00 前章までのあらすじ
第二章から読んでも楽しめるように作ってみました。
内容の追加やレイアウトなどの変更は様子を見て随時やっていきます。
注意! この章から始まるエピソードはこの章を前半、次の章を後編としています。ナンバリングは二章連番です。次の章、第三章第49話『愚者』あたりからきつめの残酷な殺害シーンなどが描写されています。物語を楽しんで読んでいただくためにあえて直前の注意は行っておりません。そういった類の話が不快な方は読みとばすことをお勧めします。
前章までのあらすじ
高校を卒業したMOB男君と、学園の『姫様』上郡美姫は同じ大学に合格。その報告に訪れた母校で不可解な爆発に巻き込まれ意識を失う。
目を覚ましたMOB男君はそこでセドリックという人物と出会った。セドリックから告げられたのは、自分が異世界に、しかも赤ん坊として”転生”したという事実だった。
エドこと、エドゥアルドとして転生することになった彼は、セドリックから積道または灰魔術と呼ばれる魔術を教わることに。異世界ほのぼの生活の始まりかと思いきや、しかし、直後エドは誘拐される。
一緒に誘拐されたのが実は、前世で同じく爆発に巻き込まれた『姫様』。その転生後の存在であるオヴリガン公爵の赤ん坊、クレオリアだった。二人は共に協力して難局に立ち向かうことに。
どうにか無事生き延びたクレオリアは、日本に帰ることを決意する。
六年後に再会することを約束した二人は一旦、離れ離れとなる。
時は過ぎ……約束の六年目がやってきた。
登場人物とか
☆帝国
この物語の舞台。
大陸最大国家。西に王国、東に異民族や魔族という敵対勢力を抱える。
千年前に始皇帝によって建国された。
帝都は領土の北方に位置している。
★エドゥアルド・ウォルコット
本編の主人公、かと言われると若干の疑問が残る全体的になんか薄い存在。
恋人どころか友人も、本名を知っている同級生さえも、理由もないのに存在しない。あったかどうかも不明な高校時代を終え18歳の時点で転生。大した前世でもないのにその記憶を持っている。ふんわりなんとなく生きてきた割にはいい大学に合格し、それが人生で唯一の自慢です。でも通う前に転生。
転生後は流されるまま灰魔術師(の幽霊)に弟子入りした。ビスマルクが本当の姓。実母は死亡。実父は不明。生後サウスギルベナのウォルコット家に引き取られた。
★クレオリア・オヴリガン (上郡美姫)
元才色兼備な高スペック女子高生。前世のアダ名は『姫様』。
現世は本当に姫様。
前世ではエドとは高校で同じクラス、同じ大学という以外に共通点らしきものはないが、気は合うみたい。きっとそれはエドの勘違いじゃない筈だ。
エドと共に転生しサウスギルベナ領主オヴリガン公爵家の長女として生を受ける。S女かどうかは知らないが人を殴るのが得意だとエドは思っている。
☆ウォルコット家
アーガンソン家の使用人夫婦の家。エドの公的な家族。家族構成は鍛冶師の父親ウォルボルト。母親はアーガンソン家女中長マーサ。長男スラグファー(ラグ)、その同い年ミラ、三歳下に次女のイネージェ(イーネ)。さらにその四歳下にヴェルンド(ヴィ)とエドの男の子二人。ミラとエドはウォルコット家との血縁関係はない。
☆アーガンソン商会
サウスギルベナを拠点に王国間貿易を独占する商人組織。ギルベナでは絶対的な力を持つ。
帝国宰相から監視対象になっていた怪しい集団でもある。
★ソルヴ・アーガンソン
アーガンソン商会の総帥。エドと同い年の娘が1人。
★ジガ
ソルヴの相談役。ギルベナの魔道士ギルド長。黒魔術師の老婆。
★グウィネス、ジャック、アンジェ&アヴリル
ソルヴやジガの若手部下達。
☆オヴリガン公爵家
流刑地ギルベナ地方の領主。
当主は別名『ギルベナの引篭』と揶揄されるダメ父さんのスコット・オヴリガン。始皇帝と英雄である初代オヴリガン公爵の血を引いている侯爵家だが、万年貧乏。
クレオリアの13歳上にオーランド、7歳上にウェントアース、二人の兄がいる。
★セドリック・アルベルト
エドの師匠で、灰魔術の開祖。1000年前の日本から300年前の王国に転移させられた元朝廷のお役人。御歳300歳超の平安風無味のイケメン。見た目20代。ただし霊体。西方深山在住。通信教育魔術でエドに灰魔術を伝授中。クレオリアの祖先初代オヴリガン公爵と深い関わりが。
その他、第二章を楽しむために関係の有りそうな用語解説。
☆魔法、魔術、魔導
魔法は超常の存在から力を借りて発現するものを言う。なので精霊魔術とは言わない。
魔術はこの世界に存在する魔素を魔力に変換して様々な現象を起こす技術。
魔導は研究関係の用語。魔道士は魔法、魔術の研究者、魔導書は研究論文や手引書のこと。
☆この世界の魔法について
魔力→魔粒子→魔素→魔力の順番に変換する。
普通の魔術師に扱えるのは魔力の段階から。
黒魔法などで具現化された炎や水は物理法則に支配される。なので操作付加にも魔力が必要。
黒魔術 魔力を具現化するのが得意。高火力だが高コスト。
白魔術 神聖魔術と呼ばれることも。薬などの物質の純化による強化も可能。
灰魔術 魔粒子の操作を得意とする。詳しくは後述。
精霊魔法 精霊の力を借りて現象を起こす召喚魔法の一つ。使い手はエルフが代表的。
☆箱庭
夢見系統の灰魔術。対象の精神内に仮想現実世界を作る。エドとセドリックをつなぐ魔術。
☆ギルベナ地方
初代オヴリガン公爵が開拓を始めたが、300年経った今でも『流刑地』の呼び名がある不毛地帯。帝国最南端の地。まともに住めるのは港町サウスギルベナくらいという万年貧困地。領主は代々オヴリガン公爵家。港町サウスギルベナは帝国で唯一、敵国である王国との貿易ルートがあるが、その規模は小さい。
☆シクロップ家
工人十二家の一つである鍛冶師の家。ずっと没落している名ばかりの門だけ立派(鍛冶師だから)な家。一応貴族。先祖が盗賊の頭みたいな顔してる。
☆灰魔術 (積道)
三百年前にセドリックが開発した魔術系統の一つ。正式名称は『積道』だが、ほとんどの人は灰魔術と呼んでいる。蓄積された魔粒子を利用することで低コストで発現可能。




