14:図書館
図書館はかなり大きかった。ボタンのものよりも大きい事は確かだった。
中に入ると、シロツメさんが出迎えてくれた。
「二人とも、そこの階段を上がって。二階に菫さんと大犬さんもいるから」
私たちは大きな階段を上った。二階には私達以外にも、町の人と見られる人が沢山いた。
「ねえ、シロツメさん。ランはどうしたの」
「ランは頑張ってみるそうだ」
「そうなの」
そう言った瞬間、ラベンダが立ち上がった。そして、階段を駆け下りていった。
大丈夫だろうか。心配になるが、今の私には何もする事ができない。
「ねえ、何で止めなかったの?」
「ラベンダの事かい、それともランの事かい」
「ランのほう」
「ランはやればできる子だからだよ」
確信を持った目で見つめられると、反論はしたくなくなった。目を逸らす。
「本、読んでくるわね」
そうシロツメさんに声をかけて、気分を変えるために棚のほうへ行く。
私の身長は20ピンチ程度だが、その三倍以上の高さまで本が入れられていた。
古い本から新しい本まで色々あった。適当に一冊を取ってみる。
題名は『気体の分子運動論』だ。最新の物理研究の分野である。ボタンの図書館にはなかった内容のようだった。
ざっと中を見てみる。
あれ、この式はなんだろう。2分の1m、vバーの2乗イコール、2分の3kラージT?
その式が気になったので、その本を持って近くの椅子に座って読むことにした。
私は空を飛んでいる。
久し振りで、しかもいきなり言われたので、飛べるかどうか不安だったが問題はないようだった。
サザンカとラベンダを見つけた後、私は町の北部に来て川を眺めていた。
大きくうねり、水位が高い部分からはもうすでに水が外に漏れ出ていた。濁った茶色の水だ。
頑張らなきゃ。
そう心に決めて、川に近づこうとした時だった。
急に、目の前が真白になった。気が箒から離れてしまい、私は地面に向かって落ちていった。




