冒険96─ウェストールの現状確認
「お口に合えば良いですが、丁度良い茶葉が入ったのですよ。ミルクは入りますか? 砂糖は? どうです? ははは」
「そんなに気を遣わなくてもいいぞ? 俺は気にしない」
「ええ、ですが一応、冒険者ギルドとしてはアナタの立ち位置は重要なものになって来ていますから」
「それは抱き込もうという事か?」
「い、いえ! 別にそんな事では!」
「まぁ、いいか。別に他が良いとかもない。今は冒険者ギルドの恩恵を受けてるしな」
「聡明なようで」
「そういう、ギルドマスターも中々食えない性格をしてるようで」
「「ははは」」と、俺達は不敵に笑ってからは腹を割って話そうかと切り出して、やっと会話らしい会話を始めるのだった。
「まずは知りたいであろう、ウェストール国の内情の話になります。状況はまた変わりつつあるようで、貧困層の方では、それらを取り締まっては犯罪組織が平民側と冒険者ギルドが共同で撲滅した事で瓦解、それを隠れ蓑で貧困層を煽っては酷使していた貴族派の存在も明るみになった事で、貧民層も平民側に迎合しては現在は貴族派と争っているようです」
「それはもう、ほぼ決着がついたのでは?」
「私共もそう思っていましたが、なかなかコレが上手く行かなく、食料の備蓄も大量に保有していたのと、兵器用の魔道具も同じく保有していたのと、何よりも王権の宝物庫も開放しては各地の争いに使用しており、泥沼化しているのが現状です。どちらかの食糧が干上がるかが分かれ目かも知れません」
「平和交渉は? 平和交渉はされていないのでしょうか?」
「王女様、それは難しい話で御座います。貴族派はその権力と地位を確立させる為に連日、平民、貧民関わらず、捕虜も含めて処刑行為を公開しては行っております。既に平和交渉等という問題は瓦解しており、決定的に溝が生まれている状況です」
「それはもう、無理だな。それに貴族派もそれぞれ思惑が違うのも居ると思うが、今の貴族派の主流の思想は貴族は人で、それ以外は家畜だ。その認識が深い限りは既に平和交渉は無理だろうな」
「えぇ、その考えで正しいと思います」
「それで、話は変わって聖都マリアージュはどうなんだ? パッと見ては平和そのものに見えたが?」
「正直な話を言うときな臭い動きがあります」
「はぁ……また、そのパターンか」
なんだ? 俺の行く場所行く場所に何があるんだ?
チラッと駄天使を見ると、コイツはまた私の運は関係無いとブンブンと首を振るが、確かにコイツは最近「私の天使としての運の良さは凄いのよ!」的な発言は聞いていない気がするな。流石に自身も置かれた状況には何か思う事があるようにやっとなったのだろう。地味な駄天使の成長に感動しつつも、俺はギルドマスターが言葉を続けるのに口を開くのを譲るのも含めて目線をギルドマスターに送るのだった。




