冒険44─生活用品は大事だよね。いや、主に下着とかだったのだけれども。
あー、寝不足だ。
普段は駄天使は背中に隠してるから良いが挟まれたら逃げ場が無いと良く分かった。
これ、いつか駄目になるやつだ。
いや、こいつらはもしかしたらそれを狙ってるのか?
そうだとしたら、末恐ろしいものだと思いながらも起き上がる。
この世界の太陽も太陽だ。月は実は2つある。異世界っぽいよな。異世界なのだけれども。
とりあえず、太陽は既に昇っている。昼時だろうと目算を付けては両隣の駄天使と王女も叩き起こす。
「お前ら寝過ぎだぞ」と言っておいたが、どの口が言うんだというのは御愛嬌だ。
本当に昨夜はしんどかったんだ。男なら分かるだろ?
「今日はどうするの? クエスト見に行く?」
「いや、この時間から行っても碌でも無いのしか無いだろ」
「だったら、どうするんです旦那様?」
あっ、旦那様で行くのね。
とりあえず、諦めよう。
「いや、昨日湯屋で風呂に入ってたら話してたんだよ。釣りで大物釣って併設された調理場で焼いて食べたら、最高に旨かったってよ。だから、王女ちゃんの生活用品買いつつ、武器を見つつ、釣り道具買っては今晩は釣り上げた魚でも食べないか?」
「なにそれ! 最高ね! 私の天使力魅せてあげるわ!」
「魚釣りですか、やった事はありませんが、とても楽しそうですね。楽しみです旦那様」
旦那様呼び、やっぱりまだ合わなくないか?
いや、そうやって外堀を埋めていくスタンスなのか?
ちょっとヒヤッとしたものを背中に感じつつ、身支度を済ませて買い出しに向かうことにする。
「生活用品はこのくらいだわね!」
「ありがとう御座います天使様」
「ふふふ! 女の子用品なら任せなさい! なんたって私は美少女だもの!」
おいそこ、往来で目立ってるぞ。
いや、生暖かい目で見られてるから、良いのか?
とりあえず、これで王女ちゃんの生活用品というか下着とか服が主だけれども、当面は大丈夫だろう。
元が良いからなのか、この駄天使もそうだが服装では隠せない気品さが滲み出てるのが凄い所だ。
「後は武器屋と釣り道具は運河近くの調理場の所で売ってるらしいから、武器屋行くぞ」
「はーい」
「はい!」
とりあえず、返事だけは良い2人を確認しつつ武器屋へと向かうのだった。
「……」
うーん、寡黙。
ギルドマスターから聞いた良い武器屋のはずだが、とりあえず武器を適当に見てみるが、俺自身は武器の良し悪しはまるっきり分からないがスキルと加護の恩恵を使えば…(鑑定)…おお、結構グレードとか詳細が出てくるな。
へぇ~と物珍しそうに物色してる中でポンコツ駄天使も楽しそうに武器を選んでいる。
そう言えば俺達の武器もドランの街で買い込んだナマクラだったなぁ……と、思い至れば欲しくなるもの。
「なぁ、駄天使。俺達も武器新しく買わないか?」
「! いいの?! 私もそう思ったのよ!」
「旦那様達も買うのですか?」
「あぁ、俺達のも随分ナマクラというか、ボロボロだからな」
「ボロボロだと…?」
ピクッと俺の言葉に反応しての独り言だったのだろうが、良くも悪くも俺と駄天使は…いや、地獄耳だったのか王女ちゃんも聞き取れていたのか、3人で武器屋の職人をみてしまっていた。
とりあえず、罰が悪そうなした顔を職人は俺達を見ながら、武器を見せてみなと言われたから俺と駄天使はそれぞれ、今もやっと使いこなせている武器をそれぞれ見せるのだった。




