冒険65─新しい仲間だよ! ヤッタネ!
「ありがとう、人よ」
「借りにも神様だからな。助けるさ」
「おぉ──龍神様! 龍神様!」
「あぁ…私のシーサンペントが消えちゃった」
「天使様…」
おい、シーサンペントじゃなく、目の前の龍神さんを見ろ。どうせ食べたかっただけなのだろうが、見ろ! ギリギリまだ信仰心で目のハイライトがギリギリ、本当にギリギリ残っている王女ちゃんの目を。そして、物騒僧侶はずっと龍神様の前で祈りを一心に捧げていやがる。
「我を苦しめたのも人で、だが救っては癒したのも人か。コレでは我はどうすれば良いものか」
「どうも何も無いだろ? もう、お節介の必要は無いって事なんじゃないか? 俺の知る限りの人は今は魔物にも抵抗は出来て来ているし、少なからず逞しく生きてると思うぞ?」
「なるほど──うむ。決めたぞ、物騒僧侶よ!」
「ぶっ?! いや、拙僧は物騒僧侶では…いや!? は、はい!」
「物騒僧侶よ我の加護を授けよう。神と言われてるが正しくは私も長く生きた魔物の一柱だ。加護くらいは授けられる。そして、ソレを持ってお主を通して外の世界を見て知ろうではないか。その間、私も世界を巡っては羽休めと行こうぞ」
「せ、拙僧に加護ですぞ?!」
「そうだ、物騒僧侶よ。お主は我を救った者と一緒に旅をし、世界を見聞し、人という存在の今を我に教えよ。何、お主のプライバシーは侵害はせん! お主の思念が少しは我に流れてくるようなものだ」
「お、おい。コイツと旅か? それには俺の同意は必要なんじゃないか?」
「何を言っておる! そなたはコイツを気に入っておろう。何、信心深い所があって、我の加護で更に強くもなっておる。そなたの助けになろう。我からの感謝の印と思ってくれ──むむっ、それに記憶を見るに物騒僧侶はクエスト? なるものの報酬にそなたの下で一緒になることを誓っているではないか! 良かったの物騒僧侶よ!」
「なっ?!」
「……主よ「主?!」そうだ、主だ。これから私は2つの存在を信仰する。龍神様とそして…「おい、辞めろ」主だ」
「諦めなさい、無理よ無理。着いてく気、満々よソイツ」
「旦那様、諦めも肝心と言う言葉がこのエド国では古の言葉としてもあるみたいです」
「はぁ…勘弁してくれ、分かった。分かったよ、なら、とりあえずはよろしくの握手だ」
「あぁ! 主よ! これからきっと役に立って見せよう!」
【チャンチャララーン! 物騒僧侶が仲間になった!】そんなアナウンスが流れそうな感じで一瞬、視界が遠くなった気がしたが。その後に仲良くポンコツ駄天使と、王女ちゃんとも握手を交わす物騒僧侶を見てはこれはこれでアリなのかと思うことにした。
「あぁ、そうだ。旅立つ前にお願いしたい事がある」
「む? なんだ?」
「人の世界っていうのは面倒なものなんだ。ここの宗主って言えば分かるか?」
「あぁ、我が苦しめられるて時に来ていた存在か」
「ソイツにテレパシー…じゃ、分からないか。思念を送ることは出来るか?」
「我の写し身を宿しているのならば容易いこと」
「なら、ソイツにお前からも事情を説明してはくれないか? 俺からも話すが、その方がスムーズだからな」
「ふっ、助けて貰った礼だ。そのくらい容易い事だ。分かった、約束しよう。では、私はここでサヨウナラだ。また会う機会があれば、その時は語り合おうではないか!」
そんな言葉を最後に龍神は一気に飛翔しては空の彼方へと飛び立って行ったのだった。




