10:夜の会話
寝静まった夜中、二人の会話が囁かれる。
ねえシロツメさん、あの二人、怪しくない?
そうだね。イノシシが出てきたのは不自然だったけど。
それに、私フラウで、あの二人が商売をやっているのを見たのよ。
もう何年も前だよね。
そうなんだけど、王宮にも入っていっていたわよ。何かラベンダのことで、
止めなさい、物騒なことを考えるのは。二人はラベンダに何かをしたわけではないし、イノシシも出ないことは無い。それに商人なのだから、王宮に入るのも無いことではないよ。
でもラベンダが連れていかれるかもしれないのよ。黙ってなんか、いられないわ。
サザンカにしては珍しいな。落ち着いて。
はい。
まあ、今は細かいことは気にしない方が良いかもしれないよ。あの二人のことも、ラベンダのことも。
そう、よね。ランのことも含めて、しばらくは見守りましょう。
なあ菫、何で王様は
はいはい、そこからは喋らない。聞かれたら困るだろ。
ああ。
それに、これは当人達の問題、だろ。
まっ、そうなんだが。そんなら、何で俺達が付いている必要があるんだ。
王様はあたい達とは、違う人間だからな。わかりっこ無いな。
いやな、ここまで来る間にいろいろ考えたんだがな、俺達はいなくても、
うるさい。お前らしくないな。まさか、恋か?
んなわけあるかよ。確かにサザンカちゃんは美人だが、俺の好みじゃあねえ。
なら、ランか?
だから、俺の女房は、楠――東京都の中央に相当する所にある町――にいるんだから。
なあラン、起きてるか。
なあに、ラベンダ。
いや、ちょっと無理させたかと思ってな。
私は大丈夫。もっと強くなりたいから。
強くなる、か。どういう事なんだろうな。
え?
いや、僕は強いのか、ってね。
ラベンダは充分強いよ。
ありがとうな。でも、さっきは助けられなかった。
いいよ、それは。
いや、よくないと思う。勝手に剣士として付いてきているんだから、皆を守らないと。
私だって、皆の役に立ちたい。
分かってるさ。強くならないといけないな。
うん。




