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それは突然

幼い頃から、俺は不思議な力を持っていた。

きっと、それは普通の人間が持つ事のない奇妙なもの。

世の中では、よくこういった力を超能力と言うらしい。


超能力をテーマにしてきた漫画や小説は今までにたくさん見てきた。

そして、俺が見てきたやつはどれもかっこいいものばかりだった。


けれど現実、そんなチヤホヤされる超能力者なんか、然う然う



ねーよ。





今、俺の目の前には中庭で3人の同級生に囲まれていた



「お前さぁ、まじ言いたい事あんなら直接言えよ」



ほんとにめんどくさいと思った。

なんで、こいつらのために時間潰さなきゃなんねーの?



「そーゆうの、うぜーって分ってる?」



昔からこの能力のせいか、気味悪がられる事も多かった。

ガキの頃は能力のコントロールが出来ず、何人か重症負わせた時もあった。

まぁ、最近はこーゆう事も無くなってきたのだけど、たまにこうやって



「聞いてんのかよ!!」



ぶんっ!!



手を挙げてくる奴がいるもんで。

だけど、俺は前を見ていなかったらしく一瞬、何が起きたのか分らなかった。



数秒して頬にわずかな痛みがあるのを感じた。

殴られたのか。


てか、何?そんなに俺にやられたいわけ?


久しぶりに能力を発揮しようと俺は1つ呟いた。



「失せろ」



生温かい風が、まるで自分の見方をするかのように頬を切る



「うあぁああぁああぁあ!!」



ドサッ



その瞬間、3人の中の1人が急に悲鳴をあげながら倒れた。



「ひ、ひぃ…」



あぁ、仲間の2人も怯えてる



「ほら、こいつの敵、討たなくていーの?」



そうしている間にも、2人は地面に座り込んでしまい

俺を化け物でも見るかのようにこっちを見ていた。

あーあ、怖すぎて足、竦んじゃったって?



なら、遠慮なくこちらから…



「はい、待ったー」



っ!?



いつのまにか、中庭の真後ろに見知らぬ男が腕を組んで立っていた。

誰だよ、この金髪男。

今、いいとこだったんだけど。



「君達、その子を連れて早く行きなさい」



そいつらは、俺と目を合わせないよう、倒れた奴を抱えてそそくさとその場を去った。

止めやがって。

俺は、金髪の男を睨みあげた。



「邪魔しないでください」



「うん、ごめんね? でも君、そうやって一生、能力使って生きていくつもり?」



は?い、今こいつ、何て言った?

能力? んで、こいつが知って…!!



「俺も、持ってる」



ドクン… ドクン



「何、言って…持ってるって、何を…」



そいつは、にやりと口端を上げて何かを呟いた。

っ!!自分の周りから中庭の景色が消えた?!

真っ暗の闇の中、きらきらと小さな金平糖が見えてきた。

辺りには瞬く間に夜空へと広がっていく



な、なんだこれ?! ほ、星がたくさん降ってくる…!!



「これで分った? 俺も超能力者の1人だ」



そ、そんな事、き、急に言われたって。



「僕と君は仲間だよ」



ドクン…ドクン



「俺らと一緒にサーカス団をやらないか?」



この時、俺は生まれて初めて出来た仲間に舞い上がっていたのか

なぜか、自分でも知らないうちに首を縦に振ってしまっていた。





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