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家畜の屑 畜生の鏡

作者: カラルラ

***【この小説の世界においての話!】***人間には「人間」と「家畜」と「畜生」の3種類の人間がいまーす!

「よう、またあったな坊主。お互い元気そうで何よりだ」


「今日もよろしくお願いします」


「んー・・・それじゃあ!畜生先生の青空教室!はっじまっるよー!!」


 雲一つない晴天に男の声が響いた。人気の無い河川敷・・・を跨いで架けられた橋の下で男と少年が向かい合って胡坐座りをしていた。

 男の服装は汚れた短パンにTシャツ。少年は黒い学生服であった。


「はーい今日は『正しい』とはなんぞや?というお勉強をしていきたいと思いまーす」


「はい畜生先生」


「ハイ家畜君どうぞ」


「『正しい』の定義なんて人それぞれだと思います」


「その通り!人それぞれ、いい言葉だな!正論だ!俺正論大っ嫌い!!ほんとぶっ殺してやりたくなる」

「でもそれじゃ話が膨らまないのでー、『家畜においての正しさ』と範囲を狭めて進めていきまーす」

「いいですかー、お前のような『家畜』が語ったり語られたりする『正しい』はお前のためにあるんじゃありませーん」


「じゃあ畜生先生、その正しいは誰のための正しさですか」


「『家畜』の上に立つ『人間』のため。当たり前だよなぁ?正しいーだの悪いーだののたまう生物なんて人間しか居ないっつーの!」


「じゃあ、家畜は『家畜においての正しさ』に従った場合どうなりますか?」


「人間の役に立つように骨の髄まで使われて、人間の力が及ぶ限り苦痛の排除された家畜生が保証されまーす。実に家畜的幸福に溢れてるなあ!」


「僕は本当にそれが幸福とは思えません」


「お前にとってはそうなんだろう、お前にとってはな。その意識は大事にしとけ」

「・・・まあ俺からみた家畜はだいたい『苦痛の無い生が幸福』と思ってる節がある、保証とか!保証とか!!保証とかな!!!」

「まあ自分で自分を養えないから家畜なんだけどネ」


「先生から見て『人間』ってどのぐらい強いんですか?」


「あー・・・。とりあえず俺的強さの定義から話すか」

「俺の思う『強い』ってのは自分のできることでどんぐらい養えるかってのが尺度だ、”俺”は俺を養えてるから最低限の強さがある」

「逆にお前みたいな家畜はク・ソ・ザ・コ」


「言いたいことは分かりますけどイラっとしない言い方してください」


「やなこった、逆にこっちをイライラさせる心構えでこれからイキロ」

「さて、そうなると『人間』はくっそ強い、家畜を食わせて好きなように動かしてそれを全部自分の糧にしてぶくぶく太れるわけだからな、俺が野良犬だとしたら人間は暗躍する魔王だ」


「畜生先生も弱いじゃないですか」


「俺が野良犬ならテメーはナメクジだ、塩を撒かれないように言動には気をつけろよ」

「さて、一方で『人間』は脆さや危うさを抱えている」


「それっていったい何ですか?」


「巨大な『家畜』に振り回されて事故ることもあるし…、次の『人間』が優秀であるとも限らないってことだ」

「だからって『家畜』が人間になり変わることは無いがな」


「カエルの子はカエルってことですか?」


「そういうこと。人間は生まれた時から人間として育てられるし、家畜は家畜として育てられるからな」


「じゃあ畜生は?」


「死ぬ前に畜生を覚える」


「ハードモードですね」


「俺がハードモードでやってこなきゃあお前がこうやって学校サボって来るようなことにはならなかっただろうな」

「話がそれたな、要するに家畜共に蔓延してる『正しさ』は人間による効率的な経営を実現するためのものってことだ」


「その『正しさ』から抜け出るにはどうすればいいですか」


「・・・お前さ、毎回のようにそう言う感じの”家畜やめるにはどうしたらいいの?”って質問するよな」

「だーかーらー!俺はずっと畜生畜生&畜生なの!家畜やってたことがないの!家畜から畜生になった事例も知らないの!お前で考えて!知らん事を教えられるわけねーだろ分かれバーカ!」


「知らないことを知らないって堂々と言うだけ、暴言を含めても学校の先生よりはマシですね」


「そらそういう奴は舐められないために自分を越えさせないからな」

「ほら、あるじゃん・・・えーとネット小説でよくある」


「作者より頭のいいキャラは出せない?」


「それだ!そんな感じだ!よくあることだよなそういうの!」


「はあ・・・、もっといい教師が欲しい・・・」


「教師なんていらねーだろー、今は情報過多社会だぜ?」


「ネット社会の勉強はどこで出来ますか?」


「ggrks」


「半年ROMって出たんですけど」


「おう半年ぐらいROMれよ、歴史でも数学でも何でもいいが一科目の一項目がまとめられるのに何年かかると思ってんだ。一人の人生が捧げられたこともあるんだぞ」

「・・・まあひどい話ではあると思うけどな、『教えられる』と『教える気のある』を両方もってる奴が全然いねえってのは」


「じゃあアドバイスだけください」


「いいか、一か所に留まるな、旅をしろ」

「あとネットに限らず家畜辞めたいってんなら本気で信じていいのも裏切られていいのも『自分』だけだ」

「おめー頭の出来はいいんだ、さっさと他所に偉そうに講釈たれてちやほやされるんだな」


 そういうと男は立ち上がって立ち去り始めた。


「出来は良いってなんですか!頭のいいアホに聞こえるんですけど!」


「アホだっつってんだよ!失敗して覚えろ!同じ失敗すんな!失敗を恐れるな!じゃあな!」


「・・・ホント嫌な奴!」


 そう言って少年も立ち上がり、男とは逆方向へ歩き始めた。その時、突然男は少年に呼びかけた。


「おい、家畜の屑!」


 少年は立ち止まった。


「俺はお前のやろうとしてること尊敬してるぞ!俺は家畜になれんしなろうとも思えないからな!」


 少年は動かない。


「また会おう!元気でな!」


 少年は走り去っていった。それを男はにやりと笑って見送った。

こんなのにマジになるなよ!

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