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44:開戦宣言

 泣き疲れて眠ってしまったランを、そっとベッドに寝かせてあげる。

 多分、長旅の疲れも溜まっていたのだろう。

 顔を上げて窓から外を見ると、私がフラウにいた頃を思い出した。

 王立学院に通っていた時期に彼と一緒に学院内を探険して、研究施設のある学院の中でも一番高い塔に登った事がある。

 その時の景色と似通っていて懐かしくもあり、また――

「サザンカ、ラン、いるなら返事を」

 突然扉の向こうからライム王女の声が聞こえた。

 焦っているようなので急いで扉を開けると、さっきまで走っていたのか息を切らせていた。

 ライム王女はチラリと部屋の中を見た。

「フロウ国が、ここフィオレに、開戦宣言を――」

 それだけを言って倒れてしまったライム王女をたまたま通りかかった使用人に任せ、急いでランを起こす。

「ラン、起きて! 早くここから逃げるわよ!」

 揺さぶっても中々起きる気配がなく、外からは人の駆け回る足音が響き、そのたびに緊張を高める。

 と、一つの足音が止まり、大きな音を立てて扉が開かれた。

「ラン、サザンカ、無事か!」

 そこから表れたのはラベンダだった。

 私は頷くと、ラベンダは駆け寄ってくる。

「ランは」

「疲れで寝てるだけ」

「そっか」

 ほっとしたのも束の間、開いていた扉から騎士のいでたちをした男が剣を構えて入ってきた。

「逃げるよ」

 頷くと、ランをなんとかおぶって駆け出すラベンダについていく。

 騎士の男は私達に何をするでもなく、後ろからついてきた。多分味方だろう。

「シロツメさんは?」

「分からない」

 ラベンダはそう言って首を小さく振ると、廊下を右に曲がった。

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