冒険97─魔王復活? 魔王、生きとったんかワレェ!?
「どうやら、魔王が復活、もしくは誕生したらしいとの事です。そして、神託によって聖女が選ばれては、近日、そのお披露目と遠征が始まるとの事です」
なんじゃそりゃ? が俺の最初に思った事だった。
魔王? やっぱり居るのか、そういう存在が。確かに魔族と勇者の御伽噺や、悪魔の存在に関しての文献や本を読んではいたが過去の産物だと思っていたぞ。
ただ、俺が疑問に思ったのは神託の部分だ。神はバカンス中のはずだぞ? それにポンコツ駄天使1人に管理を任せる、おざなりっぷり神託なんぞ下せるものか? 俺は疑問に思ってはポンコツ駄天使に顔を向けるが、高速首ブンブンを披露してくれた。知らないと言うことか。
「正直にいうと、胡散臭いな」
「はい、私も外では言えませんが、同意見です。しかし、魔王の部分に関しては信憑性のある証拠を押さえています。「それは?」悪魔の存在です。悪魔が現れていては、当ギルドの冒険者がそれを何とか討伐しては、その存在を持ち帰って来ました。悪魔は魔王が生まれては眷属として、召喚もしくは生み出すものとされています。どのみち生み出す際は魔力を消費されますので、この聖都マリアージュの近辺の魔力濃度の確認を行った所、近年明らかに減って来ているのが分かりました。ただ、問題があるとしたら、その悪魔の存在の証明の為の検分は教会側も参加することが必須の条件とされてしまい、共に検分し、証明、そして内外に報せる旨になりました。その後に聖女の話です。私としても都合が良すぎると思っています。そして、お披露目の後の遠征には聖女も付いていくという事です。最前線にですよ? まだ、年端も若い娘だと聞いています。何故、そんなことを……」
「とりあえず、事情は薄っすらとは分かった。だが、疑問なのは、何故、教会側も検分に参加出来るようになった? 冒険者ギルドも一定の権力、力は持っているだろう?」
「聖王からの王命です」
「聖王? 聖都の王か。愚王だったりはしないよな?」
「旦那様、聖都の政治体制は変わっています。一応、表立っては聖王が上に置いていますが、その内情は本当の権力者で上に立っていますのは教皇だと言われています。聖王、ひいては王族はその傀儡に過ぎませんと言うのは良く聞く話です」
「えぇ、王女様の言う通りです。そんな事情も有り、冒険者ギルド側も断れなかったのです」
「なら、ある程度は仕組まれていた現状なのかもな」
「はい。今、聖都マリアージュはそんな状況なので、きな臭い感じになっています。なので、ご滞在時は気をつけて。一応、希望通りに、この王都のオススメの宿等は今から取りまとめますので少々、お待ち下さい。オススメの宿はお風呂付きなので、満足頂けると思いますよ?」
いや、ドヤ顔で言われても困る。いや、本当に困るのだ。
湯屋だったら、強制的に男女に別れるから良いのだ。
だが、浴室が付いてるとならば別だ。エドの際に混浴に味を占めた肉食獣ヨロシクの乙女がここに居るのだ。それに今は耳長も増えつつある。けれども、ここで浴室は無い方でと言う事の大きな地雷を俺は踏み抜くというヘマはしない。ただ、コレからあるであろう試練へ向けて、俺は鋼の魂を作ることへ精を出すのだった。




