冒険93─羽休め。そして、次の冒険先。
「そうか、精霊王様はダンジョンに──」
俺達は早速、エルフ国に戻っては早々に王座の間に案内されては女王に今回の経緯を報告していた。かと言って、全てを報告する事は出来なかったのだが、それをするには俺達の正体を話す事になるからだ。多少はボカしてしまったが、女王は耳長のハイエルフへの進化を目にしてはより一層、俺達の説明を信じたのだった。
「して、褒美を取らせたいが。我が差し出せるものは少ない。国の方も今は新たな分岐点で忙しない。そぅうだの。そうなると、だ」
チラッとそう言いながら、流し目で女王は耳長を見やる。嘘だろ?
「どうじゃろ? 耳長を救世主殿に託すのは?」
「いや、俺は別に───「私、いらないの?」いや「キミと一緒に私は居たい、な」はぁ、分かった」
「やった!」
「良かったな、耳長よ。だが、忘れないように。コレはハイエルフに進化したお主の修行の旅でもある。世界をその目で見て、エルフの今後にとって必要な事や見直すべき事。そして、世界へと旅立っているエルフの様子を見てきておくれ。任せてよいな?」
「はい! この目でしっかりと見てきます!」
そう言いながらも、耳長は俺の腕に抱き着いては嬉しそうに宣言するのだった。
そこからの展開は怒涛のように早かった。
俺達は引き続き、王城へと客間が宛てられは寝泊まりが出来たので、エルフ国の変化が良く見えた。
新たな冒険者ギルドが作られたり、ドワーフや人も国の中に増え始めた。
最初はお互いに距離感を計ってはよそよそしい雰囲気が見えたが、いつからか夜は果実酒や蜂蜜酒をお互いに飲み交わしては話に華を咲かせていた。今や、お互いにパーティーを組んではダンジョンへ攻略を行く姿さえ見える。
俺達が暫くの間、滞在している間に女王も最速最短でダンジョンを攻略したらしい。帰ってきた女王はホクホク顔で嬉しそうに帰って来ていた。アレは精霊王に会えては積年の積もった話を出来たのだろう。精霊王の話を聞くスキルは凄いに尽きるからな。なんと言っても1192年もあのダンジョンコアの話に付き合っていた猛者なのだから。精霊王が今回の本当の立役者だろう。精霊王が居なかったら、ダンジョンコアは自滅していては周囲を大いに巻き込んでは崩壊していたに違いないのだから。ダンジョンに関してもレベルと言えば良いのだろうか。攻略者に対しての難易度設定を色々と見ているようで、女王がそこら辺は話を付けたのだろう。最初の頃は接待難易度だったが、今はそれなりに訓練環境としても良い具合になっているらしい。近く、女王とドルネルの王も会談しては正式な国交の樹立と、共同のダンジョン管理権を宣言するらしい。平穏ばかりと言われていた、かのドルネルも今回の風は寝耳に水だったろう。大いに良い意味で国は忙しくなるのは目に見えているのか、民も大いに歓喜しているとの事だった。ただ、良い話だけではない。そんな恩恵にあやかろうと、他国の諜報員が持ち帰った情報で悪しき者も見受けられると話が出ていたので、そこら辺の排除や政治的な措置も急務らしい──が、俺にはそんなに関係が無いだろう。助言を求められたら、前世の曖昧な知識や見解も含めては話したりはしたが、俺は冒険者だ。そろそろ、落ち着いてきた頃だろうと判断しては皆に聖都マリアージュへの冒険の話を先日切り出しては、数日準備をしてから、エルフ国から旅立つのを決めたのだった。




