1章
ジャキィィィン…
ふぁあ…。
………なんかよく寝た気がすんな…。
んー…?誰だこの女の子…。
『あぁ…、結構気持ち良く寝てたんだけど?』
「ご、ごめんなさい…。」
『はぁ…、ここは…。そうか、【眠りの地】か…。』
「あ、そ、そうです。」
眠りの地…?
え、なんだ、それ?ふっと頭に浮かんだが…。
うーん…なんだろう、なんにも覚えてねぇな…。
「あの…、」
『ん?何?どした?』
「貴方が………【聖剣】であってる?」
『聖剣………。』
あぁ、なんか思い出した。
誰かから聖剣って呼ばれてた様な…。
『あぁ、そうだ。俺が聖剣だ。んで、何か用か?』
「えっと…、私と一緒に…、戦ってくれませんか?」
『は?』
いや、は?
なんで初対面の奴と一緒に戦わなきゃなんねぇんだよ。
「え、あの…、封魔の力を持つ聖なる剣…って聞いたんだけど…?」
あー…。
『そうだった様な…気がする。』
「気がする!?」
『うん、多分そうだ。』
「多分!?」
『んで、なんで戦わなきゃいけないんだ?』
「えっと、その…、おとぎ話にある【魔の鬼】が動き始めて…」
魔の鬼………、あぁ、思い出した。
なんかあったな、そういうの。
寝る前…に…なんか…あった様な…?
『あぁー…、確かそれを殺んのが俺の仕事だっけ?』
「はいっ、そうです!」
『そうか、君が俺の【主】って事か。名前は?』
「あ、えっ、音々って言います!」
『そうか、音々か。』
「あ、貴方はなんて呼べば良いですか?」
『俺は…、名前なんだっけな…』
「あの、もしかしたら、それらしいおとぎ話がありますけど…」
『おとぎ話?』
「『魔ノ鬼、封ジラレシ時、蒼キ剣二、紅キ槍、銀キ弓、散リヌ。』っていう話があるんだけど…」
魔の鬼………蒼き………蒼き?
『あぁ、思い出した。俺の名前。』
「ホントですか!?」
『あぁ、俺の名前は【ブルーソード】だ。』
「そのまんま…」
『聞こえてんぞ。まぁ、テキトーに呼んでくれ。』
「じゃあ、蒼!蒼で良いですか?」
『あぁ、うん、まぁ、良いや。』
『主・[音々]承認完了。』
「あ、私が…マスター…」
『まぁ、そんなに肩の力入れんでも良いで。』
「わかった、蒼。よろしく。」
『おうよ。よろしくな。』
「あ、ねぇ、蒼。」
『ん?なんだ?』
「蒼、記憶が無いんでしょ?」
『せやな。』
「魔の鬼をまた封じようにも、おとぎ話にあるような力が無いみたいだし、どうやったら思い出せるかな?」
『うーん…、正直サッパリわからんが、まぁ、お前がさっき言ったおとぎ話だと俺の他にも紅き槍とやらと銀き弓とやらがあるみてぇだし、そいつらでも探すか。』
「わかった。でも、私もそんなにおとぎ話に詳しいって訳じゃないよ?」
『あー…、じゃあ、なんかそういうのが集まってる所とか、そういうのに詳しい奴とかそんな感じのねぇの?』
「うーん………。あっ!」
『おっ、あんのか?』
「うん、【王族図書館】ならそういうのが載ってる古い本もあるかも。」
『王族図書館か…。え、でもそこって王族しか行けねぇんじゃねぇのか?』
「勿論。」
『どうやって入るんだ?』
「私、実は王族なんです。」
『…えマジで?』
「こう見えてもお姫様でね。王族図書館にも入れるよ。」
『ほう、なら試しにその王族図書館にでも行ってみるか。』
「うん!」
よいしょっと。
「え?」
「どした?」
「………」
「ん?」
「人型?」
「あぁ、知らんかったか。一応、俺は剣の状態と、人の状態がある。まぁ、羽伸ばす時は基本人になるからそこんとこよろしく。」
「お、おう…」
「ほな、行こか。」
~王族図書館前~
「凄く大きな建物だな…。これが王族図書館か…。」
「ね、凄いよね。164年前に建てられてからずっと建ってるんだって。」
「164年前か…。」
「そんで、王族図書館の敷地内は王族以外立入禁止だから。」
「あぁ、剣に戻れって事か。」
「そそ。めんどくさいけどごめんね。」
『まぁ、所持品が意志を持ってるなんて思わないだろうしな。』
「じゃ、入ろ!」
~王族図書館内部~
『すげぇな、壁一面に本がみっちりだ。』
「そういえば剣の時の蒼の声って響いて聞こえるけど、もしかして私に直接話しかけてる?」
『一応どっちもできるぞ。』
「どっちも?」
『あぁ、スピーカーモードとイヤホンモードとでも思ってくれたらいい。』
「なるほどね。…って何そのすぴーかーとかいやほんって?」
『気にするな。』
「う、うん…?」
『んで、どうだ。それっぽいのありそうか?』
「あ、そうだったね。えーっと…、この辺ならあるかな?」
『あれはどうだ?あの、【三種の神器伝説】ってやつ。』
「ん、これ?」
『それそれ。』
「ちょっと待っててね…」
・・・
「あ、それっぽい文あった!」
『お、なんて書いてある?』
「えっと、【神器は眠れり地は続く】ってとこ辺りかな。」
『神器、か…。』
「とりあえず最初の方から読むね。『蒼き剣、古より立ちし森に有り。その柄は天を据え、その刃は地を刺す。』…」
『それ俺の話ちゃうか?』
「あっ、そうだね。えっと?『紅き槍、古より燃えし山に有り。その柄は雲を支え、その穂は火を封ず。』。」
『燃えし山…火山か?この辺で火山はあるか?』
「え、あ、ちょっと待って。地図、地図~…あった!どれどれ…、この辺で火山と言ったらこれかな?」
『お、どうだ?』
「都市から東の方にディオルカダ火山があるね。」
『ディオルカダ火山…、どれくらいの距離だ?』
「そうだね…、大体…、蒼が居たというか置いてあった眠りの地があるタジオンの森と同じくらいかな?」
『あの森、タジオンって言うんだな…。ん、どれくらいの距離なんだソレ?』
「100kmくらいかな?」
『え!?え?マジで?』
「うん、そうだけど?」
『眠りの地からここまで100kmもあったんか…』
「どうする?確かディオルカダ地域にはゴリオ族が住んでたと思うけど。」
『ゴリオ族?』
「うん。まぁ、詳しくはよく知らないんだけどね。ゴリオ族も何か言い伝えを持ってたって聞いた気がする…」
『言い伝えか…。関係ない話じゃなきゃいいんだがな…』
「とりあえず行くだけ行ってみよっか。」
火山か…。楽しみだな。
『せやな、行ってみっか。』
この作品を読んで頂き、ありがとうございます。
連載中の作品を終わらせずに新しいものを増やしていくサボり魔、スルメねこ。です。
まだ他の作品を打ち切りにした訳じゃないです。まだ(汗)。
とりあえずこの作品はRPGをテーマに楽なストーリーを作って、どんなクソノベルになろうと完結させたい!(泣)
どうせ更新頻度は遅そうなので、月一更新と保険をかけときます。
それでも遅れそうですが許して下s(殴
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました!