6月23日 教室にて 3
席に座ってどれだけの時間が経っただろう。
夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬も過ぎ、春が過ぎ、巡り巡ってまた夏が来る。
ここまで壮大な時間は掛かってはないがそれくらい長い。
大輔は何か知らないが教室の外へ出て行ってしまった。
だから暇だ。
よくこういう時間は本を読めとか予習復習しろとか言われるが、本は持ってきてないし勉強は以ての外だ。
だから暇なのだ。
……。
ガラガラ
前の扉が開いた。
この学校では校則の一つに「生徒は後ろの扉から、教師は前の扉から入る事」という謎の項がある。
だから前の扉が開いたという事は斉藤が来たという事だ。
「お前たちもうすぐチャイム鳴るから座りなさい」
窓際で話してる女子たちや廊下の男子が席に座り始める。
キーンコーンカーンコーン
少しすると電子的な鐘の音が鳴り響く。
別教室や遠い場所にいた人、今まさに遅刻ギリギリで学校に登校してる人たちがドタバタと音を立てて各教室へ急いで向かい始めている。
「よおし全員来たな、元気じゃない奴いるか?」
……。
「そうか、なら伝える事伝えるぞ」
斉藤が何か話し始めた。
どうせ校内や校外で起こった事件や不審者の事だろう。
寧ろそれ以外は伝える事ではなく、雑談として話すからだ。
「昨日の夕方六時ごろ元宿のほうで下校中の女子小学生が見知らぬ男に体を触られたらしい」
「その男は今も尚逃走中との事だ、くれぐれも女子は気を付けるように」
「あと、もう直ぐ一学期の後期試験があるから勉強しておくように」
「以上だ、何かあるか?」
……。
「じゃあ次のチャイム鳴るまで教室から出ず静かにするなら自由にしてていいぞ」
やっと終わった。
今日はそこまで長くはなかったな。
だからと言って自由にしてもいいと言われてもする事はない。
席を立ちあがる事もできない、できる雰囲気じゃない。
……寝よう、短い間だけでも。
俺はそう思い目を閉じたのであった……。
※--作者より--※
こんばんは、作者です。
朝のホームルームの描写ですがよくあるようでそこまで治安のいい場所ではない感じの描写です。
ですが書く事がないので云々。
それでは次回をお楽しみに。
2014/1/31 文章修正