冒険46─やっぱり素材の味が活きたのは美味しいね。鮮度も命。
「たっのもー!」
「た、たのもー…です」
「いや、王女ちゃん。このポンコツ駄天使に合わせなくて大丈夫だから」
釣り道具を購入して、いざ釣り場へと着いた俺達は何名か既に釣っている数人から奇異の目を向けられ迎えられつつ、釣りを早速開始した。
「──な、なんでよぉ?!」
うん、分かってた。分かってたよ。
駄天使はポンコツなんだ。ポンコツだったら、どうなるか? 結果は今だ。コイツのバケツの中には水しか張っていない。
「よ、良し。釣れました」
王女ちゃんは着々と慣れてきたのか、試行錯誤の末に徐々に釣果が上がってきている。
バケツの中にも数匹既に悠々と魚が泳いでいる。
「ま、これでもまだ足りないよな」
俺のバケツは2つ目だ。
1つ目は沢山になっている。
酸欠にならないように、2つ目のバケツに移行したのだ。
コツと言うか裏技を使っている。
スキルでソナーっぽいのを使っては魚の位置を捉えては其処に釣りエサを垂らしては河の流れを一部操っては魚を誘導して釣り上げているのだ。
まぁ、そんなこんなで夕方近く。
まだまだ粘っている輩も多いが、俺達は引き上げることにした。
「わ、私はまだ戦えるんだからぁ!」と、どこぞのポンコツ駄天使は背後まで宣っていたが、俺が引っ張っては調理場へと連行した。
「だ、旦那様凄いです!」
「バケツ2つ分はアイテムボックスに仕舞っておくぞ。今夜は1つ分を食べよう」
とりあえず、魚に木の串を通しては塩を振りかけつつ焼き上げる。
こういうのはコレで良いと俺は思ってる。
それにここ最近は香草のスープだったりでまともに食事を取れていなかった。
まずは焼き魚から、明日からは普通に宿の朝食サービスを食べつつ、ギルド併設の食堂やら外食でも良いだろうという算段だ。
それにもう少し、この街を堪能したら、水上都市エーゲへ向かおうとは常々思っていた。
元の当初の目的は海産物なのだ。
海に面したあの都市でしか味わえないグルメがあるだろう。
…って、これだとどこぞのポンコツ駄天使みたいだな。
「美味しいです…」
「美味しい! 美味しいわ!」
「あぁ、優しい味だな」
身がふっくらで本当に美味しい。
俺達はホクホクと美味しい焼き魚を味わっては湯屋でお風呂を済ませては宿でそのまま明日へ向けて眠りに就くのだった。
流石に今夜は眠気もあったので、俺は2人に挟まれてもすんなりと眠りに落ちれたのだった。
そして、王女の湯屋でのお風呂上がりは暫くは果実ドリンクへと落ち着いたのだった。
それでも、残り少しで成人を迎えるから、それ以降は悪酔い王女が爆誕するのは避けられないのだろうと俺と駄天使は腹を括るのだった。




