36:朝
・・・ラン・・・・・・
あれ、やっぱりサザンカ、いたんだ。
朝だよ。
え、朝?
「起きて」
「はい!」
キビッとそう言うと、笑い声が聞こえてきた。
「別に怒っている訳じゃあないよ」
笑っているサザンカを睨みつける。
いつの間にか夢の事は忘れていて、いつも通りの日常が始まった。
ラフレシアを出て、四時間歩いて着いた所はケルプだ。
斜面上に建てられた町に陸側から入ると、町全体が、そしてテューダ海が見渡せる。
家々の間を縫う道には、ラフレシアほどではないが、それでも沢山の人がいて、露店がある。
このどこかにいるのだろう。私と似たような術を使える人が。
「まずは、宿から探した方がいいかもな」
ラベンダがぼそりと言う。
「そんだったら、良い宿が有るぜ。この道を真直ぐ行って、商会んとこを左に曲がった『フモレスケン』っつー小ぢんまりしたとこだ。安いし、何よりそこの主人と俺は知り合いだからな」
大犬さんの意見に賛成して、その宿に向かう事にした。
途中で菫さんが途中、商会であの噂のことを聞きに行くために抜けた。
そこで曲がると極端に人通りが少なくなるが、道はしっかりと舗装されていて暗い雰囲気ではない。
しばらく行くと、他とは違い木造でできた三階建ての家が見えてきた。
「あの木造家屋がそうだ」
近くまで来ると、確かに『Humoresken』という看板が扉の上に取り付けられていた。フモレスケンは確かエーデル語だっただろうか。
正面には扉が二枚あり、それが左右に動く事で中に入れるようになっていた。
中に入ると石畳の部分があり、一段高くなった所は木の床だった。
そしてそこには見たことも無い綺麗な服を着た女性が立っていた。
「ようこそお越しくださいました。私、女将の櫻と申します」
その女性がそう言うと、大犬さんが中に入って言った。
「¥▽、S=&。♂*‘X>き♀(」
「|Q+<=&$%◎#)−@。RZ々◆&${・*¥▽@?」
「#/、0$##=。〜%へ※’♪▽>¢☆*ゞ;£」
言葉が理解できなかった。




