冒険56─エドへ到着。そして、早速エンカウント。
「早いわね~! 見てみて! 魚の群れよ!」
「釣りでもしますか!?」
「おい、はしゃぐのは良いのが甲板の前に出過ぎるなよ。それに王女ちゃん、こんなに速いのに魚が食いつくはずな──「釣れました!」釣れるのかよ?!」
おぉ、魚と言っても一匹見ても魔物なのか。俺の常識はまだこの世界に馴染めていないのかも知れないな。
いや、ポンコツ駄天使も驚いているから違うのか? その前に世界の管理側のお前が驚いていて良いのか?
「アレがエド国か」
「和って感じね!」
「【和】とは何ですか天使様?」
そんなこんなで約1週間位揺られながらも俺達の前にはエド国が見えてきていた。
アレは桜か? ピンクの花びらが散っているのと、旧日本前とした首都の様子が見えてきた。
「和って旧知識の産物よ!」
「そうなのですね! それにしても凄いですね! 綺麗です!」
旧知識ねぇ。また適当な言葉でも吐いてるのだろうか? かと言って、王女ちゃんは天使様には多少は盲目的だからな。問題は、ないか。
「ようこそ、いらっしゃいました。エドへようこそ冒険者様一行」
「出迎えか?」
「はい、私、この首都エドのギルド本部に所属しております。サブマスターで御座います。ささっ、こちらの馬車へ。ギルドマスターと宗主様がお待ちしております」
「ん? 宗主?」
「はい、このエドは龍信仰が主な宗教になっております。そちらの宗主様で御座います」
また、何やら面倒な臭いを感じたが、とりあえずはシーサンペントの売却とクエストとして海賊達の密輸等の証明の為の資料も渡さねばいけない。
「わかった。では、案内を頼む」
そう、俺の一言に恭しくサブマスターは頭を垂れては案内をしてくれ、最初に俺達はエドの冒険者ギルドへと向かうのだった。
「おお! おお! そなた達が、シーサンペントを持ってきてくれた者か!」
「ちょ、ちょっと! お触りはご法度なんですけど!」
とんだスケベジジイ──では無さそうだ。
ただ興奮で高揚している状態で駄天使へと接近していただけなようだ。
「離れて下さい」
そんな一言と共にベシッと、その手を王女ちゃんが叩いてはジジイを突き放していた。
「なっ! 貴様ら! 宗主様に手を!」
付き人か? いや、人なのか? 鱗に包まれた姿は所詮はドラゴニュートと呼ばれる種族なのだろうか。
この世界では珍しい部類に入る種族を俺はお目にかかったのだった。
「おいおい、その矛を納めな。ここは冒険者ギルドなんだぞ? それに、そっちは要人だ。勝手に近付いていたのは見えてただろう?」
「むっ、拙僧は…」
そう、言いながらも渋々と突き出していた矛を納めていた。
「いや、すまないな」
そう、このエドの冒険者ギルドのギルドマスターの一言からやっと俺達も緊張を解いたのだった。




