冒険81─エルフは樹の上で暮らしてる訳じゃなかった。
「ねー? ねー? 聞いてるー?」
「お前、初対面で言っていいか分からないが、しつこいとか面倒くさいとか言われないか?」
「えー? そんな事無いと思うけどなー!」
コレは面倒くさい奴だ。俺は一種の確信が持てていた。同じような匂いを直ぐ近くで嗅いでいるからだ。
「な、ナニよ?!」と、俺の目線を受けてたじろぐ駄天使だ。コイツも同族の匂いを感じ取ったのか、いち早く離れては王女ちゃんと後ろを歩いて来てやがる。
そう、先頭はこのピコピコと耳がやはり特徴の「なぁ、耳長」と呼べば「え? それは私のこと言ってる?!」っと、何とも言えない顔でコチラを見返して来るのだった。
「それで俺達はどこに案内されてるんだ?」
「国が大変なのよ! 急に精霊が飛んで行っちゃったんだもの! 原因を探るように私に白羽の矢が立ったわけ! 私ってこう見えて凄いんだよ!」
へへん! と胸を張るが、似なくても良い箇所までポンコツ駄天使に似てしまっているようだ。
「な、何よ! ジロジロ見るなら、精霊からオイタがあるんだよ?!」
「いや、お前の胸にそこまでの魅力は──」
「な、なんだとー!」
「ちょっと! 聞き捨てならないわね!」
急にポンコツ駄天使も飛び入り参加してきては俺にギャースカプースカと文句の声が飛んでくるのだった。
「じゃーん! ここがエルフの国です!」
「ほぉ、てっきり樹の上にでも住居があると思ったぞ」
「へ? ナニソレ? キミって面白い事いうね!」
ケラケラとお上品とは言えないが、でも魅力のある笑い方をしては耳長は手を遠くの城へと伸ばす。
「女王様がお待ちだよ。ゴメンね! 事情を説明して貰いたいんだ。今もキミに精霊がビッシリ付いちゃってるんだから。ほら、周りを見てみなよ。皆、気になってキミのことを見てるからさ!」
そう、耳長に言われて周りを見回してみれば確かにチラチラとエルフ達がコチラを見てきてはヒソヒソと話しているのだった。
「女王様、件の精霊に関しまして、関係者だと思われる方々をお連れいたしました」
「うむ。よくぞ無事に帰還した。そして、原因と思われる方々もお連れした。ゆっくり休むが良い」
「いえ! その、私も気になりますので、この場に居ても良いでしょうか!」
「ふむ。んー? ほう、お前、そこの男に興味があるのか? 「え、いや、わ、私は……!」まぁ、良い。構わぬ、この場に居るのを許そう」
「あ、ありがとう御座います!」
「面を上げても良いぞ」と言われては登城の際に膝をついては顔を下げていたが、許可が出たので、改めて女王を見やる。
高貴な雰囲気が漂っているが、ソレだけではない。
少し気になって、目を凝らしたらスキルが発現したようで、種族にハイエルフと表記されていた。
なるほど、エルフを治める者はハイエルフなのかも知れないな。
少しだけ、セオリーな感じがして1人嬉しいような気持ちがした俺がそこに居たのだった。




