冒険82─一難去ってはまた一難。
「ふむ……? うーむ? うーん? いよ、うん?」
「どうしました、女王?」
「いや、確かに精霊が目の前の男にビッシリ纏わりついてるのは分かるのだが、分かるのだが、何と言えば良いか、我もその男に親愛と申すか、こう、いや、なんだ、これは?」
こう、手をワキワキとさせては目の前の女王は少し怪しい挙動を見せつつ、その王座から立ち上がっては俺の所へと降りてやってくる。
「あの、女王様?」
「確かめるだけ、確かめるだけなのだ。そうだ、そうに違いない」
いや、コチラの声は聞こえてないのか?! そのまま近寄って来てはピトッと俺に抱き着いては「ほぅ……」と言葉を漏らしては、妙にしっくり来たようにそのままの姿勢になってしまった。
「じょ、女王様?! な、何を! お、おい、キミ! キミ! 女王様を離せ!」
「いや、無理だろ?! 耳長、お前が剥がせ」
「そんな、恐れ多いこと私が出来るわけ無いじゃない!」
「ちょっと、ちょっと、この超絶美少女天使様の許可なく、この人にお触りは禁止です!」
お前、その超絶美少女天使様設定、まだ生きてたんだな。そう思いつつも、グッジョブと言わざるを得ないべきか、コイツが出て来ては女王を引き剥がしてくれるのだった。
「すまなかった、いや、でも……」
「女王様、ストップ! ストップです! 何かおかしいですよ?!」
「キミ、何か変なフェロモン? って、言うんだっけ! なんか変な何か、そんなエッチな匂い出してるんでしょ!」
「え、エッチな匂いってなんだ?! 耳長、お前何言ってるんだ!?」
耳を真っ赤に染めながらも耳長は確信を得たといった風に言ってくるが、そんな特徴は俺には無い! のだろうか? いや、待て加護かスキルか?!
ふと、思い至っては沢山羅列されている自分のステータスを上から見てくとソレっぽいのが何個も目に付く。
「いや、否定は出来ないかも知れん」
「や、やっぱり! え、エッチな匂い出してるんだ……」
「いや、そんな顔を真っ赤にして言うな! そうじゃないが、そうじゃないんだ。いや、何と言えば、加護みたいなものが俺には有るかも知れないんだ」
いや、有るんだが、今ここで話すことでもない。
とりあえず、耳長の押さえを振り切っては再び、マタタビの如く、猫のようになった女王に抱き着かれつつ、俺はそんな言葉を零したのだが、これからどうすれば? と、俺は先行きの不透明さと早速、何かに巻き込まれたのでは? との予感でため息を吐くのだった。




