冒険91─背に腹は代えられない
「で、要約すると?」
「私がココを最初に見つけては私しかココを知るものが居なかった。だが、最初会った頃はダンジョンコアは既に精神分裂を起こしてはその影響もあり、ダンジョンとしての機能も危ぶまれる所まで来ていたのだ」
「その時点で魔力溜まりとなっては周囲に悪影響が出ないように結界を張っては今に至るのか」
「左様。そして、会話を始めて、まずはダンジョンコアの精神を分ける事から始めたのだ。その結果、今の形に収まっている」
「そちらの小さいコアと、本来のコアか」
「小さいコアを生み出すのも苦肉の策だったのだ」
「私がダンジョンとしての機能が果たせなくなっており。その溜まった魔力を精霊王が結界を張るためにも一時的に影響を弱める必要が有りました。その際に私は周囲の魔力を持って、自身を分けるように機能を何とか駆使しました。その結果が今です」
「なるほど、だが結界はもう持たないのだろう? 何故、ダンジョンの機能も復活していない?」
「結界に関しては私の結界というよりは長く晒された魔力というのは馴染むものだ。結界に馴染んでは外に漏れ出ているが正しい」
「ダンジョンの機能に関しては致命的なエラーが発生しております。ですが、私自身が私を知らなく、対処が難しいのです」
「なるほど、分かった。少し待て、考える」
「「分かった(分かりました)」」
精霊王とダンジョンコアの話をやっと理解した俺は振り返っては皆に近づく。
「1つ言っておきたい。そして、約束して貰いたい。言いたい事は裏切りは無しだ。約束して貰いたい事はここで見たことや知った事は他言無用だ。話した時点で裏切り行為とみなす。誓えるか?」
俺の問い掛けに皆が同意を示す。
少し振り返って精霊王とダンジョンコアにも同様に誓いを同意して貰い。
「よし、なら隠し事は一旦無しだ」
「駄天使、天使としてダンジョンコアのメンテナンスは出来るか? 出来るよな? 唯一の天使だったんだものな? 拒否権は無いぞ?」
「で、出来るわよ! で、でも、久しぶりだから……」
「違うだろ、嘘はつくな。お前がサボっていた影響だろ。この世界には碌に手も入れてないだろ?」
「だ、だって数が多すぎたんだもん! 仕方ないじゃない!」
「とりあえず、出来るんだな? なら、やれ。必要な魔力や事があれば俺も手伝う」
「言ったわね?! やれば、良いんでしょ! やれば!」
そう言いながら、駄天使は隠していた天使の翼を展開させてはダンジョンコアへと近付き、巨大な魔法陣が足下に展開されては作業へ移っていた。
「後は俺だな。お前らは転移者というのは知ってるな? この世界にも散見されてるし、それに因んだ本も俺は見てるからな」
「お主、それは伝説みたいなものだぞ?」
「そうだな。儂もそれなりに生きているが聞いたことがあるのも本の中だ。実際には文献上の存在でしか無い」
「……旦那様がそれと?」
「まぁ、彼らと同等かは分からないけれどもな」
なんせ、俺は加護やスキルが山盛りだからな。
「精霊王、手を貸してくれ。ダンジョン周辺じゃない。この影響下は大森林にも及ぶかも知れない。現状のこの魔力と精霊力を使って、大森林全体に浄化の結界を再構築するぞ。俺はこの大森林に詳しくはない。構築範囲や希望を俺の魔法構築に組み込んでくれ、発動と媒体は俺自身がなる」
「──お前は人間なのか? 「人間だ」そうか、神の寵愛を一手に受けてるのだな。分かった、手を貸そう」
そして、俺と精霊王の足下にも巨大な魔法陣が出現しては俺は魔法の構築と発動に意識を割いていくのだった。




