第4話「大ゲンカ」
私は、あふれんばかりの怒りを、止めることができなかった。
「はあ⁉ 少しは言い方があるでしょうが‼だいたい初対面でしょ!はじめてあった女の子に対して
そんな言い方するとか、あなたこそちゃんと考えてよ!」
男の子は、ふん、と鼻で笑った。
「お前が勝手に傷つくのが悪いんだろ。いまどきの女は強いんだ。男がわざわざこんなこと言ったら
ショックかな、とか気遣うほどでもねえだろ。」
「女の子を軽くあしらうな‼」
「自分のせいだろ‼」
私は、かっとした気持ちを止められなくて男の子とぎゃあぎゃあ言い合いになった。
看護師さんが部屋に来て、
「院内ではお静かに‼」
と注意に来るほどの勢いだったみたい。
「あんたなんて……」
私は、手をふりあげた。
「こうしてやるっ‼」
パン!
私は、男の子を平手打ちした。
「――ッ!」
男の子が、ほおをおさえた。
その時。
「ストップ、ストーップ!愛奈も福川達也も、ちょっと落ち着いて!」
唯香が私と男の子の間に入った。
「ふたりともいい加減にして!」唯香が怒鳴った。
そばにいた看護師さんが、くすっと笑った。
「三七さん、左足はもう大丈夫なのですか?」
あ……
そうだった……