冒険90─壊れてるんじゃない。拗れてるんだ。
「って、まぁ予想は付くがな。お前は精霊王か?」
「いかにも」
「それで、ダンジョンコア? 生きてるのか?」
「意識が有り、意志が有るのだとしたら生きていると仮定します。しかし、それは生きていると言えるのでしょうか? 私は私の存在を疑問に思い、それをアナタに再び問い返したいと思います。アナタは生きていますか?」
「あー、これは……」
面倒な奴だ。速攻に分かった。ウェストールのダンジョンコアはなんというか、無機質だったが、コレは違う。一瞬の回答で腑に落ちたというか、納得したと言うか、壊れてるか? だって、拗れてるがが正しいわ!
「おい、精霊王? お前はコレとずっと会話しているのか?」
「あぁ、しているぞ。楽しいぞ、なぁ?」
「はい、もう既にアナタと出会い、会話を始めて1192年11月と7日01:47分を経っています」
いいくに、いいな、おいしいな?
なんと言う語呂合わせ!?
いや、待て「そんなに長く一緒にというか、結界を張っているのか?」と問い返すと「人を含めて生物の時間の流れは分からぬが、私からしたら瞬き程度なものよ」「ええ、同意したいと思いますが、私は違います。生まれて久しく孤独という言葉を知らずに誰も来ることが無く私は私と会話を始めてはアナタと出会うまで幾千の時間を無為に過ごして居ましたが、アナタと出会ってはこの一時でさえ、瞬きなんてものではなく、私には瞳がありませんが、演算処理がエラーを起こすくらいには感情というものがあるのなら、波が起きては揺れ動いていると思います」と、おい、長いな!? コイツの会話は、これ長年放置していた奴のせいなんじゃないか? チラッと駄天使を見ると、俺が何を言いたいのか察しが良かったコイツはブンブンと大きく早く首を振っては否定のポーズを取って来やがった。
「とりあえず、すまない。会話をさせてくれ」
「はい。望むところです。私はそれを切望していると思っています。それは精霊王と会話を始めていた時からの新たな願いが生まれた所から起因しております。他の存在とも邂逅した際には私は──「よいよい、ダンジョンコアよ。人というのは言葉をキャッチボールするという言葉が確かあったはずだ。それが大切なのだ」キャッチボール? それは一体。どんなものなのですか、私は気になります。私の考えですと、いえ、私のデータベースに該当の知識があるか、まずは──「キャッチボールとは例えだ。必要なのは相手と同じくらいの言葉の数量を同じように返しては、お互いにやり取りするのがコツなんだ」なるほど。ならば私はキャッチボールが出来ていないと言うことなのですね。わかりました。気をつけます」
「すまないね、長くなった。で、会話をしたいのか?」
「あ、あぁ……頼む」
後ろを見やると全員が私たちは参加したくないとアピールしてくるので、俺はため息を再度吐いては精霊王とダンジョンコアと、小さいダンジョンコアは反応は無いが、向かい合うのだった。




