冒険35─平和っていうのは常に下卑た欲望で崩壊するのが常。
ささやかなパーティー? バカを言っちゃいけない。
見ろ、この下卑た顔のした貴族たちの群れを! 何を下賜されるのか期待に目が汚れてやがる。
そして、ギルドマスターが守ってくれてるが、時たまその防衛網を突破しては貴族で召し抱えてやるとかウザったい勧誘に来る貴族も多数来る。
魔法師団、騎士団、お前らもだ。情報共有? 模擬戦? ウンザリだ。パスだパス!
おい、そこの駄天使! チヤホヤされて浮かれてる表情してるがアイツらはお前の事しっかり見てないからな。見てるのはお前にぶら下がってる大金だ。
何なんだよ。コイツらは──とは周囲を改めて見渡していると気付かなければ良いものを見つけてしまうのは性だった。
明らかにもっと空気が淀んでる、いや、良く言えばピリついてる1団が見える。
アレは確か、情報で貰ってた王子派の派閥連中か? それにどちらかと言うと過激派の方面だな。
「おい、ちゃんと仕組んだのか? ちゃんと混ぜれたか?」
おいおい、聞き耳スキルを自然と気になったら発動しちゃって聞こえてくるワードは不穏以外に何事もないぞ。
「神聖なる貴族の血以外がもてはやされるのも不愉快ですな。豚は豚。家畜は家畜だ。王女派もそれが分かっていないのですよ」
「えぇ、えぇ、ごもっともです。あの王女も今期で学校を卒業されてはその進路を決めようものなら、我らの邪魔になる。これが良い機会なのですよ」
「下地は完璧だな? 後は実行するだけだ。何、王女の事件の犯人はあの豚にさせればよい。ちょうど学校で交友も出来たという、飲み物を彼らから渡せば良い」
おいおい、マジかよ。
マジかよ? マジ? 毒殺ですか? 王女を? 今ここで? アホなの? バカなの?
あちゃ~と頭を抱えつつも目線を外しては未だにデレデレにニヤけてる駄天使の所まで言っては、両頬に食べ物を蓄えてる、その頬っぺたをつねっては俺の傍へ引き寄せる。
「な、何よ! 今、私は良い気分なの!」
「はいはい、ただお前は気楽でいいな」
「は? パーティーなのよ? 気楽でいいと言ってたじゃない」
「お前、向こうの1団見ても言えるの? おい、顔を向けるな。意識だけにしろ」
バカ正直に見ようとしたコイツの頭を戻しては、小さな声で先ほどの話をすると、流石のコイツも状況を把握したのか顔をしかめてしまった。
「なに? 王女ちゃん狙ってるの? 私をダシに使って?」
「お前じゃない、俺達だ」
「へぇ、良いじゃない。やろうとするなら、やられる覚悟も有るって事よね? それに私は豚じゃなく、天使──「おい、酔い過ぎだ」」
コイツ、やっぱりポンコツだろ。
何勝手に身バレしようとしてんだ。
どうやら、周りは浮かれたコイツはさっきから自分の事を美少女とか言い触らしていたから、その一環だと思ってくれたのが幸いだ。
とりあえず、コイツの酔いをアンチポイズンで曰く、キュアで醒ましてはどうするかを考える事にするのだった。




