冒険79─再び旅へ。新たな仲間を添えて。
「ん……朝か」
なんか暑苦しいな? なんだ? と思って両隣を見てみれば、野郎の顔が2つだ。
ギョッとして、一気に目が覚めたが思い出した。昨夜はあのまま流れで深くまで呑みに興じてしまい、駄天使は王女ちゃんにドナドナされて、俺は2人を持ち帰っては適当に放り投げて、その時点で力尽きたんだった。
「本当に苦労をかける奴等だな……」
ボヤきつつも、駄天使達の事も気になったので、部屋を覗いたら、あられもない姿だったので、こちらでもギョッとしてしまっては慌てて退散してしまったのだった。
「酒は程々にしような?」
そう、言ってみたが、これ程までに説得力の無い言葉を俺は吐いたことあったのだろうか。
現実味が無いのは皆も分かっているからなのか、どこか遠い目で賛同してれるのだった。まぁ、そういう俺も遠目をしていたのだから、本当にどうしようもない。
「よし、これで汚れドワーフの分のギルド登録、パーティーの追加も完了だ」
「儂が冒険者か」
「どうした? 変な事か?」
「いや、鍛冶ばかり考えては打ち込んでいたから不思議な感じがするだけじゃ」
「別に悪い事ばかりでは無いさ。鍛冶に関してもだ。色々とこれからのやり方も考えてみればいいさ。今のお前は自由であり、探求者でもあるんだからな」
「そうじゃな」
しみじみと汚れドワーフが頷いていると「そう言えば、次の冒険先が決まったそうだが、いつ出るんだ?」とギルドマスターが聞いてきたので、まずは大森林を目指す旨と出発は近日、もう少しこのドルネルの雰囲気を味わったら向かう旨を伝えた。
ドルネルの住民もやっと、まともと言う訳ではないが過ごし始めていた。俺達自身も湯屋に気兼ね無く行けるようになったのが、その証左だと思う。
そして、それぞれ各々がドルネルを堪能したら俺達は遂に大森林を抜けてはその先の聖都マリアージュへ向けて旅に出ることにしたのだった。
「汚れドワーフよ、しっかりな」
「父上、分かりました」
「あらあら、ちゃんと身体には健康には気をつけるのよ」
「母上も同じく気をつけて」
向こうではお忍びで来た王と王妃に汚れドワーフが旅立ちの言葉のやり取りをしてる中でギルドマスターが近付いて来る。
「必要かは分からないが、念の為だ。これを渡しておく」
「これは?」
「ドルネルギルドマスターの紹介状だ。何かあれば、少しは助けになればと思ってな。大森林に行くのだろう? 冒険者ギルドでさえもエルフの国というのには関与していなくてな。聖都では幾らかは効果はあると思うが、まぁ、気をつけてな」
「分かった、ありがとう。頂いておく」
そっとギルドマスターから紹介状を貰ってはアイテムボックスに俺はしまい込んでおく。
「ちょっとー! 何してるのよー! 早くしないと暗くなっちゃうでしょー! その前に早く休む場所も決めてご飯食べないとでしょ!」
「天使様……」
ほら、待ちきれず駄天使が声を上げているが、それを見る王女ちゃんの目のハイライトが……いや、まだギリギリ生き残っている。
「どうしたのだ、主よ?」
「いや、何でもない。あの希望の灯火がいつまであるのか気になっただけだ」
「はて?」
「おーい、汚れドワーフ! 俺達もそろそろ向かうぞ!」
「あぁ、分かった」
そして、俺達はまずは大森林へと向けて冒険を再び始めるのだった。




