モノローグ 突然の転校生
ここは、教室。
「転校生を紹介します。」
先生が、黒板に名前を書く。
「福川 達也」
教室は、ざわざわした雰囲気に包まれた。
ひまだなー。
ここは、市立山浦高校の、1年3組の教室。
さっき転校生の紹介があったけど、別に私は興味ないし、かと言って声かけられるとかもありえない。
だって、まあそりゃあさ、金髪で、顔のラインがきれいで、アーモンド型の目して、肩幅ガッシリとかすごいなー、かっこいいなーとは思うよ。
でも……
「ちょっと三七さん!」
は、はい?
「『は、はい?』じゃないのよ!ちゃんと宿題出して!」
この子は学級委員の蘭ちゃん。いちいちお説教が多いんだよねー。黒い瞳を細くして、仁王立ちしてるし。
はいはい、今しますよー。
そう言った矢先に、別の声が。
「愛奈ちゃん、ちゃんと家庭科部にもきてね!」
今度は家庭科部の部長の唯香。こっちもなんかめんどくさいよ。
「制服だけは真面目に着てさ、茶髪とかやめなよ。市立山浦高校の名が台無しじゃんか!」
別に私、学校の名のためにいるわけじゃないし。
「言い訳ばっかりしてないで、さっさと宿題を出す‼」
「部活もくる‼」
「いいね‼」
最後のセリフはハモって、二人は去っていった。