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MOB男な灰魔術師と雷の美姫  作者: 豆腐小僧
第一章 MOB男な新生児は他業無得の零才子
14/132

014 公爵令嬢誘拐事件

 港街サウスギルベナ。

 大地母神教団が運営する産院施設で異常を発見したのは、見回りのシスターだった。


 このシスターは、警備のために見回っているのではない。新生児室にいる赤ん坊の健康状態に異常がないかチェックするためだ。新生児室には24時間体制で医療職員が詰めているが、それに加えて見回りのシスターたちが異常がないかチェックする規則になっているのだ。


 特別新生児室の異常は一目見て分かった。

 部屋の前でいつもなら、直立不動の番をしている警備の少女兵が倒れていたからだ。シスターは少女兵に駆け寄り、外傷がないことを見ると、頬を叩いて起こそうとした。しかし、起きない。ただ事ではないことが起こったのだと直感したシスターは、特別新生児室の扉を開けた。

 開け放たれた窓から、月明かりが差し込み、倒れている職員を発見する。

 ほとんど確信を持って、二つだけ置かれている新生児ベッドを覗き込み、それから異常を知らせるために大声で叫んだ。




「なぜすぐに知らせなかったのですか!」

 サウスギルベナ領主の治副司、ラウールがこの男にしては珍しく声を荒げた。


 怒りを向けられているのは、サウスギルベナ大地母神神殿の司祭であり、この産婦施設の院長を務める男だ。

「いえ、あの、万が一こちらの勘違いだったとなれば、いけないと思いまして、まず確認をと、思い、その……それに我が教団兵士団が、今、全力をもって……あのぉ……」

 ラウールの倍ほどの年齢の司祭は額の汗を拭いながら、必死の弁明をしている、が、

「それが、2時間も連絡が遅れた理由になりますか!」

 司祭の弁明はラウールの怒りに油を注ぐことになるだけだった。


 大体が、このような言い訳が本当でないことは、ラウールには分かりきっていた。勘違いかどうかの確認で、2時間も領主オヴリガン家に連絡がこないはずがない。この小者然とした司祭は、保安上の責任を問われることを恐れて、なんとか教団独自で解決しようとしたのだろう。そして手をこまねいている内に、衛兵への報告が遅れたに違いない。


 ラウールの言葉に、さすがに言い訳のしようがないのか、司祭はますます汗をかいて、うめき声だか返事だかわからない声を絞り出している。

 

 ラウールは連絡を受けて、すぐさま街の各衛兵詰所に非常線を張る事を命じた。本来なら補佐監視が役目の治副司であるラウールが命令を出すのは越権行為であるが、領主であるスコットが事件を知って倒れてしまったのだから仕方がない。普段から働かない領主の代わりに実務を行っているため、命令の伝達は滞ることなく行われ、すぐに各所の衛兵たちが真夜中の街を捜索している。しかし、初動の遅れは、事件の性質を考えれば、致命的とも思える。


 ラウールは未だに怒りが収まらなかったが、責任を回避することにしか頭がいっていない司祭とこれ以上、話しても益がないと思ったのだろう。手元の紙片に目をやった。そこには汚い字で子供を預かったことと、後で連絡するということだけが書かれていた。


 連絡する、ということは身代金なり、要求をするつもりがあるということか。

 しかし、この紙にはどちらの子供のことを言っているのか、両方なのかがわからない。

 しかも、紙片は随分汚く、手近い紙に書きなぐっただけの様に思え、違和感があるが、如何せん情報がすくなくて、それ以上は分からない。


視線を司祭の後ろにいる少女に向けた。汗をかきながら言い訳を繰り返す司祭の後ろで、こちらの少女は顔を真っ青にしていた。


 事件当時、特別新生児室の扉の前で警備をしていた神殿兵士だ。

 教団の兵力である神殿兵士。

 その兵士の供給源は教団が運営する孤児院の子供達から素質のある者を募って訓練することも多い。そのため少年少女の兵士の姿も珍しくはない。特に産院施設や修道院などでは施設の特性上こういった少年少女の兵士が警備にあたるのはよくあることだった。


「何が原因で君は倒れていたんだ」

 少女兵を見るラウールの目は、見つめるというより、睨みつけていたのは致しかたない。が、その少女兵は自分の失態に青ざめてはいるが、自分の役割を果たそうとする気概は見て取れた。元々気の強い性格でもあるのだろう、涙を見せる様子もなく、ラウールの強い視線を真正面から受け止めている。


「はっ。特別新生児室の扉の前でいつもの様に立って警備をしていました」

 直立不動で少女兵が答える。年齢は十代半ばにもいっていないように見えるが、言葉使いが妙に大人びていて作法がしっかりしている。もしかしたら見た目どおりの年齢ではないのかもしれない。でなければ孤児院出身者ではなく、どこかの貴族の子女といったところか。


「21時過ぎ、シスターが定時の見回りにここまでやってきましたので、特別新生児室に共に入室。その際には異常がありませんでした。詳しい時間は分かりませんが、意識を失ったのはそれからしばらくしてからです。意識を失った原因は……わかりません。ただ……甘い香がしたのを覚えています」

「匂い? いやまず、しばらくとはどれくらいだ? 10分か? 1時間か?」

「半時はたっていません。多分15分以内だったと思います」


 ほう。

 きっぱりと答えた少女兵の答えにラウールは小さく聞こえない声を上げた。失態を犯した直後にも関わらず、事態を冷静に把握しているようだ。保身に走る司祭よりよほど優秀と言える。

 廊下には少女兵が時間を知るためのものはない。とはいってもいつもやっている業務だ。時間間隔もそれほど狂ってはいないだろう。


「しかし、匂い? 匂いとなるとやはり睡眠効果のある薬を撒いたのか?」

 眠りの魔法を使ったわけではない、というわけか。ラウールは周りの空気を無意識に嗅いだが、勿論日常的に訪れるわけでない院内の匂いの違いが分かるはずもない。できたとしても、違和感を感じるには時間が経ちすぎている。


「バービトレートの香じゃな」

 思案に耽るラウールの問いに答えるように、声がした。

 一同がラウールの背後に目を向ける。いつのまにやってきたのかそこには小柄なローブ姿の老人が立っていた。

「ジガ魔道士ギルド長!」

 老人の姿を見て、声を上げたのは司祭だ。顔には先ほどとは比べ物にならない汗が浮かび、顔色は赤からどす黒く変わっている。


 司祭からすれば最悪の人物が、とうとうやってきたというところか。

 この老婆は、サウスギルベナの全系統魔術師達が所属する魔道士ギルドを統べる人物であるが、司祭やラウールにとってはあのソルヴ・アーガンソンの知恵袋としての顔の方が印象がある。

 そして、公爵家の第三子と共に誘拐されたのは、ソルヴ・アーガンソンの隠し子ではないかと思われる、エドゥアルド・ウォルコットという男児だ。ソルヴが帝都に旅立っている今、ジガはアーガンソン商会の総帥代理という立場にある。


「あ、……うっ……」

「これはギルド長、それとも総帥代理とお呼びした方が?」

 言葉を発することができなくなった司祭は放って置いて、ラウールはこの街で一番の権力者の代理人に鋭いままの視線を向けた。そんなラウールの視線どころか、この事態までも気にした風もない明るい笑い声をジガが上げる。


「ふぇふぇ。お若い公爵補佐殿。いつもどおり、どうかジガと呼んでくだされ、年を喰っておるだけで過分な地位に付けられた身でありますゆえ」

「では、ジガ老、一体何をしに……いや」

 治副司であるラウールとアーガンソン商会の幹部ジガ。いつもなら腹の探りあいが始まるところだが、今はそれどころではない。ジガを追い返そうとしたラウールだが、先ほどジガが発した言葉を思い出した。


「バービトレートの香のことじゃな」

 ラウールは頷く。

「それは一体」

「ここでゆっくり説明してやりたいが、すでに誘拐されてから……」

「おそらく3時間以上経過しています」

「うむ、事態は火急を要する。馬車を用意しておるので、詳しい話は道中しよう」

「私にあなたと共に来いと?」

「誘拐されたのは双方にとって大切な赤子たちじゃろう? 優秀なお主のこと、利害が一致するのじゃ、協力し合った方が利があるのはすぐに分かろう」


 ニタリとジガが笑う。ラウールもすぐに理解した。それどころか表向きには、公爵令嬢の命が架かっているラウールの方が利は大きい。いや、今から初動の遅れを取り戻すには、この街の裏表の社会を牛耳るアーガソン商会の協力を得るしかない。効果のある一手にしか思えないが、相手が相手だけにラウールは即答できないでいた。


「私も一緒に連れて行ってください!」

 その間を縫って、少女兵が声を上げた。

「駄目だ」

 これにはラウールは即答した。少女兵は恐らく名誉挽回の機会を得たいと思っているのだろうが、これから院外での捜索を行うのに、少女兵の力が役に立つとは思えなかったのだ。


「いや」

 しかし、意外なことにジガが少女兵の同行に賛成の意を告げる。

「ワシが、直接ここに来たのはその童も一緒に連れて行くためじゃ」

「?」

「来ればわかる。童、一緒にこい」

「はい!」

 後ろを向いて歩き出すジガに少女兵が付いていく。なし崩しにラウールもその後を追う。

「あ、あのー私は……」

 司祭が小さな声を上げるが、それに反応した者はいなかった。





「バービトレートの香とはの」

 三人を乗せた馬車が進みだして、ジガが口を開く。六人乗りの馬車の一方にジガ、反対側にラウールと神殿兵士のカネリが座っている。少女兵の名前は乗り込む前に、簡単な自己紹介を済ませた時に知った。彼女は孤児院出身者というこで、ラウールの予測は外れた。彼女がしっかりしているのは、彼女固有の資質というわけか。


「白魔法で生成される眠り薬、麻酔薬のことじゃ。本来は重篤な怪我や病に犯された患者を仮死状態にして、怪我や疾病の進行を抑えるための薬での、バービトレートの名前は、生成の際に使われる薬剤の名前からきとる」


 そこまで聞いて、今度はラウールが口を開いた。

「それで、その香が今回の犯行に使われたと言う根拠はなんです? 甘い匂いがしたという証言から? 私は魔法の知識には疎いのですが、他にも可能性があるのでは?」

「犯人は何が目的だったのかのぅ?」


 ジガが質問で返してくる。ラウールはそれは当然誘拐だろうと答えた。

「ただし、どちらの赤子が目的だったかはわかりませんが」

 ラウールの返答に、ジガは皺だらけの表情をピクリとも動かさなかった。

「では、眠りの香を使ったのはなんのためだと思う? 部屋の外で立っておったこの童が巻き添えで、昏倒してしまうほどの香じゃ、どんな種類のものであったとしても簡単に手に入るものではない」


「ですから、魔法じゃないという確証は?」

「眠りの魔術なら確かに簡単じゃの。しかし、今回の犯行は誘拐じゃ、暗殺ではない。暗殺ならわざわざ連れて行く意味はないからの。だから眠りの魔術は使えん」

「?」


 ラウールにはジガの言葉の意味がまったく分からなかったが、隣に座っているカネリが遠慮がちに答えた。

「眠りの魔術は、赤ちゃんにかけると、死んでしまうことがよくあるからじゃないでしょうか?」

 ジガはそこ言葉に頷いた。

「奴等が眠らせたかったのは警備の童でも、側に控えておった職員でもない、赤子どもじゃ。連れて行くときに泣かれては、元も子もないからの。しかし、眠りの魔術を赤子に使えば命に関わる。大体部屋の外にいる童にまで影響があったのじゃ。わざわざ中にいる者達だけ眠りの魔術を使うはずはなかろう」

「だから、今回の犯行に使われたのがその香だというのですね?」

 ラウールは言って頷いた。

「うむ、赤子の健康に影響なく、しかもこの街で手に入る眠り香となればバービトレートの香だけじゃな」


 ん?

 ラウールは、ジガの答えに引っかかりを覚えた。が、それが何なのかを確かめる前にジガの次の言葉に疑問は吹き飛ばされる。

「先ほどは、誘拐だと言ったがの。おそらく犯人の目的は公爵の娘の殺害じゃろう」


「暗殺? しかも何故目的がクレオリア様なのですか。あなたは先ほど目的は誘拐だといったじゃないですか。それに犯人は書置きを残しているのですよ」

「あの場では、ということじゃ。書置きは恐らく時間稼ぎの小細工じゃな。いくら待っておっても連絡などくるまい。おそらく犯人どもは生きて帰すつもりはないぞ。ただし、公爵令嬢だけじゃがな」

「どういう……」


「公爵令嬢を誘拐すれば一生追われることとなる。その危険を冒すだけの利益とはなんじゃろうかのう? そしてそれを身代金に求めようとしたとして、公爵家は払えるのか?」

「無理でしょうね」


 公爵補佐ラウールであるこの問いには自信を持って答えることができた。公爵家の財政では巨額の身代金を払うことはできないだろう。事実、産院の特別室を借りるために、スコット公爵は借金をしてまで金をかき集めていた。

「じゃろう。ギルベナの貴族を身代金目的で誘拐する野盗などおらん。このギルベナで金持ちといえば一部の商人だけじゃからな」

「それなら誘拐の目的はエドゥアルド・ウォルコットにはなりませんか? このギルベナであなた達以上に富を持っている人間など……いや、ちがうな」


 そこまで言って、ラウールは自分の考えが間違っていたことに気が付いた。そして先ほどの違和感の正体にも。

「そう。ギルベナの人間でアーガンソン商会の関係者を身代金目的で誘拐する者などおらん。表だろうが、裏だろうがな。もちろんワシらにも敵は多い。しかしな、例えばお主は、あの子のことをソルヴの隠し子かなにかと思うとらんか? しかし、ただの使用人の子供じゃ。誘拐して何の意味がある」

「それは……しかし」


 アーガンソン商会がわざわざ公爵家と同じ特別室での出産をさせた子どもが使用人の子などということはありえない。そう言おうとして、ジガの言葉に遮られる。

「そうじゃな、目端の利く者ならお主と同じことを考えるじゃろう。そして今回の犯人も下調べの段階で同じことを考えたはずじゃ。この赤ん坊はあのソルヴ・アーガンソンの隠し子だと」

 そこまで言って、シガは嘲笑の声を上げる。


「しかしの、法的にも公的にもあの赤子は屋敷の使用人の子供じゃ。そしてソルヴがそんな子供のために犯人の言うことは聞かんじゃろう。子供が殺されろうと身代金は払わん。そしてどんな手段を使ってでも犯人は捕らえる。その後のことは言わずともわかろう? それは兎も角として、公式には使用人の子供で、もしかしたらソルヴの隠し子かもしれん子供。そんなあやふやな情報で希少な薬を使って、命の危険まで冒すかのぉ」

「だから、クレオリア様が目的だと? それこそオヴリガン家にはその身分に合った身代金なんて払えませんよ」


「だから、誘拐ではなく暗殺の可能性が高いのじゃ。腐ってもオヴリガン家は公爵家、皇帝の血筋じゃからな、なにか政治的な意思を持っているのか、魔法儀式に利用するつもりか」

「魔法儀式?」

「召喚や呪いの高度な魔法儀式ではの、高貴な血筋のものを生贄にすることはある。これらの儀式で重要な要素を持つのは、血筋、性別、年齢などじゃ。おそらく初代オヴリガン公の血を引く女の赤子であれば高位魔族くらいは呼び出せるやもしれんが……」

「その言い様だと、その可能性は低そうですね」


「うむ、さすがにそんな大層な儀式をこの辺りで行う準備をしておれば、ワシの探知の網に引っかかる。すると、他の理由となるが、そうなるとさっぱりわからんな。あの赤子に変わった点はなかったのか?」

「さぁ、私の知る限り病弱な子供としか。主観的な意見でよければ、随分美しいというか、目の奪われる赤ん坊だと思いますが」


「病弱……そう言えば、スコットぼうやにも聞いたが、原因はわかったのか?」

「いえ、それが生まれたときは普通の赤ん坊と同じ状態だったそうですが、生後すぐに具合が悪くなりました。医師たちが調べていましたが結局何が原因か分からなかったそうです」


「ふむ、で、美しい子供だったと?」

「はぁ、まぁあくまで私の意見ですが、産院施設の職員達でもそういう意見は言っていましたよ。もちろんどこまで本心かはわかりませんが」


 ラウールはカネリの方を見ると、彼女は頷いた。

「はい、クレオリア様を見た者達は全員が美しい御子さまだと申しておりました」

「ふむ、童の目で見てなにかその赤子に感じるものがあったか?」

「さ、さあ。私もお美しいとは思いましたが、そのほかには特には……」

「それがいったい何の関係があるのです?」

「いや、何か『恩恵』を持っていたのかもしれんと思っての。まあ、よいわ。今は調べようがないし、何より急いで赤子達を取り返さなければいかん。さて目的の場所にも着いたようじゃ」


 ジガの言葉に、ラウールは外へと視線を向けた。目に入った建物はジガがギルド長を務める魔道士ギルドだ。

「さて、童。お主の出番じゃ」

「は、はい!」

 ジガの言葉に、カネリの全身に緊張が走る。


「一体彼女に何をさせるのですか?」

「先ほども言ったが、今は実行犯と赤子たちの身柄確保が最優先。そこで、この童と特別室で倒れておった職員を使って実行犯を特定する」


「一体どうやって?」

「ん? 魔道士ギルドじゃぞ、魔術を使うに決まっておる。職員の方はすでに運び込んでおる。童お主も来い」

「その魔術と言うのは?」

「探知魔術の一つを使う。簡単に言えば、人体に取り込んだ魔素から情報を取り出し、幻像によってその時何があったのかを再現する魔術じゃ。しかし、この魔術が有効なのは数時間。正直事件時の魔素が残留しておるかどうかは微妙じゃな。

 なので童にはちょっとばかり無理をさせることになる」


 ジガの言葉にカネリは緊張しているようだが、しっかりと頷いた。恐らく汚名を返上することしか考えていないのだろうが、ラウールは、ジガが『無理』という限り、それなりに危険があることだと分かっていた。だから確認のためにもジガに尋ねる。


「無理とはどの程度?」

「より情報を集めるために数人がかりで魔素を抜き出すのでな、少しばかり『無理』をして貰う。なに、二、三日もすれば立てる様になる。構わんじゃろう?」

 そう言ってジガは少女を見て、ニタリと笑った。カネリはそれに「勿論です」と答えてはいたが、事の大変さを理解したのか、表情は蒼ざめている。

 ラウールは止めなかった。少女兵士を危険にさらすことも分かっていたが、それよりも得られる利を優先すべきだと思ったからだ。


「よろしい。ではすぐに術式を起こす」


投稿しておいて、すぐにおかしな点があったのでサクッと書き直しておきました。あとアーガンソンなのかアーガソンなのかをいつも打ち間違えます。アーガンソンが正解です。

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