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転生双子の冒険  作者: 南部餃子
第一章
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第一話 双子誕生、記憶をもつ兄

ちょこちょこ修正してくかもです。

もしかしたらこのあとにつらつら続き書くかもです。

気が付いて、うっすらと瞳を開けた。

俺の体は白くてふわふわな布に包まれて横になっている。

自分は助かったのだろうか。

呼吸は出来ている。


起きようと思って力を入れたが、

どうしても上半身がまったく起き上がる気配がない。

指先や腕などは軽く動く気配がしたが…


もしかして一命を取り留めたのかな?


適当にそう感じることにした。

やっぱり助かったとしても…

あれだけ身体がグチャグチャになるまでM4を撃たれたら、

後遺症やらなにやら云々ついてくるはずだ。


でも到底生存が難しいような状態でここまで回復するのだろうか?

痛みは全然感じない。

もうあんまり深く考えないようにしよう。うん。


それにしてもここはどこなのだろうか。

天井は白くて、俺の周りには木製の柵みたいなのが立っている。

床は…っつかベッドかな?

結構肌触りのよいシーツが敷かれている。


推測だと、ここは病院なのかな?

体さえ動かせれば。


ジタジタして身体を動かそうとするが、

俺の身体はいっこうに起き上がることはない。

どうしたものか。

そうこうしているうちに眠くなってきた。

ああ、眠い、すごく眠い。


そんなことを考えていると、奥の方からガチャっとドアを開ける音が聞こえた。

トントントンと足音が近づいてくる。一体誰なのだろう。

足音は俺の近くで止む。

そして部屋に入ってきた誰かはひょこっとこちらを覗き込んだ。

 

最後に見た光景は、

若い男性がこちらを覗き込んでいる所だった。

年は20代後半か30代前半だろうか。体格はしっかりしている。

その男性は俺の頭をそっと撫でた。


…心なしか安心感が生えた。



そのまま俺は眠りに落ちたのだった。




****





「うあぁぁああぁぁ うぎぁぇあぁあぁぁ!」


突如、隣の部屋から赤子の叫び声が聞こえて目を覚ました。

何だ?何なんだ?何が起きたんだ!?


恐らく俺をあやしていたであろう男性がバッと立ち上がり、

ドタドタと走って部屋のドアへ手をかけた。

俺を抱えながら。

…アレ?俺ってこんなに軽いっけ?


訳のわからぬまま、

俺は男性に抱えられて廊下を進んだのだった。


そして男性は勢いよく隣の部屋のドアを開けた。

男性はホッとしてそのまま前進した。


ドアの先には妊婦らしき女性とメイドの女性と医師らしき人物達がいた。

産後の妊婦らしき女性ははこちらを向いて微笑んでいる。

その妊婦と思われる女性は艶やかなブロンドの少し長めの髪を生やしていて、

顔は美形だった。可愛いと美人で言ったら美人の方。

女性は生まれたばかりの赤子を抱いている。

おそらく女の子だ。あの汚れたバベルの塔がない。


男性は駆け寄って女の子の赤子を撫でる。

実に嬉しそうだ。

この男性は今出産した女性の妻なのだろう。

リア充かぁ。しかも子持ちかぁ。


「ρДИБЬΘ?」


……何語?

医師と夫婦は何かを話し合っている。だが、全然言語が分からない。

英語とも日本語とも違う。

英検2級でリスニングがバッチシの俺にも全然分からん。

それにしてもこの男はいつまで俺のことを抱えているのだろう。

妻と思わしき女性からも撫でられた。

相変わらずピーピー女の子の赤ん坊は泣いている。

メイドさんが必死であやしていた。



しばらくして、話はもう済んだらしい。

女性はベッドで横になりながら、微笑んで俺と女の子に語りかける。


そして夫が俺を手渡して妻が女の子を夫に手渡した。

女性は笑顔で俺をよしよしとあやすようにして抱く。

心なしか女の子は俺と同じ位の大きさな気がし――た――――


いや、ちょっとまて。

20代後半の成人男性がこんな赤子と同じ大きさだと?

ありえなくね?

…抱きかかえられてすっぽり胸の谷間に埋まるくらいの体の大きさじゃなくね?


ようやくここで気づいた。


俺は転生して赤ん坊になったと。

そして多分この女の子は俺の妹。

イコール…俺は双子のお兄ちゃんになっちゃったと。


どおりでおかしいと思った。

普通はあんなに銃弾を食らったらただじゃ済まされない。

生きていたとしても、体中パイプとかホースとか変なもの突っ込まれて、

動きたくても動けないような地獄ライフに強制連行なはず。


あ、そういや頭から全身にかけて蜂の巣にされてたなボク。

どっちにしろ生存できないじゃないか。

そりゃあ生きるのは無理ですよね、なんで気づかなかったんだろうボク。


「うぁー ああーうー いーふぅ?」


「あなたたちはお父さんとお母さんですか?」と喋ったつもりだったが中々ろれつが回らない。

うーん、なんというか…何だろう。この気持ちは。


まぁ、どうせ喋れたって言葉は通じないだろうけどね。

日本語じゃないし。


ちょっと諦めかけている俺を、優しく抱いて揺らしてくれる母親。

側で妹をあやしながら暖かい目で見てくれる父親。


関係無いけど、家族って大事だよね。

そう思いながら心地よく揺れる腕の中で、

リラックスして目を閉じていた。


ふと目をパチっと開けて、抱えられている腕の中、

ちょっと窓の方向を見た。


しんしんと白くて綺麗な雪が降っていた。

たまにはこういうのもわるくないと思う。

自然って最高。





いろいろあった転生一日目だった。



****


あれから5ヶ月ほど経った。

 

出生時より大幅に成長した個所が多々ある。


一つは、ここのところ首が座ってきて、周囲が見渡せるようになった。

そして寝返りができるようになった。

まさかここまで来るのに数月もかかるものなんだなとしみじみと感じる。

双子の妹はというと、行動の範囲は俺と同じくらいになった。

漏らした程度ではピャーピャー泣かなくなった。あと、夜泣きは元からしない方だ。


ただ、好奇心が旺盛になったのはいいものの、

彼女が彼女の視界に入った物ほぼ全てに手を出そうとするのが心配である。

危ないものに触りそうな時はたいていは止めてくれるのが親だったり使用人だったりするけど、誰もいない時は俺が面倒見る。



身体は赤ん坊でも頭脳は社会人だもの。誰もいない時の子供の面倒くらい―――

痛い。妹に蹴られた。



それと、時間が空くとたまに父が遊んでくれるようになった。


大人の事情ってやつなのかもしれないが、一月二月前はちょこっとしか顔を出してくれなかった。

いつもは使用人たちと母がなにかしら遊んでくれたりしている。

決まった時間に遊ぶものが違う。あちら側で育児スケジュールでも立てているのだろうか?

とりあえず俺にとっては言語の学習的な意味で読み聞かせが一番興味深かった。


似たのかよく分からないが、妹の方も読み聞かせが好きらしい。

それを知った父は本を10冊以上買ってきて、毎日俺らに読み聞かせてくれるのだった。

それ以外にも遊んでくれたけどね。高い高ーいとかもしてくれた。

でも大半は読み聞かせだった。


おかげで、この世界の言語が多少は理解できた。

簡単な単語くらいは普通にのみこめる。

書体や文字の形はざっくり言うと英語と日本語が混ざったようなものだった。



まだまだイージーレベルの単語や文章しか理解出来ないけど、折角転生もしたんだし頑張っていこうと思う。




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