冒険61─グエー。思考が操られていたンゴ。
正直、シーサンペントの渡しの時に1回冒険者ギルドに集まっては邂逅出来ていたのが功を成したと言えた。
ギルドマスターへの掛け合いは容易に済んでは事情を話せたのと、それを重く受け止めてはギルドマスターは用立てを迅速にしてくれたのと、宗主の方側も何か追加の情報が有るとの話で上層部の方でも時間の確保が取れたとの事で物騒僧侶と随伴で会合する事が可能になった。
「で、話とはなんじゃ? 海賊達の話では無く、シーサンペントの話の方じゃろ?」
「いえ、その前に宗主さん、少しだけ手のひらを拝借するぞ」
「ふむ?」
そんな首を傾げられつつもその手を取っては魔力を這わせつつ、鑑定と看破のスキルを併用しつつ、詳細を見ていくが──いや、看破に反応があった。
「物騒僧侶、黒だ」
「なんだと?!」
「お主たち、急にどうしたのじゃ?」
「あぁ、少しだけ。あの時会った時に身体の違和感を感じてな。何かの病気だと思い、改めて診させて貰ったんだ」
「なるほどの。それで黒というのは何か病気なのかの?」
「あぁ、結構深い所まで進行しているようだな。このまま手のひらから俺の魔力を通して、治癒していく。だから、少しだけ静かにしていてくれないか?」
「分かった」
物騒僧侶のジロリとした視線を受けつつも、宗主さんの許可の声を聞いては俺は手のひらを通しつつ、浄化の魔法を隅々まで発現させていく。
パリッピキッと宗主さんの思考に施されていたモヤを払いつつ、丁寧に治癒の魔法を掛けては脳へのダメージを最小限に留めていく。
「よし、終わった。どうだ?」
「うぅーむ……私は…いや、いや、待て…」
「大丈夫ですか、宗主? おい、お主。宗主様は大丈夫なんだろうな?」
「あぁ、ちゃんと闇魔法のブレインは解除している。ただ、思考の霞を取り除いた分、明瞭になった記憶と実際の今までの齟齬の整理をしているのだと思う」
「むむ……宗主──」
「すまぬ、少しだけ休ませてくれ。座らせて貰えたら助かる」
ガタッと物騒僧侶は即座に動いては椅子を持ってきては宗主を座らせている。
「あっ、俺のお気に入り…」とかギルドマスターの声が聞こえて来たが知らん。
よくよく思えばブレインフォグって魔法の表現の方が正しいだろうか? と俺も思考が脇道に逸れてしまったが、気を遣ったギルドマスターが皆の分のお茶を用意しては一息つくまでの間に宗主さんの思考の整理も何とか折り合いは付いたようだった。
「術の解除、感謝痛み入る。だが、何と言えばいい──こんな恐ろしい……」
「何となく、事情は見えて来ている。いや、ここに居る物騒僧侶含めての人数だけだがな」
宗主、ギルドマスター、物騒僧侶、ポンコツ駄天使、王女ちゃんに俺だ。
「では、早速。話を聞こうか」
俺は宗主さんにそう切り出してから、この問題に関して闇の部分を見始めるのだった。




