冒険88─ぱ、パペットドラゴンだぁ!!
「こりゃぁ……儂は初めてドラゴンを見たがコレがドラゴンなのか?」
「いや、汚れドワーフよドラゴンとはもっと凄いのだ。龍神様を拙僧は知っているが、もっとドラゴンとは神々しいものなのだ」
「ドラゴン? ねぇ、キミ。アレがドラゴンなの?」
「お前ら、もう少し緊張感を持て」
駆け下りては駆け進み、そして最下層だと思われる広大な空間に出てはソイツが居た。
「天使様はアレが何か分かりますか?」
「ふふん! 言うならば、アレはパペットドラゴンね!」
言い得て妙だろう。ずんぐりむっくりで無機質な感じは確かにパペットドラゴンだろう。姿がドラゴンを模しているだけという感じに見えるがパカッとその口を開いては──「お前ら! 散開しろ!!」濃厚な魔力を一気に収縮させては、こちらへと魔力のブレスを吐き出して来るのだった。
「ちょっと、アレ異常じゃない?!」
「駄天使! 結界で防げないか?!」
「一発、2発なら! 爪の魔力斬撃の攻撃は多少なら防げると思うわ!」
「なら、駄天使! お前は王女ちゃんと組んで、奴の足下を攻撃してくれ!」
「「了解! (わかりました!)」」
「キミ! 私はどうしたら良い?」
「耳長は奴の目と口を狙ってくれ、奴が嫌がる事を優先して、その弓で射抜いてくれ!」
「うん! 任されました!」
「拙僧らはどうする?」
「物騒僧侶は奴の爪の斬撃を弾きつつ、汚れドワーフは奴の巨体をそのハンマーで揺らしてくれ!」
「「了解した! (おうよ!)」」
一気にそれぞれが散開しては再び、パペットドラゴンを攻め立てる。俺は奴の意識が逸れた瞬間に視界から外れるように隠蔽魔法を強く意識しては完全に意識の外へと抜けていく。
そして、攻め立てて行く中でドラゴンパペットが攻撃へのストレスが最高潮に達したの、魔力ブレスで全てを薙ぎ払おうと長い溜めを首を上げて始めた瞬間に俺は一気にその首元に駆けては剣を一閃。全ての力を込めた渾身の一振りは見事にパペットドラゴンの首を飛ばしては、その巨体はズドンと横たわったのだった。
「流石、主だ」
「お主はやはり凄いな!」
「急に現れたから、弓を射っちゃいそうでヒヤヒヤしたよ」
「コレって食べれるのかしら?」
「天使様……」
ポンコツ駄天使、そうじゃない。王女ちゃんの瞳のハイライトが遂に消え去って…いや、まだドット単位の光が見える気がする。けれども、風前の灯火だ。俺はそっと、今後のハイライト事情には目を背けては、パペットドラゴンの首と、その巨大な身体をアイテムボックスへと仕舞い込む。
「お主、それはアイテムボックスなのか?」
「うぉ?! なんじゃそれは?!」
「消えたよ?! キミなの?! どうなっているの?!」
「秘密にしてくれ。そして、今は聞かないでくれ。それどころじゃないだろ? 先を急ぐぞ」
「えー?!」って、耳長が残念そうな声を出すが、キミの国の問題が目の前に転がってるだろうに。緊張感を持てとは言わないが、目で改めて、急ぐぞと伝えると、渋々と頷いては着いてくるのだった。
物騒僧侶と汚れドワーフ? 彼らはボソッと「いつか、男達の晩酌会で聞かせて貰うぞ」と言ってきていた。あの腹を割って話した呑み以降、彼らはあの呑みがとても心地良くハマったようだった。俺はのらりくらりと躱しているが、いつかは逃げられないのだろうなと予感したのだった。
王女ちゃんとポンコツ駄天使? 彼女らは既にある程度は、ポンコツ駄天使に限っては全容を知ってるから今更だ。
ゴゴゴゴ──とダンジョンボスを討伐したのを確認してか、ダンジョンコアへと進む道が現れていたので、俺達は装備や体調の損耗率を確認しては目的のダンジョンコア室へと遂に辿り着くのだった。




