無口系女子とヤンキー男子 6
「美桜おっはよー!!」
『……』コク
「今日1時間目から数学だよー
そーいえば美桜今日日直だよね?」
『……』サァーー
美桜の顔が一気に青ざめていく
美桜たちの数学の授業をもっている先生は
その日の日直を当てる習慣があった
「あちゃー
よりによって数学かー
美桜がんばってね」
『……』フルフル
ーーー……
「きりーつ、れい!!」
学級委員の古阪くんが号令をかける
「よし、じゃーこの前の続きするぞー
教科書の89ページを開けろー」
カッカッカッ
静かになった教室にチョークで黒板に書く音だけが響く
「〜〜〜……であるからにして
えー、ここはこうなるっと
じゃーこの問題をーー………
雪凪!!」
『……』ビクッ!!!
「前に来て解いてみなさい」
『……』ガタッ
黒板の前に来たはいいものの
解き方がちっともわからない
一応チョークを持ってみる
でもわからないものはわからない
「ここはー
さっき説明した通りyに代入してーー……」
キーンコーンカーンコーン
「んじゃー
今日はここまで」
長い長い数学の授業が終わった
あの後問題が解けず20分間ずっと考えさせられた
それでもわからないので
結局先生が解いた
「美桜ホント勉強できないよねー」
『…………』
「あははは
そんなに落ち込まいでってー」
それからあっという間にお昼になった
「美桜ー
今日購買だからついてきてー
おねがい!!」
『…………』コク
ザワザワ
購買はもう人で埋まっていた
「買ってくるからちょっと待っててね
変なやつに絡まれたらだめだかんね!!」
『……』コク
ザワザワ
それから杏梨が人混みの中に消えた
「……でさー」
ドンッ!!
『……!!』
「……ッ!!
ってーな!!
ちゃんと前見ろよ!!」
『……』ペコ
慌てて頭をさげる
「あ、この子もしかして1年の雪凪美桜って子じゃね?
「あのちょー可愛い子が入ったてやつか!!」
「へー、
あ、ねーねー
君さー俺らと昼食べね?」
『……』フルフル
「いーじゃん、いーじゃん」
「俺らと食べよーぜ」
そのまま肩をもたれる
『……(イヤッ!!)』
バシッ!!
「は?
なんだよお前?」
「さーせん、先輩方
こいつは俺と食うんで」
そう言って美桜の肩をもつのは
大和だった
「は?
意味わかんねーんだけど
美桜ちゃんは俺らと食うんだって
ガキは家帰って寝てろ!!」
「嫌がってんのに無理矢理
いっしょに食べようとしてる
あんたらのほうがガキだよっ!!」
大和が声を荒らげる
『……』オロオロ
「は?
んだと?
1年のくせにいきがってんじゃねーぞ!!」
『…………』ムカ
クイクイ
美桜が先輩のセーターの袖をひっぱる
「は?
なに?」
そして、
「……ッッ!!!!」
「ふ…ふん!!
今回は諦めてやるよ!!」
『……』
「!!
雪凪大丈夫か?」
『……』コク
「そっか
よかったー」ホッ
その笑顔に美桜は
『……ッッ!!』カァァァァ
顔を真っ赤にした
「?
どした?
熱でもあるのか?」
大和が美桜のおでこに手をあてる
『……ッ』
プイ
美桜はそっぽを向いた
「……あっ!!
美桜ー!!」
杏梨が両手いっぱいにパンを抱きかかえてこっちに向かってくる
「ん、じゃーな
もう絡まれんなよ」
大和は教室に帰ろうとして後ろを向いた
でも進むことが出来なかった
「?」
美桜が袖をひっぱっていたから
『…………ありがと』
「!!
前よりスムーズになったな」
一瞬驚いた顔をみせたが
すぐにいつもの屈託のない笑顔に戻った
少し頬を赤らめて
「……じゃ」
クルッ
大和は教室へ戻っていった
大和と別れてもまだ赤い美桜の頬と
いっこうに落ち着かない心臓
『……(前といっしょの感覚
なんだろ??)』
囚われた子羊がここに一匹