初めてⅢ
「ねえねえ、俺ってさぁ、チャラそうに見える?」
突然しゅんくんがそんなことを聞いてきた。
「チャラそうっていうかモテてるだろうなとは思うよ。みんなに分け隔てなく接してるし優しいじゃんね。」
そう私が応える。
「モテてるかー。俺付き合った子2人だよ。しかもみんな短いの。童貞捨てたのだって18とか19だし。しかもいけなくてさ。めっちゃダサいでしょ?」
笑いながら言うしゅんくん。
え?ほんと?嘘じゃなくて?
女なんかに困ってなさそうだし告白とかめっちゃされてそうなのに?
「そういう嘘いいって。もっとマシな嘘ついてよ。」
そう私が言うとまた笑いながら
「春樹に聞いてみ?あいつ全部知ってるから」
って共通の男友達の名前を言って車が駐車場に止まった。
長い時間走った気がする。
ここどこだろう。
「ついたよ!降りよ!」
そう言って車から降りて歩いて行った。
後ろからついていくと目の前には綺麗な夜景が広がっていた。
ビルも家もなにもかもが小さくて、でもキラキラ輝いてて綺麗だった。
「きれい、、、」
思わず呟くと
「でしょ?俺のお気に入りスポット!って言いたいところだけど友達に聞いたんだよね。気になる子とドライブ行こうと思うんだけどどこ行けばいい?って。そしたらここ教えてくれてさ。綺麗だよな。俺も初めて来た。」
そっか友達に聞いたんだ。
気になる子とドライブ行くために。
ん?気になる子?ドライブ?
「ねえ、気になる子ってさ、」
「ん?あかりちゃんだよ?じゃなきゃわざわざ会おうなんて言わないでしょ?」
そうしゅんくんは笑いながら口に咥えたタバコを吸った。
その瞬間全身がこれでもかっていうくらい赤くなっていくのがわかった。
心臓はバクバク音を立てて、しゅんくんに聞こえるんじゃないかって思った。
待て待て。落ち着け自分。
心臓止まれ。音聞こえちゃう。
心の中で必死に呟いた。
「冗談でしょ?これ私だからいいけど他の子にそんなこと言っちゃダメだよ。本気に捉えられちゃうよ。」
そう言うと
「冗談だと思う?ほら俺の心臓バクバクなんだけど」
そう言って私の手を掴んで自分の心臓に手を当てた。
え、ちょ、手!手!
手握られてる!心臓ほんとにバクバクしてる!
え、待って、どういうこと?
私もパニックで思考停止。
人間って本当にパニックになるんだってこの時初めて知った。
「ね、嘘じゃないでしょ?俺結構ずっと緊張してたよ。初めて会った時からなんか気になっててさ、連絡先知りたかったのに教えてもらえないし必死」
そう言ってまたしゅんくんは笑った。




