冒険89─君達はいったい誰?
「うっ、近寄れない──」
「駄天使、加護を強く出来るか?」
「や、やってみるわ!」
精霊の力も感知できる耳長の方が影響が強かったのだろうか。しかし、耳長に続けて、王女ちゃん、汚れドワーフ、そして、多少は龍神の加護を受けている物騒僧侶でさえも苦しそうになっては駄天使も慌てては加護の結界を強くしていく。
「あ、ありがとう。多少は楽になったわ」
「歩けそうか、耳長?」
「う、うん」
「肩を貸そう。苦しかったら教えてくれ」
「ありがとう。でも、キミの近くに居るとキミの加護の力なのかな? 空気が柔らかくなった気がするよ」
本当にそうなのだろう。俺が肩を貸しては歩き出してから、耳長の顔は苦しそうな表情から柔らかくなっていた。
「あっ、本当です。旦那様の近くに寄れば空気が柔らかい気がします」
「ほう、なら儂も便乗するかの」
「ふむ。ならば拙僧も」
「皆、ズルいわよ!」
「お前ら、苦しいだろう」
流石に離れろとは状況が状況だから、俺は言えずに諦めた表情を形作っては階段を下りてはダンジョンコア部屋へと着いた。
「コレは……」
俺の言葉だけがイヤに響いた。
周りはまだ驚いては反応に困っている様子だ。
ダンジョンコアが目の前には2つあり、1つは大きく、もう片方は生まれたて? と表現してもおかしくは無いが、小さいコアがダンジョンコアの安置場所に転がっていては、それらをピクシーみたいな存在が結界を張ってはこの淀んだ魔力と精霊の力が混じり合ったようなモノから護っていたのだった。
「──」
「ん?」
「き──こえ──て、い──るか」
「誰の声だ? いや、まさかお前か?」
安置場所に近付いては結界に触れるとスカッと手が結界を透過しては俺にくっついていた仲間も含めて、一緒に効果範囲に入っていたのか、一緒くたに結界内に転がり込んでしまう。
「ッいてて──ん、なんだ、この壁のような…柔らかい?」
「んっ──キミ、それ以上言ったら、精霊のオイタじゃなくて、私がオイタするよ?」
「は? 「んっ、だから!」イテッ!」
バコンと頭を叩かれては、重みが無くなっては頭を落として周囲を見やると、胸を抱えた耳長が居た。
そして、周囲には「流石に酷いと思うわ!」と言う駄天使と俺に対しても少しだけ、瞳のハイライトが消えた王女ちゃんに「主よ、すまぬ。拙僧らが重なってしまった為に」と少しバツが悪そうに言う物騒僧侶と、視線を逸らす汚れドワーフが居た。
「はぁ──いや、うん。それでお前は誰なんだ? そして、ダンジョンコア? お前はソコに居るのか?」
いや、何を言ってもダメだろうと判断した俺はかの有名な沈黙は金なりを思い出しては沈黙を貫く決断をした。そして、誤魔化す訳では無いが、当然の疑問の目の前のピクシー的な存在と転がっているダンジョンコア達に向かって声を掛けるのだった。




