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序章その3

「記憶が、ぼやけてる」

「ど、どういうことなんでしょう?」

「わかんないよ・・・でもあいつなら多分そのことも知ってる、話を聞いていれば、分かるかもしれない」


『では・・・あなた達がここに集められた理由をお話ししましょう、それは・・・』

(うんうん、それは・・・?)

『それは・・・ってなんだおまえら、うわなにをするやめ・・ドンガラガッシャーン!!!』


「ふええ!?何?今の音!?」

「・・・はい?」


『うっわ〜、い、生きてるよな?』

『先輩・・あの蹴りって音速ッスよね?、余裕で死にますよ?』

『いや手加減したよ!?』

『やったー!黒幕撃破ー!』

『こいつ今、重要そうな事喋ってなかったか?』

『亜希ちゃん、ホントにこれ大丈夫なの?』


スピーカーの向こうが騒がしい。

聞き取れるだけで最低でも5人だろうか。

男3人、女2人で間違い無いと思う。


放送を聞いていた人々が騒ぎ出した。


「誰だ?こいつら、さっきの奴は?」


「え?まるで意味がわからんぞ?」


「気を付けろ!!何があるかわからんぞ!」


「え?さっきの奴なんだったの?」


『え?ちょっと待って、何も起こらないんだけど・・蹴り飛ばして良かったの?』

『いや俺知らねーよ!こいつ元凶っていったの浅井さんだしー』

『あんたら2人とも実行犯でしょーが!!どーすんだよ!この人多分重要人物ッスよ?!』

『ええ!?だって如何にも怪しかったし、黒ローブ着てるんだよ?絶対黒幕でしょ?』

『そ、その理屈はおかしいと思うな・・・』

『おい、亜希、これ、声外にだだ漏れだからね』

『え?』

ブツッ!


スピーカー切った・・・何だったの今のは?


「おい!なんかやべえぞ!」

「結局あいつなんだったの?」

「ちょっとー?おまえら何者?」

「腹減ったー!!」

「ギャーギャーワーワーキャーキャー」


『うるさい!今色々調べてんの!少し黙って待ってなさい!』

「「は、はい!!」」


謎の少女の一喝で周囲は黙り込む。

正直私も怖かった、何だかあの人には逆らっちゃいけないような気がする。



「あの、金髪さん」

「なに?、って金髪!?」

「名前が分からないので、そう呼ぶことにしました」

「あ・・そう、で?何?」

「このまま立ってても仕方ないので、あそこで休憩しませんか?」

そう言って彼女は少し離れた場所にある芝生を指差した。


「よっこらしょっと、それにしても金髪さんって・・・それじゃああなたの事は何て呼べばいいの?」

「・・・・」

「・・・・」

「あ、あおぱつ?」

かわいいな、おい!


「・・・えーっと、ちゃんと決めよっか?名前」

「はい!私、アオイがいいです!」

「即答!?」

「えへへ、今思いついたんですけど」

そう言ってアオイちゃんは照れ臭そうに笑った、うん、かわいい。


「名前・・名前かー?」

こうなると私もキンで付けた方が良いのだろうか?

キンコ、キンエ、キンタロー、キン、キン、キン

「むずかしい・・・」

「もっと気楽でいいと思いますよ?」

いや、こうなったら何が何でも金つながりで行きたい・・・頭をフルで回転させて!考えるんだ




「・・・アユ」

「スゥzzz」

「アユぅ!!」

「ふえ!?」

「名前、決まったよ!アユ!」

「あ、いいと思います!その名前(うわ〜目が輝いてる・・よっぽど嬉しかったのかな?)」


ふっふっふ・・・金の元素記号はAu!そこから変形してア・ユー、我ながら天才である。


「あ、これからもよろしくお願いします、アユさん!」

「うん!よろしくね!アオイちゃん!」

あぁ、名前って、素晴らしい!




『アーテステス、ごほん!』


突然、スピーカーから音が鳴り出した

静かだった広場がざわつき始める。


『ただいまから、皇帝、シャルル・アレクサンドロスの演説を始める!』


こ、皇帝?あのー?、さっきの人達は?

ざわつきが大きくなる。

『さぁ、皇帝、前へ』

『うむ』

そう言って、皇帝と呼ばれた人物は城のバルコニーに立った。


「あれが皇帝?」

「ガキじゃねえか」

「一体何のつもりだ?」


前に出てきた[皇帝]なる人物は、私と同じ位の年だった、西洋風の鎧にマントを羽織り、髪はウェーブのかかった金髪だ。


『皆様、ごきげんよう、まずはこの状況を説明しよう。

お察しの方も多いだろうが、ここは貴方たちの住んでいた世界ではない。

皆様は今、この異界・・・そう!異界ストレンジャーへ迷い込んでしまっている!』


「異界?ストレンジャー?」

「な、なんだか凄いことになってますね・・・」


『結論から先に言おうか、この異界から、元の世界へ戻る術はある!』


「なんですって!?」

「本当か?」

「うおおー!」

「やったぁー!」

予想外の朗報に、諦めかけていた人々から歓声が上がる。


『だが!・・・その方法は極めて難しい、すぐに帰れるなどとは思わないで欲しい。

この世界から脱出する方法は一つ!このストレンジャーに存在する、全てのダンジョンを制覇すること!だが!ダンジョンには危険なモンスターが生息している、丸腰で潜入しても、モンスターのエサになるだけだ』


「なら、どうすれば良いんだよ?」


『順応するのだ!この異界、ストレンジャーに!ここで暮らし、文明を築いていかなければ、そこに待つのは、滅びだ』


「・・・」


『そこで私達は、勇者、ブレイバーを募ることとした!』


「ブレイバー?」


何だか突拍子もない話だ、だが不思議と興味は湧いてくる。


『そうだ、武器を操り、魔法を駆使してモンスターを討伐する、それがブレイバーだ!ブレイバーとして認められれば、その者はこの地でのみ魂の保護を受けることができる!つまりは戦闘で死んでも生き返る、ということだ。』


「まじかよ!」

「すげーな、なんでもありかよ」


『並行して、鍛冶屋、雑貨屋などの募集も行う、詳しい事はそれぞれの受付で説明しよう!

各々が自分を活かせそうな職についてくれ!』


「なんだかRPGみたいで楽しそうだな!」

「これで帰れるのなら、やるしかないだろ!」

「俺、ブレイバーやるぜ!」

「私、雑貨やります!」

「「ワイワイ、ガヤガヤ」」




「ねぇ、アオイちゃん」

「はい?」

「あのさ、私、ブレイバーやろっかな?」

「アユさんがやるなら、私もやりたいです!」

当然、断る理由など無い。

「うん、一緒にやろ?」

「はいっ!」


「ところでアユさん、なんでブレイバーになろうと思ったんですか?」

「楽しそうだから♪」

「さ、流石ですね・・・」


?・・・ところで、何か忘れているような?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ふぅー、何とか凌ぎ切ったッスね。」


そういって俺の目の前の[皇帝]はカツラを脱いだ。

多田透、通称ヤスは他人の思考を読む能力、そして[自分を除く特定の人間の存在を他人の記憶から排除する]という能力を持っている。

まあ後者の能力はその能力の存在を知っている人間には使えないのだが。


「マジでおぞましいな、その異能、今のうちに消してしまおうか?・・・」

「もう先輩達には効かないッスよ!、やめてくださいって!」



「それにしても、プッ、ストレンジャーって!ブレイバーって!アハハハ!」


ヤスの厨二臭いネーミングセンスに浅井さんは爆笑する。


「じゃああんたがやってくださいよ!その場の思いつきだったんスよ!あぁ、もう死にたい・・・」

「あー、かっこいいと思うよ?ストレンジャーと、ブレイバー・・・・・プッ」

「相模先輩まで!・・・もうやだぁ!」


だから来たくなかったんだぁ〜〜!と絶叫しながら、ヤスは部屋から逃げて行った。

逃げ去るヤスを見届けた後、俺は部屋にあるバカでかいモニターを見ながら呟いた。


「はぁ、めんどくさ・・・」




と、言うわけで、次回から本編です。

トラブルがあって現在投稿停滞中です。

ストックが溜まるまでお待ちください。


次回予告


「鬼神」に戦闘の指南をしてもらえるなんて、そいつは幸運だなぁ!


リク君下がってて!


あと5匹!



ちなみに、私は今年で17だ。


『リク』




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