初めての交流の話
前話を書いていて句読点等無かったので今話から付けてみたけど文章書くのが下手過ぎて辛いです
光君を襲った鋏ですが今後登場する際は鋏男と変更させてもらいます
「何処だここ…」
気がついたら先程まで居た住宅地のような清潔な路地ではなく例えるならば商店街などにあるゴミ捨て場が寄り集まった路地裏だろうか
はっきり言うと汚いあまり長く居たい場所ではないがまず自分が何故ここに居るかが分からない
間違いなく意識が途切れる直前には鋏を持った人物に襲撃されている、片腕を切られたところまではどうにか覚えているがそこから先の記憶は無い
しかしそれで助かったとは思えない、現代医療技術から考えてあの状況沢山の死体が転がっている中腕がない自分をまだ生きているとし病院に運び込むことまでは出来るとしよう
だがしかし果たして腕を失うほどの怪我である出血量も相当であろう助かるとは思えない
そもそもあの状況で一体誰が通報できただろうか…
自分があの場でどうなったか…いくら考えても結論は導き出せない
ひとまず置いておくとして現状の確認である
腕…健在である傷一つ付いてない
意識…考え事ができてる時点で正常であろう、この状況に冷静な時点で正常では無いかもしれないが
現在地…汚い路地裏詳細不明
「ふむ…全く分からない」
どうするものかと考え事をしていると誰かが近づいてくる気配がした
「ちょっとキミ僕の家になんの用かな?」
いきなりそう尋ねられた、普通であれば人の家の前に居ればそう聞かれるのも仕方ないかもしれない、しかし今自分がいるのはどう考えてもごみ溜めでしか無い路地裏なのだ家と呼べる様なものはどこにも建っていないそもそも入口のようなものも見当たらないのだ
「えっと…家ってもしかしてこのゴミ貯めの事なのかな?」
あまりにも理解が出来ない状況に思わず考えていた事が口から出てしまった
「ごみ溜めっていくらなんでも失礼な、ここは僕の家だよ、それとこの辺にあるのはゴミじゃなくて僕の家の家具だよ」
家具?所謂椅子やテーブルなどといったものだろうか…しかしそう言われて周りを観察してもそう呼べるものは何一つ見当たらない
「人の家をごみ溜め呼ばわりするしそもそも勝手に入ってきてるし、さてはキミ泥棒?」
これは不味いな…事情を説明しようにも自分自身把握出来てないことが多すぎるその上泥棒扱いなどいくらなんでも理不尽すぎるどうしたものか
「信じて貰えないかもしれないけど…」
下手に誤魔化すより素直に現状を説明した方が少しはマシだろう…
「なるほど、つまりあなたは転生者って事ね?」
「へ?」
相手がすんなりと信じてくれた、更には転生者?それはなんとも信じられないことである
「へ?じゃないよ転生者つまり元いた世界で死んで魂の記憶なんかを引き継いでまた新しい人生を送るの、でもキミのその様子だと記憶だけじゃなくて体も引き継いだのかな?」
「体も引き継いだ…とは言えないかもしれないんだ、僕は死んだ時に片腕を失ってるはずなのに今は両腕ともあるからさ」
「それは僕も疑問なんだよね、元々体も引き継ぐなんて有り得ないはずなのにキミは引き継いでる、それだけじゃなく死ぬ前に負ったキズも無かったことになっている、もしかするとキミはただの転生者じゃないのかもしれないね」
なるほど…つまり自分が転生したのは概ね間違いないだろう、だけど本来記憶だけを引き継ぐ転生が何故か体も引き継いでいるしかもキズがなかったことになるオマケ付き、ともかく自分の状況がある程度理解したところではあるが、まだ1つ解決してない問題がある
「それで僕が泥棒じゃないって言うのは信じて貰えたかな?」
「……どうだろうね、キミの言うことに嘘は無いようだけどそれでもはいそうですかと信じれるほど僕はお人好しじゃないんだ」
厳しいな…だったらどう証明しろというのか
「ならどうしたら僕を信用できるかな、出来れば僕も転生者だと言うなら前の人生は諦めて普通にこの世界で生活したいからいきなり犯罪者扱いはかなり厳しいんだけれど」
「そうだね、信用できるかって聞かれると出来ないって答えるのが僕の心情だけれど事情は聞いたし…どうしようか?」
(質問に質問で返されたんだけど…どうしたらいいかなんて僕が聞きたいよ!)
思わず心の中で愚痴をこぼしてしまう
「まぁ出会ったばっかりだし信用しろって方が難しいよね」
「それなら僕は今1つ依頼を受けててそれに関して人手が欲しいんだ、手伝ってくれるかな?」
「依頼?キミは何かの仕事をしてるの?」
「そっかキミは転生したばかりだからこの世界の仕組みを知らないんだね、僕が言った依頼って言うのはギルドが発注してるものだよ、捜し物、お使い、話し相手なんて平和な物もあるけれど僕が受けるのは主に討伐系だね」
ギルド…僕の世界で言う斡旋所だろうか
それにしても討伐系とは穏やかじゃないな、更にはこの人が受けた以来は話の流れ的に討伐系だろ?僕としては何とか働かずに生きていきたいんだけど…
「でも僕戦ったことなんて無いから討伐系なんて無理じゃないかな?」
必死に仕事は勘弁して欲しいと訴える、事実戦えないのだからこの人はかなり優しそうだし聞き入れてくれるだろう、そう思い発言したのだが
「大丈夫、大丈夫弾除けにでもなってくれれば僕としては怪我の心配もないしその分薬代が浮くから助けになるよ」
ローブのせいで顔は見えないが口調の変化で明らかに笑っているのが分かる、というか腹を抱えて笑っている、冗談で言っているのか本気で言っているのか全くわからない
「それは僕に囮に慣れってこと?」
「もちろん!まぁでも安心してよさっきのは冗談で囮としては動いてもらうけど肉壁にする気はなないからさ」
「肉壁って…サラッと怖いこと言わないで欲しい、でもやらないと犯罪者扱い…選択肢は無いからやるよ…気乗りはしないけどね」
「OK決まりだねそれじゃあ早速出発と行こうか!」
「準備とかはしなくていいの?」
「準備?そんなの現地調達に決まってるだろ?僕はお金がないんだよ」
これはダメなやつだ…せめてゲームの序盤のような敵であって欲しい
「討伐って一体何を討伐するんだい?」
「決まってるだろ?オーガだよ」
さも当然のように目の前の人物は明らかに序盤で出るような敵ではない種族名を出してみせた
「そうそう自己紹介がまだだったね、僕はマーリン一応冒険者やってるんだよろしくね」
マーリンに習い自分も自己紹介しようとした所で異変に気づいた、自分の名前が思い出せないのである
マーリンは親切にしてくれてるのに光君は自己紹介も出来ない…不憫ですね、でもそれが光君なのです