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ルナティック✝  作者:
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1

風が後押しをするように、後ろから背中にぶつかってくる。

下を見ればコンクリート。


現在、俺こと一条いちじょう れんは通っている高校の屋上にいる。

どうやって入ったか。簡単だ、南京錠をぶち壊しただけなのだから。

そんなことして大丈夫なのか。大丈夫だ、問題ない。

いや、問題だらけではあるが、これから死ぬ俺にとっては関係のないことだ。


今まさに自殺をしようと学校の屋上に来たわけだ。

ここで1つ疑問が出ると思う。どうして死のうと思った?と。

恐らく俺が死んだあと、友人(といってもそれほど仲のいい奴はいないのだが)、家族も

「どうして?」と、泣いてるのか笑ってるのかはわからないが

死体の俺に問いかけるだろう。

だから今ここで答えておく。

考えたのだ。このまま学校を卒業し、大学生になれるかはともかく

これから働き、ジジイになって労働から解放され、死ぬ。

そして今ここで死ぬ。


何の違いがあるのだろうか。生きるのはつらいことだ。

きっとこういわれるだろう。「逃げ」「心が弱い」と。

逆に問おう。死んで何が悪い。死んだ者勝ちだ。

逃げだとか弱いだとかいうやつは自分が死ぬ勇気がないから

嫉妬しているだけなのだ。


俺は友人が自殺したいと言ったらこういうだろう。

「迷惑かからないようにしてくれよ」と。

止めたりしない。その人が死のうと決めたんだから。

その人自身は慰めてほしかったのかもしれないが、そんなことは知ったことではない。


そろそろ飛び降りないと人が集まってくる。

現在時刻は朝6時。校内に侵入、窓ガラスを割って入ったのだから

気づいた教員がここに来るかもしれない。

ゴチャゴチャ言われては面倒だ。

風もさっきからずっと後押ししてくれている。


「さよなら」


一言つぶやいて、飛んだ。










重力加速度により、体の落下速度はグングン増していく。

数秒とかからず地面に衝突するだろう。


「…え?」


地面がない(・・・・・)。


(違う…空中に何か穴が!?)


突如現れた穴に吸い込まれるように、一条は体を飲み込まれた。

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