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この世界は美しく  作者: 過去之残骸
第0章 今までの日常
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6月23日 教室にて 2

「ようひなちゃん、元気にしてた?」

「え?は、はい……」

「何そんなつれない顔してんだよ。 もっとパーッとさ、明るくなろうや」

「パーッと……ですか」

「そうだよパーッとだよ。 こうパーッと明るくなって、温かくなって、体が熱くなったら―

「おい大輔そこでやめろ。 ここは学校だ。 二次元の学校でなければ自分の家でもない、ここは公共の場だ」


大輔がかなり危ない発言しようとしたので急いで止めた

流石に女の子にそんな事言うとは思わなかった、普通はそんなセクハラ紛いの事言わねえぞ。


「柏さん本当申し訳ない。 うちの大輔が迷惑をかけて……」と俺は、問題を起こした息子を庇うように謝る親の真似をして話す。


「いえいえそんな事は……」


柏さんは申し訳なさそうな素振りを見せた。


「おい順太。 ひなちゃんに対して失礼だろ!」

「いやいやお前が一番失礼だからな」

「どこがだよ。 俺の言った事のどこに問題があるって言うんだよ!」

「いや大輔、お前自分の言った事よく思い出してみろ。 色々と危ない発言してただろ」

「落ち着け順太。 お前は妄想が過ぎてる。 確かに体が熱くなったら……とは言ったがまだ俺は決して何も言ってない」

ちなみに何を言おうとしたんだよ大輔」

「そりゃあ体が熱くなったら、その分厚い制服を脱いで、下着も脱いで……」


流石大輔である。

女子生徒にすら堂々とそんな事を言おうとする根性だけは認めよう。

まあこういう奴だから社交性がないと言うか何というか……。

とりあえず怒ろう、うん。


「だからそれがダメだっつってるんじゃん。 仮にも相手は女子だぞ。

 男に制服脱げならまだしも、女子に制服脱げは色々な奴を敵に回す行為じゃねえか。

 あと分厚い制服って言ってるけど一応夏服だからな、夏服の通気性舐めてたら痛い目見るぞ」


今は夏である。正確には六月の下旬頃だ。

今年は例年より早く梅雨が明けた。

すると大輔は「いやさ、真面目に答えられても困るからな……」と呆れたような顔でそう言った。

そこに「あの……」と柏さんが話しかけてきた。

「どうした?」

「私……下に体操着着てますから……その……」

「いやそういう問題じゃないんだそういう問題じゃ……」


咄嗟に焦ってそんな事を言ってしまったが、どう答えるのが正しかったのだろうか。

そんな事は分からないし、そこまで頭が働いていない。

とりあえず「なんか俺が悪かった、申し訳ない」と謝る。

何故謝ろうと思ったかは分からない。


「そーだよ順太が全て悪いんだよ」


大輔悪乗りが過ぎてるぞ……。

一発殴りたくなったがここは気持ちを押し殺そう。


「いえ、私が悪いんです……私が……」


柏さんは、何故か自分を責め始めた。


「いやいや柏さんは全く悪くない。 悪いのは俺だ」


とあえて自分を犠牲にするような発言をする。


「間とって俺が悪かったよ」


ここで大輔が流れに乗るかのように「俺が悪かった」と言った。

となれば……。


「どうぞどうぞ」


これだろう。 

いやこれしかない。


「おい順太! それはねえよ……俺は悪くないよな?ひなちゃん……?」


大輔が焦っている。


「……お譲り……します……」


柏さんが乗ったぞ。

さてどうする大輔。


「ひなちゃんまで……俺の自業自得みたいなもんだけどなんで俺が悪いんだよー!!!」

「アハハハハハ」

「クスクス」

「あーひなちゃん笑ったー」

「アハハハハハ」


キーンコーンカーンコーン

遠くから予備のチャイムの音が聞こえた。


「もうそろそろ俺らも席座っとこうぜ、もう直き朝練の奴らも来るだろうし」と大輔が言った。

「ああそうだな、変な奴らに目を付けられると面倒だからな……」と返す。

「それじゃあひなちゃんまたな。 多分そのうち会いに来るから」

「いや一応俺たちとクラス同じだからな。 柏さんより席後ろなだけで会おうと思えばいつでも会えるからな」

と大輔のボケと思われる発言にツッコミを入れるが、「いや、こういう時ってまたいつか会える日までみたいにしたほうがいいじゃんか。 気分的に」と返されると共に俺は項垂うなだれて席に戻るのであった……。




「あいつムカつかなーい?」

「あいつって誰さー?」

「柏だよかしわー」

「あいつ人前ではいい子ぶっちゃってさー、ああいうタイプこそ裏で何してるやら分からないのよね」

「まああいつ昔より暗くなったよねー、やっぱ―

その時タイミングよく強い風が吹いた。

「のお蔭じゃん?」

「そーかなーえへへ」

「そうだよそうだよー」

「これからもじゃんじゃんあいつをなぶって引きこもらせろうよー」

「そだねー」

※--作者より--※

こんばんは、作者です。

今回区切る場所が無かったのでかなり長いです。

それと大輔のキャラが安定してるようで不安定です。


梅雨についてですが本当に6月の終わりとか7月初めに明けると思ってました。

……まあそういう架空の地域だと諦めてください。



それでは次回をお楽しみに。



2014/1/31 文章と句読点を修正 あと括弧内以外を「柏さん」に統一

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