってきた道じゃ絶対に無い所に出る。
余計迷った気がする。
本当にやばい。住宅地だから目印になりそうな建物もない。
とりあえず真っ直ぐ自転車を走らせる。自転車こいでたらそのうち知ってるところに出んじゃね?という再度登場小学1年レベル思考だ。
暗い夜道。やっぱり寂しい。
念のために持ってきた携帯電話でお母さんに電話を掛ける。
、、、プルルル、、ガチャ、
母「はいもしもしー」
俺「あー、お母さん、大変申し上げにくいんだけどさー。・・迷ったww」
母「は?」無慈悲な受け答え。
俺「いや道に迷ったってかー。ここ何処?」
母「知るか。そもそも何処にいるのさ。」それが分からないから聞いてんだよ。
俺「いや、分からん。」
母「じゃ、グーグルマップ先生に聞け。」
ガチャッ、、、、ツーツーツー。
そうかグーグル先生に聞けば良いんだ。
急いでグーグルマップを開く。
グーグル「現在地を入力してください」
いや現在地が分からないから聞いてるんですけど!!
俺の携帯技術ではここまでの事しかできないので諦める。
いよいよもうだめだ。こうなったらいっそひたすら前へと走り続けるしかない!
と、安直な脳みそで必死に導き出した答えを頼りに、直進する。
「・・やっぱいいや。人に聞こう。」最初からそうしろ。
そう思いサラリーマンさんを探す。
おお、いた!良かったじゃん俺を救うヒーローになれるよ!
何故か上から目線で心の中で話しかけている。
俺「すいません・・・此処ってどこですか?」
サラリーマン「あー、そうだなー。とりあえず此処を右に曲がってまっすぐ行くと大通りに出るからそこでわからなかったらお巡りさんに聞きなー。」
俺「ありがとうございますっ‼」
このときだけはサラリーマンが天使に見えた。
教えて貰った通りに自転車を走らせる。
右に曲がると、明るい大通りが直線の先に見えた。
とりあえず今は明るい所に出ることが出来れば言うことは何もない。
そう思って大通りに出るとー
見慣れた建物が視界に入る。
右斜め前には自宅。
俺「へ?」
何で此処に出るの?
意味が解らないままとりあえず家に入る。
俺「ただいまー」
母「おかえり。青ペン買ってきた?」
俺「いや迷子になってそれどころじゃ無かった。」
母「買ってこいや」
俺「デパートまで⁉また!?」
母「いや近くにスーパー出来たじゃん。」
脱力してそこからの事は覚えていない。




